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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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アツジ欲情

 お参りも済んだことだし、僕達はそれぞれお昼ご飯を食べることにした。


 西宮さんは「お昼ご飯は何を食べる?」


 そこで僕が「お昼ご飯はやっぱりラーメンなんか良いと思うんだけれども」


「ラーメンか、最近食べていないな」


 奈々子さんが「ラーメンならこの辺でおいしい店知っているよ」


 西宮さんが「本当に?じゃあ、これから奈々子が言うおいしいラーメン屋さんを食べに行こう」


 僕が奈々子さんに向かって「決まりだね」と言うと、まだ怒っているのか鋭い視線を僕に投げつける。


 奈々子さん。そんな怖い顔しないでよ。僕は浮気なんてしないし、いつも通りだよ。


 ラーメン屋は奈々子さんに僕達は案内された。

 ラーメン屋に到着すると、行列が出来ていた。


「うわー行列が出来ているわ。これじゃあすぐには食べられそうにないわね」


 西宮さんは言う。


「他の場所にもおいしいラーメン屋さんを知っているの?」僕が言う。


「いや、ここしか知らない。だから並びましょう」


「じゃあ、並ぼう」


 と僕は西宮さんと斎藤さんに言う。


 並んで三十分ようやく僕達の所までやってきた。

 その間、僕達はたわいもない話をしながら、時間を潰していたが、今日の奈々子さんはご機嫌が斜めだった。

 まったくおみくじの言う事で良き伴侶が見つかるなんて言っていたが、いったい何の事だかわからない。それで奈々子さんは機嫌を損ねてしまい、僕は往復ビンタをかまされた。

 でもこれはいつものことだった。奈々子さんにビンタを食らう事なんて日常茶飯事な事だった。


 ようやく僕達は並んで、席に座る事となった。

 メニューを見てみると、ラーメンは醤油味、味噌味、塩味しかなかった。


「奈々子さん、この中でどれがおすすめなの?」


「あたしは醤油味かな」


「じゃあ、僕もそれで」


「私もそうしようかな、翔子もそれで良いでしょ」


「はい」


「すいませーん。醤油味四つお願いします」


「あいよ。お嬢ちゃん達、ここのラーメン基本大盛りだけれども食べられる?」


 と一人で切り盛りをしているのか?亭主が言った。


 僕と西宮さんと斎藤さんは奈々子さんの方を見て確認する。


「大丈夫よ。そんなに心配なら、お子様ラーメンでも頼めば良いじゃない」


「私は奈々子と同じように大盛りのままで頼むよ」


「本当にそんな小さな体で食べられるの?」


「小さいなんて言わないでよ」


「はいはい悪かったよ」


 そしてラーメンは出来上がり、僕と西宮さんと斎藤さんはその巨大な量を見て、驚いた。 

そのラーメンは野菜が特盛り状態に盛り付けられており、そのしたに食べ切れそうにならないほどのラーメンが詰まっていた。


「野菜はこれをつけて食べると良いわ」


 奈々子さんは何かタレみたいな物をつけて、まずは麺からではなく野菜から食べた。

 僕達も奈々子さんを見習って、てんこ盛りに盛られた野菜から食べることにした。

 奈々子さんに食べ方を教えて貰って、僕達は野菜を食べ終えたら、もうお腹いっぱいだった。

 麺を食べてみると、ニンニクが効いていて凄くおいしいが、本当に僕達は完食出来るのか心配だった。


 僕達は何とか完食に成功した。


 店から出たときは僕達はお腹が破裂しそうでヘトヘトだった。


「何よあなた達、だらしないわね、あれくらいの量でへばるなんて」


「奈々子の胃袋はどうなっているのよ。今日はもう夕飯は入らないかも」

 

 大盛りラーメンを食べて、疲労困憊をしている。それに僕も斎藤さんも。


「だったらあらかじめ麺の量を調整して貰うべきだったかもしれないね」


「奈々子、それは早く言ってよ。もう私達は動けないよ」


 と西宮さんも斎藤さんも僕もヘトヘトだった。


 そんな状態がしばらく続いて、僕達はとある喫茶店で休憩することにした。

 僕も西宮さんも斎藤さんもヘトヘトだった。


 西宮さんが「あーもう食べられない、着物がきつくて苦しいんだけど」


 斎藤さんが「じゃあ、少し緩めれば」


「そういう訳にもいかないでしょ。私には帯を結ぶ事なんて出来ないんだから」


「涼子ちゃん立って」


「へ?」


 と言って西宮さんは立ち上がった。


 そこで斎藤さんが帯を締め直しているのか帯に手を当てて緩めようとすると、帯はするりと抜けて、涼子さんは下着が露わになってしまった。


「ちょっと翔子、何をしているのよ」


 西宮さんは背は小さいが胸は大きく、見ている僕は興奮してしまった。


 そこで奈々子さんが「何見ているのよこのスケベ大王が!!!」と言って僕は今日三回目のビンタを奈々子さんに食らうことになってしまった。


 僕は見ないようにあっちを向いている。


 奈々子さんが「ちょっとあなた達、そんな破廉恥な格好でこんな所にいるんじゃないわよ。そう言って奈々子さんと斎藤さんは喫茶店に設置されているおトイレに向かっていった。

 奈々子さんに食らったビンタが私の頬にジンジンと痛みを発している。

 何で僕がこんな目に合わなければいけないのか?西宮さんの事を少しだけ恨んだりしたが、僕の心の中だけの秘密だが、西宮さんの大きなおっぱいを見て、胸が高まり、頭に血が上ったりとしていた。

 あんな小さい体なのになぜ彼女は乳だけが大きいのか謎だった。


 そして三人は着付けが完了したのか?おトイレから戻ってきた。


「大丈夫だった?」


 僕が聞くと奈々子さんは「何であんたが、あたし達の心配をしているのよ」


 心配も出来ないのか?とにかく僕はその後、黙っていた。

 僕の視線は西宮さんのおっぱいに目がいっていた。

 すると奈々子さんが、「何涼子のおっぱいを見ているのよ」と言って今日四発目のビンタを食らってしまった。

 本当にもう今日は踏んだり蹴ったりの日だ。

 あれは不可抗力なのになぜか僕がひどい目に合わされてしまった。

 何で僕がこんな目に合わなければいけないのか?自分を呪いたくなってしまった。


「本当にごめんね。このスケベが・・・」


「このスケベはないでしょ。あれはどう見たって不可抗力なんだから」


「その割にはジロジロと視線を向けて見ていたじゃない」


「見ていないよ。僕がそんな男に見える?」


「見えるわよ」


「そんな奈々子さんひどいよ」


 そこで西宮さんが手を二回たたいて、「とにかく私のおっぱいを見て、嫌らしい気分になったアツジ君、だからと言って私の体で私の事をおかずにしちゃダメよ」


「そんな事しませんよ。全く僕を何だと思っているんですか?」


「冗談よ。とにかくあれは不可抗力だからね」


「そうですよ。不可抗力ですよ」


「話変わるけれども、あなた達の小説をネットで見たけれど、本当に素敵なお話ね」


 と西宮さんは僕達が掲載している小説を読んで褒めてくれている。


 僕は嬉しかった。ネットの中では感想を貰ったことがないが、それでも評価をしてくれることに僕は嬉しかった。

 僕の隣に座っている奈々子さんも「別にそんなお世辞を言っても何もでないわよ」と相変わらずに素直じゃないが、喜んでいることが僕には分かった。

 そこで僕が嬉しいくせにとか言ったら、今日五発目のビンタを食らっているだろう。


 西宮さんは「じゃあ、今度私達の小説をネットに流して、どっちがアクセス数が高いか勝負しない?」


「勝負?別に良いけれど」


 心なしか奈々子さんはちょっとびびっている感じなのが手に取るように分かった。

 実を言うと僕もそうだった。

 西宮さん達の小説が僕達の小説を上回ったら、何か怖い気持ちにもなる。小説は絵と違って書こうと思えば誰にでもかける代物だしな。


 でも何か燃えてくる。

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