ネット小説で勝負
僕に餃子を口元に入れようとしてくる西宮さん。
僕はこの状況をどのように回避すれば良いのか?分からなくなってくる。
「ほら、あっ君、さっさと口を開けないさいよ」
すると、奈々子さんが立ち上がり、西宮さんの所に行ってその頭をひっぱだいた。
「何をするのよ奈々子」
「アツジが困っているじゃない」
そこで光さんが「あなた達喧嘩するなら外でしなさいよ」
「デカ乳女、じゃあ、喧嘩なら外でやろうよ」
「上等よこのアバズレ女」
まずい状況になってしまった。二人が喧嘩したら互いに怪我を負ってしまう。
「ちょっと二人とも落ち着いてよ。光さんも何二人に喧嘩をけしかけているんだよ」
「ここは二人の自由にさせてあげたら良いじゃない」
「ダメだよ。とにかく喧嘩はダメ!」
いくら光さんの言うことだからと言って僕は二人の間を仲裁した。
「どきなさいよアツジ」
「そうよ。このアバズレ女に目に物を見せてあげるんだから」
僕が止めなきゃ二人は喧嘩をおっぱじめるつもりだ。
そこで僕が思いついた。
「暴力じゃなくて二人は小説で、勝負した方が良いんじゃない?」
と言った。
「うん。アツジそれは良い考えかもね」
「じゃあ、明日、互いに五千文字いないの原稿を書いて二人で投稿して、アクセス回数が多い方が勝ちって言うのはどう?」
西宮さんが言う。続けて、西宮さんは、
「それで勝った方がアツジ君に何でも言うことを聞いてもらえるって言うのはどう?」
「はぁ?何で僕がそんな事の対象にならなきゃいけないの?」
「そうよ。あんたアツジを何だと思っているの?」
「私の未来の旦那さん」
「このデカ乳女が!」
二人は本当に喧嘩をおっぱじめてしまった。
そこで斎藤さんが西宮さんを羽交い締めにして、僕が奈々子さんを羽交い締めにした。
「ちょっと二人とも落ち着いてよ」
光さんが「やりたいならやらせてあげれば良いじゃない!気の済むまで」
「何を言っているのですか光さん。いくら何でも喧嘩は良くないですよ」
「まあ、とりあえず二人とも、あっ君の言う通り、ネットで小説をアップして勝負してみたらどう?それで勝ったらあっ君を好きにさせてもらえるって言う権利を得られるって事で」
「何を言うんですか?光さん。僕は物じゃないですよ」
「良いわよアツジ。あたしがデカ乳女に勝てば良いのだから」
「ええ!!」
僕は悲鳴を上げる。
「言ったわね、このアバズレ女が!とにかく明日互いの小説をネットに載せて、どちらがアクセス回数があるのか勝負よ」
とんでもないことになってしまった。もし西宮さんの方がアクセス回数が高ったらどうするの?僕は西宮さんの言うことを好きになってしまわなければいけないの?
そこで僕は光さんに「光さんも何か言ってあげてよ。もし西宮さんが勝ったら、僕は西宮さんの良いなりにならなきゃいけなくなるじゃない」と二人に聞こえないように言う。
「良いじゃない、もてる男は辛いわね。私に相談したら、私は二人を喧嘩させるつもりなんだけれども」
ダメだこの人、僕は光さんの事を少し失望してしまった。
「じゃあ、分かったよ。明日二人で五千文字いないの小説をネットで掲載させて、どちらがアクセス回数が多いか勝負してよ。そうしたら、僕に何でも命令出来る権利をあげるから」
二人が喧嘩して怪我するよりかは良いと思って、僕は西宮さんのルールに従った。
「決まりね」
ともう西宮さんは勝ったつもりでいるように感じた。
「もう勝ったつもりでいるみたいね」
「ええ、あなたの小説よりも私が描いた小説の方が面白いって自信はあるからね」
「じゃあ、負けた方はどうしようか?罰もつけなきゃ面白くないでしょ」
「もう二人ともいい加減にしてよ!!!とにかく罰はなしで、明日ネットに互いの小説を載せてそれに僕も参加させて貰うから」
「アツジも?」
「うん。僕も参加して、もし僕が勝ったら、西宮さんと奈々子さんに言うことを聞いて貰うからね」
すると西宮さんが「それじゃあフェアじゃないわ。もしあっ君が勝ったら、奈々子に有利になってしまうじゃない」
だから僕は「だったら、僕が勝ったら、二人とも仲直りして貰うから」
二人は目くじらを立てて僕に「「仲直り?そんな事出来るはずがないじゃない」」こういう時だけに意気投合する。
「じゃあ、分かったよ二人とも喧嘩しないと言うのはどう?とにかく今後いっさい互いに暴力を振るわないこと」
「分かったわ。その事だけアツジの言うとおりにしよう」
「私は絶対に負けないから」
二人の闘志のオーラが僕には見えた。
二人とも本当に自分に自信があるみたいだ。
早速餃子を食べ終えて、二人は闘志を燃やし合い、スマホで小説を描いている。
そこで斎藤さんが「あの」
「何?翔子」
と西宮さんが言う。
「わたしも小説の勝負に参加しても良いかな?」
「翔子が勝ったらどうするつもりなの?」
奈々子さんは闘志を燃やしながら言った。
「それは秘密だけれども、とにかくわたしも三人の勝負に出たい。わたしも小説を書いてみたいから」
すると西宮さんは「分かったわよ。とにかく条件は秘密事項と言うことで」
それで僕達は明日掲載する小説を書く事に、三人の闘志にあやかりながら、僕達は小説を書くことになった。斎藤さんは本気で小説を描いている。それに斎藤さんの勝ったときの条件は秘密だと言っていた。斎藤さんの秘密にしている事って何なのだろう?凄く気になって不安にもなってきた。もしかして西宮さんに有利な事をお願いするのかもしれない。
桃子はこれから光さんに勉強を教えて貰うために図書館に向かっていった。
とにかくそれはそれで良いとして僕は負けられない。
僕が負けてしまったら、二人は喧嘩して怪我を負うことになってしまうかもしれないからだ。
そろそろ寝る時間になったが、三人は寝ようとはせずに小説をスマホで描いている。
新聞配達の支障が出てしまうかもしれないが、支障は出ても一日寝なくたって、人間死ぬわけじゃないから大丈夫だと思っている。
三人の小説を書く表情を伺ってみると、目がギラリと輝いて、小説を描いている。
三人は芥川龍之介のように一字一字丁寧に描いている。
僕も負けてはいられない、とにかくとびきり面白いアイディアが浮かんだので、この勝負僕が勝ったと言っても過言じゃないと思う。
とにかく僕が勝って二人を和解させよう。
いや、もういっその事、西宮さんと奈々子さんを縁を切らせた方が二人の為なんじゃないかと僕は思った。
そうだ。僕が勝ったら、今まで通り奈々子さんと付き合い、西宮さんとは距離を取って貰おうと思う。
そうした方が良い。
そんな事を考えながら小説を描いていると、新聞配達の時間にあっという間になってしまった。
みんな僕も含めて小説が出来上がったみたいだ。
後はそれぞれ、ネットに小説を投稿して四人の誰かが一番であれば、その人の願望が手に入る。
何か三人とも凄いオーラだったし、これで僕か奈々子さんが勝たなかったら、大変な目にあってしまう。
その後、僕達四人は新聞配達の仕事に出かけて、僕と奈々子さんのコンビでもう一方は西宮さんと斎藤さんのコンビで配達することになった。
コンビと言っても、道はバラバラなんだけれども、また西宮さんと奈々子さんが組んだら、また西宮さんは奈々子さんに誤解を招くような真似をされたら困るしね。
とりあえず、新聞配達の仕事は僕と西宮さんの勝ちであった。
それぞれジュースをおごって貰ったが、勝負はこれだけではないんだ。
明日になったら、僕達の小説のアクセス回数が勝った者が、それぞれの願望が手に入る。
何だろう?明日が怖くなってきたし不安にもなってきた。
とにかく僕がこの勝負に勝たなくてはいけない。
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