表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/797

アマテラス神社の防衛

===視点切替==>アテナ


アルクたちと別行動になった私たちは【アマテラス神社】まで来ていた。


「うわぁ・・・」


思わず声が出る。亡霊武者の大群が神社に向かって進んでいたのだから。さらに大群の奥には巨大な亡霊武者が3、いえ4体。一体は巨大な馬に乗っていていかにもボスといった感じだった。


「神社が丸見えなのです!危ないのです!!」


そう、アーニャが言った通り、前回来たときは結界に覆われて見えなかった神社が今ははっきりと見えてしまっている。亡霊武者たちは迷うことなくそこに向かっているみたい。


私達は亡霊武者たちを追い抜き、神社の前に降り立つ。・・・やっぱりあの息が詰まるような圧迫感が感じられない。完全に力が失われているように思える。・・・今なら社の中を覗けるかもしれないけどそれどころじゃないわよね。


「まずは数を減らしましょう。」


そう言うと私は【聖弓レッドセラフ】を構える。不思議と手になじむこの弓は今では私の一番の相棒だ。


「【魔力強化(マジックアップ)】!」


まずは覚えたばかりの【強化魔法】で魔法攻撃力を上げる。・・・魔法攻撃力の低い誰かさんのために覚えたのに真っ先に自分が使うことになるとは思わなかったわ。


「【大爆発(エクスプロージョン)】を【魔法付加(エンチャント)】!!」


さらに番えた矢に魔法を付加する。【魔法付加(エンチャント)】の利点は詠唱が不要なこと。欠点は威力が下がる事だけど、【魔力強化(マジックアップ)】で強化している今なら問題ナシ!!


「【ハイスピードアロー】!!」


【中級弓術】のスキルの最速の矢で、神社に迫る亡霊武者の大群の先頭辺りを狙い打つ。放たれた矢は一直線に向かっていき・・・大爆発!


・・・正直、自分でも引くくらいの爆発だった。色々重ねがけすると本当にとんでもない威力になるわね。


「おお、す、凄いのです!あの大群の半分くらい消し飛んだのです!!・・・樹海の木もいっぱい消し飛んだのです。」


そう、爆煙が晴れた後に見えたのは巨大隕石でも降ってきたのかというくらい巨大なクレーターだった。・・・とんでもない自然破壊ね。不可抗力ってことで許して頂戴。


私が誰に向かってかも分からない謝罪を心の中で浮かべている間も残りの亡霊武者たちは、仲間たちが消えたことなど気にも留めない様子で進軍を続けていた。さらに奥に控えていた巨大武者たちも動き始めていた。本格的に参戦してくるみたい。


ならもう一発射って雑魚だけでも全滅させようとMPポーションを飲んでいた時。


「待ってくださいなのです。ここはブランちゃんの出番なのです!」


「キュイー!!」


勢い良く前に出る。アーニャと巨大なドラゴンの姿になっているブラン。ノワールは少し後ろに下がって主人と兄貴分の姿を見ている。・・・そうよね、アーニャたちもこの日のためにレベリングをして、連携の練習もいっぱいしていたのよね。


「・・・わかったわ。任せるわ。」


「ハイなのです!ブランちゃん!!」


「キュイ!!」


元気良く頷いたアーニャがブランに指示を出す。ブランは両手を天に掲げると、上空に光が集まってきた。光はどんどん集まっていき巨大な光の玉へと変わっていく。


「【ホーリーノヴァ】なのです!!」


「キュイイイイイイイイイ!!!」


アーニャの掛け声と共にブランは頭上の巨大な光の玉を亡霊武者たちに投げつけた。光の玉が亡霊武者の大群に着弾すると、玉が弾けるように周囲に閃光が走り、亡霊武者たちを消滅させていく。


光が止むと巨大な亡霊武者たちを除いた、亡霊武者たちの大群は消滅していた。


「す、すごい威力ね・・・」


「むふっふー、【中級眷属術】のスキル【魔力譲渡】のおかげなのです。武器を装備できないブランちゃんたちでもこのスキルのおかげで威力を強化できるのです!!」


【魔力譲渡】・・・たしか自分のMNDの数値をMATKに換算して【眷属】に与えるスキルだったはず。ただし、その間自分のMNDが0になってしまうけど、元々アーニャは自分で戦闘するタイプじゃないから問題ないのね。


あっと、いけない。こうして話してる間に、巨大武者たちが迫ってきているわ。あいつらは他の雑魚たちよりも強そうだし、早く何とかしないとね。


「そちらもお任せなのです!ノワールちゃん!」


「キュア!!」


ようやく出番だ!と言わんばかりに無くノワールが前に出る。代わりに下がったブランにアーニャがMPポーションを飲ませている。良い連携ね。


「キュアア!!」


ノワールが勇ましく鳴くと、ノワールの周囲に黒い霧のような物が現れる。やがて黒い霧は無数の黒い剣のような形に変わっていく。ノワールの周囲に浮かぶ無数の黒い剣。それらを纏いながらノワールは巨大武者の一体に突撃して行く。


「【ダークネススキューア】なのです!!」


アーニャの掛け声と共に、ノワールの周囲に浮かんでいた無数の黒い剣が次々と巨大武者の一体に突き刺さっていく。スキューアの名のごとく串刺しの様相となった巨大武者にとどめとばかりにノワールが突進して行く。


「キュアアアアアアアア!!!」


自身も黒い霧を纏い、一本の巨大な剣となったノワールが雄叫びを上げながら巨大武者に突き刺さり、そのまま貫通した。巨大武者はなすすべもなく消滅していった。


「すごい。」


そして少し、えぐいと思ってしまったのは内緒だ。


「ノワールちゃんも頑張っているのです!・・・ちょっとえぐいのですが。」


ああ、アーニャもそう思ってたのね。ま、まあそういう技なんだから仕方が無いわよね。


「・・・これは私達も負けていられないわ!レオーネ!!」


「ガオオオ!!」


私のレオーネも雄雄しく雄叫びを上げる。ふふっ、ブランたちを見て対抗心がでたのかしら?レオーネも男の子よね。


雄叫びを上げたレオーネは全身に雷を纏う。その雷はどんどん大きくなり、レオーネの何倍もの大きさにもなる巨大な雷の獅子が出来上がった。


「【雷獅虎襲撃】!!」


「ガオオオオオオオオ!!!」


レオーネに代わり、私が技名を叫び、そしてレオーネの雄叫びと共に雷の獅子が巨大武者の一体に襲い掛かる。雷の体で体当たりし、雷の爪で攻撃し、雷の牙で噛み付く。そのたびに巨大武者は感電したかのように動きが緩慢になっていく。


そして最後に雷の獅子は巨大武者に噛み付くと落雷でもしたかのような轟音と共に弾けとび、巨大武者を黒こげにした。・・・えぐい云々では人のこと言えないわね。


「す、すごいのです、レオーネちゃん。黒こげなのです!」


戻ってきたノワールにMPポーションを与えながら、そんな感想を漏らすアーニャ。ブランもノワールもレオーネを見て鳴いている。褒めているのだろうか?


「よくやったわ。レオーネ。」


一方で私は敵を倒したレオーネを撫でながらMPポーションを飲ませる。今更ながらだけど、いちいち回復させているのはラングの指示よ。ラング曰く、回復できるうちにこまめに回復させないと直ぐに追いつかなくなる、だって。アルクも長期戦かつ連戦になるなら当然だ、ということで大量の回復アイテムを全員に配ってたわ。現にこれだけやってもまだ敵は残っているもの。でも・・・


「残り2体、でも・・・」


既に回復が完了した私は再び【聖弓レッドセラフ】を構える。【魔力強化(マジックアップ)】の効果はまだ残っているし、効果が残っているうちに倒しておきたいわね。


「【聖なる十字架(ホーリークロス)】を【魔法付加(エンチャント)】!!」


今度は浄化属性を付加する。そして


「【ハイパワーアロー】!!」


魔法攻撃と物理攻撃を組み合わせた一撃で巨大武者の一体を沈める。


「さあ、残るはボス武者1体よ!!」


【アマテラス神社】の防衛はいたって順調だった。となると他の場所が気になってくる。特に【ツクヨミ神社】に向かったアルマたち。一番人数が少ないし大丈夫かしら?


・・・アルクたち?あの人たちなら大丈夫よ。ラングたちの実力は良く知らないけど、アルクがいれば、ね。・・・たまにドジ踏むけど。

作者のやる気とテンションを上げる為に


是非、評価をポチっとお願いします。


m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ