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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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いよいよ武道館ライブ

 今日はスクーリングだ。テーマは女性の裸を描くことだった。ワンピースを着た女性が現れて僕達が囲む中心の台座に乗って服を脱ぎ始めた。


 何だか今日は刺激的な授業になりそうだった。チラリといつも一番を取る小川君の方を見てみると顔を真っ赤にさせながら、台座にポーズを取っている裸の女性に興奮している様子だった。


 よし高岡先生の言うとおり武道館ライブが迫ってきたからと言ってそんな事は理由にならないことを思い知らされた。


 それよりも今日は女性の裸を描くのか、胸もお尻も丸見えである。僕もそんな裸の女性の姿を見て興奮してしまった。ヌードモデルと言ったら光さんが豊川先生の為に裸になりモデルになっていたっけ。


 あの時初めて桃子以外の女性の裸を見てしまったのだ。光さんのヌードモデルを想像すると凄く興奮してしまう。


 いやいや興奮している場合じゃない、とにかく今日のテーマのヌードモデルを描く事に専念して武道館ライブに時間を費やしてしまっていたが、僕は少しの時間ならアイパットで絵の練習をしている。


 ヌードモデルをしている女性は裸を見られる事になれているのか大胆なポースを取っている。


 何か燃えてくる。今日こそ小川君に勝てるように頑張りたいと思っていた。


 そうして一時間が経過して、裸の女性は下着を身につけて純白のワンピースを着て僕達にペコリと頭を下げて教室から去って行った。


 そして僕達も教室から出て行って、後は順位を待つだけだ。


 そして順位は並べられた。今日は珍しく小川君が二位だった。一位の生徒は顔は知っているが名前は知らない生徒だった。そして僕達の順位は僕が十三位で奈々子さんが二十位で涼子さんが二十一位で斎藤さんは九位をたたき出した。やっぱり僕達の中で斎藤さんが芸術の神に愛されている様な気がした。


 僕達は武道館ライブで忙しいと言っても高岡先生の言うとおり、そんな事は理由にならないと言っていた。でも今回は僕達はいつも通りのペースを保ち、高岡先生に叱咤されるいわれはないと思っている。


 でもいつか僕は小川君に勝ちたいと思っている。本当に今日の小川君の女性のヌードモデルを描いた絵を見てみると本当に芸術性があって、本当に絵の中に引き込まれそうな感じであった。


 さて授業も終わったことだし僕達は武道館のリハーサルをしに向かっていった。





 ******   ******




 武道館のライブはもう明日だ。明日に向けて僕達は何とかやらなければならないことがある。しかもこのライブの映像はDVDにして発売されるらしい。僕達の緊張をあおっている様な気がしてきた。


「アツジ、いよいよ明日だね」


「ああ、僕も凄く緊張している」


 僕達のチケットは三十分で完売となってしまった。この舞台に立ち、僕達は演奏するんだよな。


 僕達五人はステージの真ん中に立ち、準備は良いかと言わんばかりに五人で手を繋いだ。それよりも光さんは大丈夫なのか結局リハーサルは来なかったけれど、明日ぶっつけ本番でやるんだもんな。大丈夫だろう。光さんなら僕達と練習しなくても出来るはずだと思っている。光さんもこのソウルメイトのメンバーの一人だ。僕達のバンドは一人掛けても出来ないと思っている。


 五人でステージの中央に僕達は同じ事を考えていたみたいだ。それは。


「ここに一万人のお客さんが入ってくるのよね」


「何涼子、ビビっているの?」


「ええ、ビビっているわよ。お客さんに圧倒されてドラムがたたけなくなりそうだと不安になってきたよ。そういう奈々子はどうなのよ」


「あたしもビビっているわよ」


「そうですよね。明日、お客さんに満足の行く演奏をしたい物ですね」


「桃子、声が出るかな?」


 この一万人が入る武道館で僕達は本番前の明日に向けてとにかく練習をしておいた。


 努力は人を裏切らない事を僕達は知っている。とにかく練習に励まなきゃと思ってやっている。


「桃子今日はこれぐらいにして、声がかれたら大変だから、桃子はこれぐらいにしておけよ」


「お兄ちゃん。桃子は大丈夫だよ」


「それは慢心だよ。とにかく僕の言うことを聞いて」


「はーい」


 と桃子は素直に返事をしてくれた。


 時計を見ると午後九時を示している。明日に備えて今日はこれぐらいにしておこうと思う。

 とりあえず、僕達は夕食抜きで明日の演奏をしなくてはいけないのか?それはさすがにダメだろう腹が減っては戦が出来ぬって言うし。


 まず家に帰ったらどこかファミレスかどこかで食事を取りたいと思っている。

 そして家に帰ると光さんが料理を作ってくれて待っていてくれた。


「あなた達今日は遅かったね」


「はい。今日はスクーリングにその後に武道館ライブのリハをやりましたから」


「それは大変だったね。今日は光特製の麻婆豆腐を作って待っていてあげたからそれを食べて明日に向けて精進しなさい」


「ありがとうございます」


 そう言ってみんなで『いただきます』と言って夕飯を食べる事になった。


 本当に光さんの手料理はおいしい。光さんは何でも出来るからな。一番の憧れの光さん。もし僕に恋心があるなら、僕は光さんと付き合って見たかった。でも今は涼子さんという素敵な女性がいる。


 時計は午後十時を示していて。今日の所は小説も絵も勉強もしないで、眠ることになった。

 明日は武道館ライブだ。楽しみで眠れなかった。そんな時僕は起き上がり、夜空の星を見上げるのだった。


 春の夜空に光る、スピカを見上げるのであった。本当に綺麗な星だ。明日はついに僕達が憧れていた武道館ライブ。絶対に成功させたい。光さんと出会ってなければ僕の今頃はどうなっていただろう。


 本当に光さんには世話になりすぎだ。僕は光さんに恩返しがしたいと思っている。でも光さんが喜ぶ物って何なんだろう?光さんはいつも言っていた。光さんは頑張っている人の味方だと。


 だから僕が頑張れば、光さんの恩返しとして成立しているのかもしれない。


 明日は武道館コンサートだから、光さんも今日は僕と涼子さんの部屋で眠っている。


 光さんの寝顔を見てみると、凄く健やかな寝顔で眠っている。


 春の夜は冷える、そろそろ眠らなくてはいけない。風邪をこじらせて明日の武道館のコンサートに支障が出てしまったら元も子もないと思うので僕は眠りについた。




 ******   ******




 そして朝になり、時計は午前六時を示している。今日の朝ご飯の当番は奈々子さんだったが光さんが作ってくれる。


 光さんは季節外れのお餅を焼いてくれた。


 僕達は力をつけるためにお餅を食べたのだった。


 お餅は砂糖醤油で塗って食べた。


 お餅も食べ終わり僕達六人は武道館に向かっていった。


「さあ、いよいよラストスパートだ。みんな気合い入っているね」


 僕には見えるみんなのやる気の熱が、その熱にあやかりながら僕達はやってきたのだ。


 武道館に向かうと、改めて武道館の外観を見てみる。本当に頭の天辺にタマネギの形をしたオブジェが飾られてある。


「私達本当にここでコンサートを開くのよね」


「涼子当たり前の事を言うんじゃないよ」


「でも奈々子、今でも信じられない位なんだけれども」


「あたしだって信じられないよ。こんなデカい所でコンサートを開くのだから」


 本当に僕も信じられないと思っている。どんな大物のアーティストもここで演奏を重ねて来たのだから。


「よーし、みんな僕に続け」


 そう言って僕達は武道館に向かって走り出した。

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― 新着の感想 ―
[良い点] お餅を食べて力を出して! あと、小川くん、オイラも応援しているぞ!
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