プラネタリウム
星の観測も終わり、西宮さんと斎藤さんにはそれぞれの冬の一等星の星の名前を教えて置いた。二人は興味深そうに聞いていたことに僕と奈々子さんは教え甲斐があって良かったと思っている。
「いつもは星を何となく見ていたけれど、こうして名前を覚えることで楽しめるなんて不思議ね」
と西宮さんは感慨深そうに言う。
そうだ。星は以前奈々子さんのお母さんの骨髄を探すために遠い田舎まで行ったことがあった。そこのパーキングエリアで見れた星はそれはものすごい物だった。東京の星とは大違いの所だと思っている。その時見た星を西宮さんにも斎藤さんにも見て貰いたいと思っている。
明日は土曜日だからお休みだ、でも新聞配達の仕事はある。そこで西宮さんが提案をした。
「明日、プラネタリウムに行ってみない?」
プラネタリウムか、それは面白そう。そこに行って新たな星の発見になりそうでわくわくしてくる。奈々子さんも僕も斎藤さんも賛成した。そうだ。明日はプラネタリウムに行ってみるのも悪くないと思った。
だんだん寒くなってきたので、星の観察はこれぐらいにして僕達は桃子と光さんが料理を作っている僕と奈々子さんの部屋に戻った。戻ると今日は暖かいシチューを作ってくれた。シチューだけではご飯のおかずにならないからと言って、ウインナーも焼いてくれた。それに栄養のバランスを取って貰うために野菜まで切ってくれた。
本当に桃子と光さんには世話になりすぎだ。光さんに星の事を聞かれたが、東京では一等星しか見えないのであまり面白い物では無いと言っていた。それに光さんは星のことは詳しくて冬のダイヤモンドの一等星全部言える。光さんも桃子も明日みんなでプラネタリウムに行かないか誘ったが、光さんは図書館の司書のバイトがあって、桃子は受験間近なので誘いを断られてしまった。本当に残念だが仕方が無い。
そしてご飯も食べ終わり、光さんと桃子は図書館に向かって、僕達は勉強に専念した。僕達は今日のアクセス回数を見てみると僕の小説は164回を示していた。西宮さんは146回で奈々子さんは173回で、斎藤さんのアクセス回数はものすごく343回を示していた。マジか斎藤さんはいつも僕達を圧倒する。
小説のライバルは斎藤さんかもしれない。これからまたドラゴンボールのアニメを見て研究しなければならないかもしれない。でももうドラゴンボールのアニメは今日は借りていない。新聞配達の仕事の帰りに借りてくれば良かったと後悔した。
今、僕達は小説を描いている。僕の小説はファンタジー物だ。さらに偶然な事に三人もファンタジー物だ。本当に僕達は空想的な事が大好きなんだなと思わされる。小説も終わって、早速小説を掲載するネットに繋げて、僕達はアップした。明日斎藤さんに勝てる自信は無いが僕は僕なりに小説を書くしかない。
小説の投稿が終わって、僕達は勉強を初めて、そしてすぐに時間は経ち、何かいつも思うけれど一日が二十四時間と言うのは短い気がして本当に時が足りないほどに感じてしまう。小説を書いているとき勉強をしている時、たまに自分の心が壊れそうになるときがある。でも実際に壊れた事もあったけれど、それからまた、一歩踏み出せる何かが起こる。
本当に三人の熱を感じながら、勉強や小説を書いていると楽しくて、時間なんてあっという間に過ぎてしまう。本当に二十四時間じゃあ時が足りないと思ってしまう。だったら寝ないで小説や勉強をしようとしたが、残念な事に眠らないと調子を崩してしまうんだもんね。
僕達は眠り、そして必然的に明日はやってくる。時計は午前三時を示している。僕達は午前三時になるとスイッチが入ったように、起き出してしまう。奈々子さんの風邪はもう心配はいらないみたいだ。今日からまた四人で二手に分かれて熱いバトルが始まる。本当に僕達はライバル同士なんだなとしみじみ思い知らされる。
新聞配達所に向かい、僕達は社長に命じられ、今日も僕と奈々子さんと組み西宮さんと斎藤さんを組むように言われた。そしてジュースをかけた勝負が始まる。今日は奈々子さんは燃えていたし、その熱を感じながら僕も燃えてしまう。
新聞配達が終わって僕達が帰ったときまだ西宮さんと斎藤さんはまだ来ていなかった。奈々子さんとハイタッチして僕達が勝ったことに喜びを分かち合った。しばらくして西宮さんと斎藤さんがやってきて、勝負に負けたことに悔しそうにしていた。そして約束通り僕達はジュースをおごって貰った。
「今日はみんなでプラネタリウムに行こうよ」
西宮さんがそう言ってそう言えば昨日、そんな話をしたっけ。
プラネタリウムか面白そうな所だと僕は思う。プラネタリウムは西宮さんが小学生の頃に言ったことがあるので西宮さんの案内で行くことにした。でもプラネタリウムが始まるのは午前十時だ、今は時計は午前七時を示している。ここからだとおおよそ四十分はかかると言われているのでとりあえず時間調整は一時間にして置いて、残りの二時間を小説や勉強に充てることにした。
そして時間はあっという間に過ぎていまい、プラネタリウムに行く時間になってしまった。時計は九時を示している。とりあえず錦糸町まで行ってそれから渋谷行きの電車に乗り渋谷に到着して、そのプラネタリウムはどこにあるのかスマホの地図を見ながら行った。
プラネタリウムの場所に到着して、とあるビルの十階に位置する所にプラネタリウムはある。時計は午前九時四十分を示していた。後二十分待つしかない。とりあえず券売機で入場料を払う、ちなみに値段は七百円だった。
他にもお客さんは何人かいた。若い人も入れば中年や高齢者の人もいた。それでも何かプラネタリウムに入るのが僕はワクワクしていた。僕達の知らない世界がプラネタリウムにはある。本当に楽しみだ。
「西宮さん、僕本当にワクワクしているんだけれども」
「あはは、あっ君は子供みたいな事を言うのね」
本当に僕はワクワクしていた。実を言うとプラネタリウムに入るのはこれが初めてなのだ。いったいどんな世界を見せてくれるのか僕は楽しみでならなかった。
そしてプラネタリウムは開場して僕達は中に入っていく、中に入ると天井がドーム状になっていて、中央に望遠鏡のような物があった。
スタッフがマイクを取り「ご来場の皆様、今回はご来場ありがとうございました。本日ここプラネタリウムの星空を満喫できましたら、私達スタッフもろうとも冥利に尽きます。それでは始めます」
すると会場は真っ暗になり、都会で見える昨日の夜空が見えた。スタッフによるとこの夜空はここ渋谷から見えた夜空だ。そして本来見える星がドーム状に現れた。それは心に収まりきれないほどの星々が見えて僕は声を上げたくなるほど興奮した。凄いあの時田舎で見えた星よりも星々が輝いている。
しかも大犬座のシリウス以外にちゃんと形までくっきりと見える。それに子犬座のプロキオンの二つしか無い星の二つ目まで見える。さらに双子座のポルックスとカストルの一等星以外の形も見える。何て素晴らしい星空なのだろう。でも田舎で見た星の方がもっとくっきり見えるがこのプラネタリウムは凄い。
そして十二星座の由来も教わった。十二星座は昼間太陽が重なったところを真っ暗にすると射手座や天秤座牡羊座などが重なった所で十二星座が生まれたと言われている。僕は本当に勉強になった。さらに星にまつわる点も教わり大変勉強になり僕はもっと星が好きになれた気がする。




