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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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意地を張る奈々子さんに鉄槌とそれぞれのプロフィール

 奈々子さんの風邪を治すにはまず奈々子さんに病院に行って貰うしか無い。それで奈々子さんは病院に行くと十割負担になってしまうのでそれを拒んでいる。でも先ほども言ったとおり背に腹はかえられない。何としても奈々子さんには病院に行って貰う。


 九時になり病院が開く時間だ。


「奈々子さん。病院に行くよ」


「絶対に嫌だ。あたしは保健書がないから、十割負担になっちゃうじゃ無い」


「仕方が無いよ。それにその熱のままだと命に関わってくるかもよ!」


「だったら死んだ方がましよ」


 僕は奈々子さんの発言で怒りに狂い、奈々子さんの頬を軽く叩いてしまった。すると奈々子さんは涙を流してしまった。十割負担でも良い、奈々子さんを病院に連れて行かなければ、奈々子さんは死んでしまうかもしれない。そんなの嫌だ。もう一度熱を測ってみると、先ほどよりも熱は下がっていて、38,9度にまで下がっていた。それでも強引だが僕は奈々子さんに暖かい服装に着替えさせ病院へと出かけていった。


 奈々子さんは素直に僕の言うことを聞いてくれた。保険書が無くて十割負担でも良い、奈々子さんには病院に行って貰う。外に出たときは雨は上がっていた。太陽が出てやはり冬は寒いがぽかぽかしていた。


 病院に辿り着くと病院特有の薬剤の匂いがした。


「アツジ、あたしは本当に病院に行かなくたって良いよ」


 奈々子さんは先ほど僕が軽くだが叩いたことに堪えている様子だ。


「ダメダメ、ちゃんと病院で治療を受けないと」


 病院にはお年寄りばかりであった。病院は儲かるだろうな、これほどまでに患者さんが来ているのだから。


 僕と奈々子さんは受付に行って、奈々子さんを見てもらうことにした。病院の看護師さんは僕のことを覚えていた。


「あら、アツジ君じゃない。今日はどうしたの?」


「この東雲しののめ奈々子さんを見て欲しいんですけれど」


「保険書は?」


 やはり来たか。奈々子さんには身寄りが無いので保健書何て持っていない。


「僕の保険書じゃダメですか。この奈々子さんとは一緒に暮らしているんです」


「だったら今度保健所に行って保健書を作ってきて貰いなさい。今日はアツジ君の保険書で良いわ」


「やったね奈々子さん。どうやら十割負担は無いみたいだよ」


 すると奈々子さんは複雑そうな顔をしている。それとこの看護師の言うとおり今度奈々子さんの保険書を作って貰うように保健所に行かないといけないな。そうか、まさか奈々子さんが病気になるなんて思いもしなかったからな。まあ、生きていれば誰だって病気はするのだが。


 看護師さんもいい人だ。僕が診察を受けることになって、奈々子さんを見て貰うのだから。そして診察は奈々子さんの番に回ってきた。医者は看護師の言うとおり僕では無く奈々子さんを見て貰うことになった。


 診察が終わって、奈々子さんはインフルエンザでも無くただの風邪であった。


 三割負担でも薬代も合わせて二千五百円は取られてしまった。


「奈々子さん。今度保健所に行って保険証をもらいに行こう」


「そうね。それよりもあたしアツジに迷惑ばかりかけてしまっているね。本当にアツジはあたしのことを大切に思ってくれているのが分かったよ。

 アツジ、本当にありがとう」


「ドンマイ奈々子さん」


 とりあえず、奈々子さんが大事に至らなくて良かった。ちゃんと安静にして薬を飲んでいれば大丈夫だと医者に言われた。一時はどうなるかと思ったが、とりあえず、安静にしていれば治ると言うことで、奈々子さんを家まで送り届けて、僕はTSUTAYAでドラゴンボールのDVDを借りに行った。


 まあ、僕も奈々子さんも家に帰ったって暇になるだけだろう。だから小説の勉強がてら、ドラゴンボールの続きでも見て、その暇を潰そうと思っている。それと奈々子さんには栄養も取って貰うために、今奈々子さんにうってつけのメニューはうどんだと思って、うどんの玉を二つ買って、家に戻った。


 家に戻ると奈々子さんは健やかな眠りについている。そろそろお昼だ。僕は奈々子さんと僕の分のうどんを作って、奈々子さんを起こして早速食べてもらうことにした。


 


 ここでキャラクター紹介。



 長谷川アツジ 14歳

 

 趣味     小説を書く事と、絵を描く事。


 プロフィール 学校でいじめにあい、夏休みが終わった前日にテレビで流れていた図書館においでよと言う光さんの言葉に誘われて図書館に行き、どうにかいじめは無くなった物の父親と母親に学校に行っていないことがばれて、大目玉を食らう。それから光さんの力を借りて新聞配達をしながら自分自身で生計を立てている。今は小説と絵と勉強をしながら学校にも通い、いじめは無くなり、日々新聞配達と学校生活を両立させているパワフルな中学生。


 東雲しののめ奈々子 14歳


 趣味      小説を書く事と、勉強。


 プロフィール アツジと出会いアツジと付き合うことになった。互いはライバル同士で日々アツジと奮闘している。両親を亡くしてアツジと新聞配達の仕事をしながらアツジと同棲している。凄くきつい性格で素直じゃ無く、でも時たまアツジにだけ素直な所を見せるときがある。


 三枝さえぐさ光   16歳


 趣味      小説を書く事と、絵を描く事。


 プロフィール 図書館の司書のバイトをしながら一人暮らしをしている。良くアツジや奈々子の世話などをしている。彼女の家族構成は現在不明である。学校は通信制の学校に通っている。成績は優秀であるみたいだが、なぜ通信制の学校に通っているかは不明である。


 西宮涼子        14歳


 趣味      小説を書く事と勉強


 プロフィール アツジ達とは全クラスで斎藤翔子と一位二位を争っていたが、アツジと奈々子が一位二位を独占されてしまい、彼女はそれが悔しくて彼らとライバル関係になり、日々アツジ達とは勉強や小説を競い合っている。家族はおらず、話によると公衆便所で産み落とされたらしいが、彼女はそんな不幸な目にあってもいつも明るく振る舞っている。施設にいるが、よくライバル意志をアツジと奈々子に向けて日々奮闘している。それに密かにアツジのことが好きで、いつかそのチャンスを狙っている。


 斎藤翔子        14歳


 趣味      小説を書く事と勉強


 プロフィール いつも西宮の側にいて、西宮が賛成することにいつも便乗する斎藤。彼女は西宮が好きでもし出来るなら、西宮とずっと一緒にいたいと思っている。家族構成は両親を幼き頃に亡くして、西宮と同じ施設に来たのだと言う。


 長谷川桃子       12歳


 趣味      料理を作る事と勉強


 プロフィール 進学校に行くつもりでいつも図書館の司書のバイトをしている光に勉強を教わり、光もその熱に感化され勉強に励んでいるようだ。アツジの妹であり、いつも夜になるとアツジ達の為に光と一緒に料理を振る舞ったりする。

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