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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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風邪の時だからこそ出来る小説の勉強

 うどんは奈々子さんに食べて貰っておいしいと好評だった。それで奈々子さんには薬を飲んで貰い布団に入ってもらうことにした。僕は先ほど借りたドラゴンボールのDVDを借りたのでそれを布団に横になっている奈々子さんと見ることになった。


 奈々子さんに眠っていた方が良いんじゃないかと言ったが、奈々子さんは僕と同じように小説の勉強をしたいと言うことで、僕とドラゴンボールを見ることになった。


 そう言えば昨日のアクセス回数はいくつだろうと思ってパソコンを広げて小説家サイトに行って、アクセス回数を見てみると、百四十を超えていた。凄いドラゴンボールの影響はそれはすさまじい物だった。


 奈々子さんのアクセス回数を見てみると、僕と僅差で百四十二だった。奈々子さんも嬉しそうにしていた。本当にこのドラゴンボールは面白いな。僕と奈々子さんはドラゴンボールに夢中になり、見ていた。これが小説の勉強になるとは思いもしなかった。


 こうして恋人同士で見るドラマは本当に良い物だった。


 時間は経ち、西宮さんと斎藤さんが学校から帰ってきた。


「やあ、ただいま。ななこにあっ君、何を見ているの?」


「ドラゴンボールの続きを見ていたんだよ」


「ずるっ、私達は真剣に学校に行っていたのにあなた達は遊んでいたわけ?」


「遊ぶなんてとんでもない、僕と奈々子さんは小説の勉強をしていたんだよ」


「フーン、そうなんだ。それよりも奈々子、桃缶買ってきてあげたわよ。風邪の時はこれが一番だって、施設の人が言っていたからね」


 そういう事で西宮さんと斎藤さんは奈々子さんに桃缶を買ってきてくれたのだ。相変わらずに素直じゃ無い奈々子さんは、どういう風の吹き回しと言っていたが、西宮さんはあんたの為に買ってきてあげたんじゃない。そして奈々子さんは素直に西宮さんが買ってきてくれた桃缶を食べ始めた。


 奈々子さんはおいしそうに桃缶を食べていた。奈々子さんの風邪は治ってきている。本当に良かった。奈々子さんが桃缶を食べ終わると西宮さんに素直にお礼を言った。あの奈々子さんが西宮さんにお礼を言うなんて考えられないことだった。なのにお礼を言った。西宮さんは「おう」と言って返事を返した。


 それで僕達は新聞配達の時間になるまでドラゴンボールを見ていた。


 そして時間はあっという間に過ぎてしまい、新聞配達の仕事に出かける時間になった。もしかしたら奈々子さん無理してでも新聞配達の仕事に行くなんて言わないだろうか心配していていたが、今日はなぜかまだ病み上がりだからと言って新聞配達の仕事には出かけず横になっているよと言ってくれた。


「今日は三人で四人の分までやってくるんでしょ」


「何よ奈々子、そんなことを気にしているの?」


 西宮さんが言う。


「気にするよ。とにかくみんなこの借りはきっと返すからね」


「じゃあ、いつか返して貰うからね」


 西宮さんと奈々子さんのやりとりを見ていて、僕は気持ちがほっこりとしてしまった。

 

 以前の奈々子さんだったら、みんなに迷惑をかけたくないとか何とか言って、意地でも新聞配達の仕事を病気にも関わらずに来ていたかもしれない。でも奈々子さんも素直になって大人になったんだなあと思った。


 今朝軽く叩いたことは無駄では無かったみたいだ。


 僕達が新聞配達所に行くと社長には奈々子さんは風邪を引いているためでれないと言って置いた。困った社長はその分僕達で補うと言ったらにっこりと笑って了承してくれた。


 新聞配達は四人でやるところを三人でやらなくてはいけない。いつもは二人一組で団地などを回っていたが、今日は僕は一人で後の二人の西宮さんと斎藤さんは、もしこのエリアの仕事が終わったら応援に行くことになった。


 本当に新聞配達の仕事は大変だが、僕は新聞配達の仕事が好きだ。何かこうしてやっていると生きている生きがいを感じる。それでこの新聞配達の仕事をして西宮さんと斎藤さんも加わった事で、友達が増えたんだと思っている。


 早速新聞配達の仕事に専念して僕達は四人分の仕事を三人でこなし、終わった頃にはもうヘトヘトだった。ああ、新聞配達って一人でもかけるとこんなにも大変な事だなんて思いもしなかった。とにかく今日の分の新聞配達は終わった。


 新聞配達の仕事が終わり、三人で僕と奈々子さんの家に向かって奈々子さんの病状はどうか心配だった。僕と奈々子さんの家に戻ると奈々子さんは寝ながらスマホで小説を読んでいた。どうやら奈々子さんは僕達の言うとおり大人しくしてくれていたみたいだ。


 奈々子さんの体温を測ってみると37,5度まで熱が下がっていた。とりあえず奈々子さんは大人しくしていてくれたため、奈々子さんの熱は下がったみたいだ。とりあえず今日は奈々子さんが熱を出しているために、勉強はしないことにする。したら、奈々子さんは無理をしてでも勉強に参加してまた病状を悪化させてしまったら元も子も無くなる。


 だから僕達は僕が借りてきたドラゴンボールを見ることにした。これなら奈々子さんもゆっくりと鑑賞が出来るだろう。


 そしてドラゴンボールを見ていると、時間は過ぎていき、光さんと桃子が食事を作りにやってきた。


「ヤッホーお兄ちゃん達、今日は唐揚げを作りに来たよ」


「あら、あっ君達、どうやら私のアドバイスを聞いてくれたみたいね」


 僕達がドラゴンボールを見ているのを光さんが見てそう言った。


「光さん。アドバイスありがとうございます。おかげで、面白い小説を書くことが出来ましたよ」


「それは良かった。それよりも奈々子ちゃんはどうしたの?」


「奈々子さんは今朝熱が出て、病院に連れて行って大分良くなりましたよ」


「もうそういう時は私を頼りなさいよ。病院代は十割負担だったでしょ」


「いえ、そういう事はありませんでしたよ。僕がいつも病気になった時に通っている病院に行ったら、三割負担にしてくれましたよ」


「そう、でも今回は特別ね。今度私も一緒に行ってあげるから、奈々子ちゃんの保険書を作りに行きましょう」


「そうしてくれるとありがたいです」


 奈々子さんは恐縮していたが僕はお言葉に甘える事にした。奈々子さんはもう一人なんだよな、僕がついていなければ人魚姫のようにいなくなってしまうかもしれない。そんなのは嫌だ。いつまでも一緒だよ奈々子さん。僕と同じ道に歩むことにした奈々子さん。僕は不本意だが奈々子さんが良いなら仕方が無い。本当に僕達は一年後にはバラバラになってしまうが、奈々子さんとはいつまでも一緒にいたい。


 そんな事を思いながらドラゴンボールを見ていると、桃子と光さん特性の唐揚げが出来上がった。早速いただきますとみんなで合唱して食べてみると、それはもうおいしい物だった。本当に光さんと桃子に百点満点をあげたいぐらいだ。


 そして光さんと桃子はいつものように二人で図書館に行ってしまった。二人に言って置いた、『風邪には気をつけてね』と。そして僕達は寝るまでドラゴンボールのDVDを見ることにした。僕達が勉強をしてしまうと奈々子さんも病み上がりなのに、勉強に参加してしまう事を僕は恐れた。だから会えてドラゴンボールを見ることに専念した。


 ドラゴンボールのこのシーンは小説に使える所ばかりであった。僕の小説もファンタジー小説を描いている。それにバトル物の。それにはこのドラゴンボールを見ることは僕にとってもみんなにとっても小説の勉強になる。こんなに楽しく小説の勉強が出来るなんて僕は思いもしなかった。

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