メカロイドの力
===ログイン===>【アークガルド】クランホーム
おはようこんにちこんばんは。
そろそろアヴァンやガットの作業が終わるはずなので2、3日中にはレイドクエストに挑戦になるだろう。という旨のメールをアヴァン、ガット、ラングに送っておく。自分の工房への引きこもりと忍の里への入り浸りにより中々捕まらない為である。困った野郎どもだ。
まあ、それは置いておいてこっちはこっちで準備は進めておく。
眷属との【シンクロ】は中々使い勝手がある。詠唱やMPの関係で同時使用出来ない魔法なんかも【眷属】となら同時に使用する事ができる。まあ、その分、それぞれでMPも消費するから回復の手間もかかるけどな。
問題はスキルで【シンクロ】を行うか、アイテムまたはアクセサリーで代用するか、だな。できるなら両方用意すべきだろうが・・・今の俺には無理だ。orz
なのでアイテムかアクセサリーを作ろうとしているがこっちも芳しくない。【シンクロ錬金】で現状作れるのは一回限りのアイテムだけでアクセサリーまでは作れていない。せめてアクセサリーが作れれば何回も(再使用時間が設定されているらしいが)使えるんだが・・・今のスキルレベルの俺の技術力ではまだ無理らしい。
まあ、これに関してはある程度妥協するしかないだろう。時間も素材も無限にあるわけではないし、そもそも一朝一夕で出来るようになるんだったら、そもそも生産職の需要がないだろって話だ。
まあ、これに関しては時間を見て続きをやるとして、あと確認すべき事が一つ。
アークカイザーの【クランメカロイド】としての力だな。【メカロイド】の方の。
「おおー!すごいのですー!!」
というわけで現在、ホーム地下の練習場で操縦練習中である。
ちなみにこの地下練習場、広さを自由に変更できるので20メートル近い【メカロイド】形態のカイザーでも自由に動く事が出来る。
現在はアーニャ、ブラン、ノワールが乗り込んでいる。操縦の練習及びスキルのテストのためだ。
操縦に関してはアーニャ以外にもアテナやアルマも試したが特別問題は無かった。ぶっちゃけ操縦席に乗ってれば思ったとおりに動かせるんだけどな。ただし、【眷属】を操縦席に座らせる事は出来ない。操縦できるのはプレイヤーに限定されるようだ。また、操縦者の思考がダイレクトに反映されるため、挙動に関しては操縦者によってかなり違いが出る。
また、コクピットから外を見ているためか思ったより視野が狭い。一応カイザー自身も喋れるので警告はしてくれるのだが、一人で操縦するより左右や後ろを確認してくれる人も一緒に乗ったほうが良いと思われる。
また、【メカロイド】形態のカイザーは搭乗者六人の武装とスキルを使用できる。武装に関してはカイザーの体と同様、ナノマシンによる再現だが性能はそのままだ。つまり俺の剣の場合、【豪剣アディオン】がそのまま巨大化して使えると思って良い。・・・性能はそのままだがサイズが10倍近いので攻撃範囲は桁違いだけどな。
なお、防具に関しては再現しない。なので【攻鎧アルドギア】が巨大化、なんてことは無い。ではどうするかというと【ヒューマロイド】形態時の装備がそのまま反映される。何でそんな仕様なのかは不明だ。多分そこらへんはロボットらしく改造しろってことなんだろう。
スキルに関しては搭乗席にさえ乗っていれば【眷属】のスキルであっても使用することが出来る。現に今、ブランのスキル【ホーリーブレス】をカイザーが口から吐いている。ただし、搭乗席に乗っても使用出来ないスキルもある。例えばブランの翼や爪、牙を使ったスキルなんかはカイザーには翼も爪も牙も無いので使用する事はできない。ナノマシンによる再現も出来ない。まあ、武器ではなくブランの体の一部だからな。ただ、では翼や爪や牙のパーツを作ってカイザーに装備させたらどうなんだろう?というのはアヴァンとも話している。今すぐは無理だがそのうちできるようになるかもしれない。
また、スキルの使用に関しては搭乗席に座っている者のスキルだけが使用可能だ。例えば俺の頭の上にアーテルが乗っかった状態で搭乗席に座ってもアーテルのスキルは使用できない。空いてる搭乗席にアーテルを座らせれば使用できる。【シンクロ】アイテムでも駄目だった。使用できるのは操縦席一人と残りの搭乗席5人の計6人のスキルに限定されるらしい。
最後に。【メカロイド】形態のカイザーの素の戦闘力はカイザー自身のレベルと装備(防具)に依存する。数値上で考えれば【ヒューマロイド】形態のおよそ10倍くらい?強くなりすぎな気もするが【メカロイド】形態は使用制限があるのでいつでもどこでも使えるわけではない。レイドクエストは大丈夫らしいが・・・問題はパーティの枠を一つ消費してしまう事だな。
【メカロイド】形態のカイザーを使用する場合は、カイザー1人でパーティを組む(なんか矛盾しているが)必要がある。【ヒューマロイド】形態は普通にプレイヤー1人分だが【メカロイド】形態ではプレイヤー6人分という事になる。さらに6人が搭乗する事を考えると【メカロイド】形態のカイザー1体で2パーティ、12人分の枠を丸々使ってしまうわけだ。
ラング曰く、少人数クランがレイドクエストにチャレンジする時の救済措置じゃないか?と言っていたが、俺もそう思うな。場合によっては【メカロイド】より【ヒューマロイド】の方が便利なのかもしれないが【メカロイド】の戦力はかなり大きい。
話が長くなったが、今は誰が操縦する事になっても大丈夫なように練習中というわけだ。戦闘職かつ武術職の俺が操縦するのがベストなのかもしれないが場合によっては他に任せたほうが良い場面もあるかもしれないからな。
「・・・特別問題は無いみたいだな。」
「はいっ!楽しかったです!!」
練習用のカカシ(巨大サイズ)をタコ殴りにしてカイザーから出てきたアーニャ。・・・その満面の笑みが何気に怖いんだが。
「戦闘職じゃないアーニャがここまで戦えるなら戦力としては十分よね。」
「ああ、戦闘系のスキルが使用出来なくても普通に殴る蹴るで普通の敵は大ダメージだからな。」
人間サイズの敵の場合は殴る蹴るというよりプチッと踏み潰す感じだが。
「戦闘終了、各部問題ナシ。」
【ヒューマロイド】形態に戻ったカイザーもやってくる。こっちも問題ないらしい。あとは【メカロイド】形態のカイザーを戦力として考えた場合のパーティ編成だな。ラングたちも参加すると言ってたしすり合わせが必要だな。
練習終了という事で練習場を出て何時もの庭に出る。そこにいたのは・・・
「・・・おお!これは素晴らしい造形美じゃ!!」
「何を言う、ガット殿が作った武器に比べればまだまだ・・・」
なぜかガットとアヴァンが談笑していた。あ、ラグマリアとヴィオレもいる。苦笑いしているが。
「・・・よう、ガット。・・・生きてたか。」
ツカツカ歩み寄りながら話しかける。
「生きとったわい!なんじゃい、藪からぼうに。」
「いや、久しぶりに見たからてっきり・・・な?」
「何が、な?じゃ。大体、前にあったのは一週間ほど前じゃろうが。」
「・・・」「・・・」「・・・」「・・・」
「・・・ああ!そういえばそうか。なんか一ヶ月ぐらい顔見てないと思ってたぜ!!」
少なくとも読者の皆さんは・・・おっとメタ発言。
「アンタが工房に引きこもって顔を見せないからだろう?せめてメールぐらい返しな。」
ヴィオレから注意されるガット。そうそう、既読スルーは罪だぞ。
「ぬぅ、それはすまんな。つい夢中でな。」
ぼりぼり頭をかくガット。まあ、生産の大変さを知った俺としては深く突っ込む気にはなれないけどな。
「それで?今日はどうしたんだ?二人揃って。」
「ヴィオレ殿は我の戦闘服を持ってきてくれたのだ!!」
アヴァンが言うが・・・そういえばヴィオレに戦闘服を頼んでいたはずだが・・・はて?
「・・・本当は一昨日のうちにできていたんだけどねぇ。メールしても返信がないし、」
「・・・アヴァン?」
俺はアヴァンにアイアンクローをかます。
「アイダダダダ!す、すまないのだ!つい夢中で・・・」
・・・うちも人のこと言えなかったな。
「モウシワケアリマセン。マスターハ一度集中スルト目ト耳ニ機能障害ガ発生スルノデス。」
・・・要するに他の事に手が付かなくなるって言いたいんだろうがラグマリア。機能障害は違うぞ、多分。
「まあまあ、それくらいにしときなよ。それよりアタイの作った服を受け取ってくんな。」
おっとそうだった。手を離しアヴァンを促す。アヴァンは早速装備してみるようだ。
【碧鉄の戦闘服 ☆10】
特性:DEF+70 MDEF+70 DEX+20 属性:土雷 損傷度:0%
特殊な素材と手法で作成された戦闘服、高い防御力を誇りながら羽のように軽い衣服
製作者:アイゼンガルド:ヴィオレ
アヴァン専用
緑を基準として銀のラインの入った軍服のような服だ。アヴァンが着ると研究者の服にも見えるが。
「おお!これは凄いのだ!ありがとうなのだ、ヴィオレ殿!」
「どう致しまして。」
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