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スサノオ神社の・・・

===視点切替===>アルク


『各戦況ヲ確認。死傷者ナシ。防衛ニ問題ハアリマセン。』


『了解。引き続き監視を頼む。だが敵が出たら防衛を優先してくれ。』


『了解デス。』


俺はカイザーからの秘匿通信(笑)で他の場所の防衛が問題ないことを確認していた。


「アルク?何をぼそぼそ言っているんだい?」


ラングが危ないようなかわいそうな人を見る目で俺を見てくる。・・・ぶん殴りたい。


「・・・いや?なんでもない。ちょっと他の場所がどうなっているか気になっているだけだ。」


「・・・ふーん?」


疑わしげながらも亡霊武者の討伐に戻るラング。


・・・嘘は言っていない。他の場所が気になっているのは本当だ。ただ、今の俺にはそれを確認する手段があって、確認の結果問題が無い事が分かっているので、本当になんでもないのだ。


なぜ他の場所の様子が分かるかって?秘密はこれ。


俺の服にぴったりくっついているのはアヴァンが開発した小型偵察メカ【ビートル君】のおかげなのだ!!・・・名前?別にふざけていないよ?


小型偵察メカ【ビートル君】は体長5cmほどのカブトムシ型メカなのだ!小さいからといって侮るなかれ!なんと【ビートル君】が見た映像は我々【アークガルド】のメンバーに送信され、【メニュー】の動画機能を使っていつでもどこでも見ることができるのだ!さらに【ビートル君】同士での無線通信も可能!今も【ビートル君】を使った通信でカイザーとの秘密の会話を行っていたのだ!!


そして現在、複数の【ビートル君】が各神社上空及び、クランメンバーの周囲を飛び回っている。それにより映像によって各戦況を直接確認しているのだ。


・・・のぞきし放題?通信よりチャットを使え?・・・ええい黙れ黙れ!これは男のロマンが詰まったメカなのだ!!


・・・すまん、冗談だ。実際、戦闘中にメールやチャットなんて暢気にやってられないしな。今回は【ビートル君】で各戦況を比較的手が開いているカイザーが監視、ピンチの場所があったら即急行という作戦を用意していたのだ。・・・まあ、実際には杞憂だったようだが、これはこれで中々使い道がある。


・・・まあ、SFに出てくるスパイが使う秘密道具みたいで面白いっていう理由が大半だけど(笑)。


ちなみにこの秘密道具はラングたちには内緒。売り出す予定も無い。なぜなら秘密道具だから。・・・それにラング辺りにばれたら大量に作らされそうな気がするしな。アヴァンはあくまで【アークガルド】のために作ってくれたものだ。そうやすやすと他の連中に渡すわけにはいかない。


・・・だからラングの奴がさっきから俺のことを目ざとくちらちら見てくるが無視しているのだ。というか真面目に戦え。


「うおっと!?」


いつの間にか巨大武者が近づいていて巨大な刀を振り下ろしていた。間一髪で避ける俺。


「ほらほら。ぼーっとしてないで真面目に戦いなよ。」


ラングに注意されてしまった。・・・うん今のは俺が悪いな。油断大敵、注意一秒、怪我一生。


・・・どこからか、ほらやっぱり、という声が聞こえてきたがきっと気のせいだ。


「やれやれ、そろそろ僕も本気でやろうかな。ロゼ、亡霊武者たちは頼むよ。ヒュントとヒュームもね。」


「はい!」「「クワー!!」」


わらわら集まってくる亡霊武者たちをロゼさんたちに任せ、ラングが取り出したのは・・・本だった。


「何故に本?」


「【魔道書ネクロム】だよ。魔法使いが使う杖のように魔法攻撃力を上げる武器。だけど魔道書にしかない効果もある。」


ラングがそう言うと魔道書とやらはひとりでにパラパラとページがめくれていく。というかあの本、浮いてね?


「【ウッドバインド】。」


ラングが唱えると地面からいくつもの木が急速に生えてきて巨大武者を縛り上げる。さらに・・・


「【ウォーターバインド】【アイスバインド】【サンダーバインド】【ソイルバインド】。」


水で、氷で、雷で、土で、巨大武者を縛り上げていく。もはや巨大武者は身動き一つ取れない状態だ。


「細工は流々、あとは仕上げを御覧じろってね。【アイシクルランス】【ウッドスピア】【ウインドカッター】【アクアストリーム】【サンダーボルト】。」


氷と木の槍が巨大武者を貫き、風の刃が切り刻み、さらに水流が全身を覆い尽くした所で雷を落す。そして・・・


「仕上げに【ファイヤーストーム】。」


炎の嵐が巨大武者を包み込み、嵐が去った跡には・・・何も残っていなかった。


「・・・どうだい?僕の本気は?」


「・・・ひどい残虐物語を見た。」


縛り上げた後に突き刺し、切り刻み、水攻め、雷攻め、最後に燃やして消すという・・・拷問か?悪い顔してるぞ、ラング。


しかし、魔法のたたみかけか。使った魔法は初級から中級レベルみたいだが・・・あんな連続で使ってMPが持つのか?ラング自身疲れた様子も見せないが。・・・俺の疑問が顔に出ていたのかラングがご丁寧に答えてくれる。


「魔道書には()()魔法をストックすることができるんだよ。そして任意で発動できる。MP消費無しでね。勿論一回使ったらそれっきり。またストックし直さなきゃいけない。あ、ストックする時はMPは消費するよ?」


・・・むぅ。魔法のストックか、なるほどな。MP消費無しで使用できるのは大きな利点じゃないか?


「もちろん、デメリットもあるよ。ストックできる魔法は魔道書のレアリティによって変わるし、一つの魔道書に一種類ずつしか魔法をストックする事が出来ない。だからアテナ君の【爆発魔法】を連続で使用し続ける、みたいなことは出来ないよ。」


ふむ、そうそう上手くは行かないか。まあ、何でもかんでもバカスカ撃てたら皆それしか使わなくなるわな。


「ちなみに作り方は有料だよ。君はともかくアテナ君やアルマ君は興味あるんじゃないかい?」


・・・やけに丁寧に説明すると思ったら営業かよ!さすが情報クラン。ちゃっかりしてやがる。


「あの!ちゃんと!戦って!もらえますか!!」


おっとロゼさんに怒られた。彼女はさっきから湧いて出てくる亡霊武者たちを鞭やら忍者刀やら【忍術】やらで地道に倒して行ってる。・・・地味に見えるのはいつもアテナやアルマが派手に魔法をぶっ放すせいだな。ロゼさんも強いよ?着実に亡霊武者たちを始末していってるし。


「そうだな。ちゃっちゃと終わらせよう、アーテル!」


「クル!」


残り一体の巨大武者を足止めしていたアーテルに本気を出すよう指示する。アーテルは空中に踊り出ると翼を大きく広げる。


「クルルルルルー!!!」


翼が強く光りだし、その光は無数の弾丸となって地上に降り注ぐ。


「【シャイニングフェザー・・・」


光の弾丸は巨大武者を含め地面に無数の穴を空け・・・


「・・・インパクト】」


爆発した。


「ウワッ!」


「キャアッ!」「「クワー」!」


あ、爆風に注意するよう言うの忘れてた。だが巨大武者は倒せた。ついでに巨大武者の周りをウロチョロしていた亡霊武者たちも巻き添えを食って消えていった。


アーテルの【シャイニングフェザーインパクト】は一発一発の爆発は小規模だが総合すると、アテナの【大爆発(エクスプロージョン)】にも匹敵する・・・と思う。さらに攻撃範囲は任意で変更可能だ。今回は50メートル程度に範囲を絞ったが、数百メートルくらいの広範囲にする事もできる。・・・なんとも環境に優しくない技である。今だって樹海が穴だらけになってるし。


「・・・僕があれこれ駆使して倒した敵をあっさり倒すのは止めてくれないかな。」


ラングが何か言っているが聞く耳もたん。なぜなら顔がにやけているからだ。また、良い情報が手に入ったとか思っているのだろうか。・・・この余裕っぷりで確信した。コイツ、本気で戦ってはいるが()()()()戦っていないな。


「・・・こちらも終わりました。」


声のほうを見るとロゼさんたちが全ての亡霊武者どもの駆除を完了させていた。おつかれ。


「クルルー♪」


アーテルも戻ってくる。よしよしと撫でながらMPポーションを与える。回復は・・・以下省略。


「・・・じゃあ後はアイツだけだな。」


最後に残ったのは巨大な馬に乗った巨大な亡霊武者だ。アイツもアーテルの攻撃範囲にいたはずなんだが、避けられたようだ。あの馬、見た目より速いらしい。


大将らしいが、アイツを倒せば・・・終わりじゃないよな。次に進むはずだ。他の場所もそろそろ終わるはずだし、サクッと終わらせよう。

作者のやる気とテンションを上げる為に


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