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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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奈々子さんのソロ

 とりあえず涼子さんのソロの収録は終わり今日と言う日が終わろうとしている。


「ねえアツジ、明日はあたしのソロの曲を作ってくれるよね」


「うん。分かっているよ」


「涼子、確かにあなたの歌は良かったわ。でもあたしだって負けないんだから」


「上等よ私が勝つに決まっているじゃない。あんたのその幼稚な詩で観客の前で恥をかくと良いわ」


 また二人は喧嘩をおっぱじめようとする。僕が奈々子さんを止めて斎藤さんが涼子さんを止めに入った。


「離してよアツジ、このデカ乳チビ女に目に物を見せてやるんだから」


「目に物を見せるって、上等だよ。明日あんたの幼稚な詩を聞いてあっ君に呆れられると良いわ」


 もうこの二人は喧嘩するほど仲が良いのか分からなくなってしまった。


 とりあえず僕と斎藤さんが二人の喧嘩を止めて、何とか収まった。


 僕達は明日もお茶の水のスタジオに行くことになっている。とにかくお茶の水のスタジオを後にして僕達は自宅に帰った。


 自宅に帰ると早速奈々子さんは、


「アツジあたしの詩を歌にしてよ」


「分かっているよとりあえず明日ね」


「うっ!」


 と奈々子さんは機嫌悪そうにしている。


 今日の涼子さんのソロは本当に良かった。でも奈々子さんの詩を何とかする事は出来るのであろうか。もし奈々子さんの詩が涼子さんの歌に勝らなかったら殺されてしまうんじゃないかと思っている。


 今日も演奏は終わり夜ご飯を食べることにする。そう言えば夜ご飯の準備はしていなかったのだった。


「あっ君達、今日の夕食は私が作ることにするよ」


「良いですか光さん」


「私に任せて」


 そう言って光さんは買い出しに行ってしまった。


 フーと僕は息をつき、僕は最近おろそかになってしまった小説を描くことにする。最近小説を書いていないのでどこから小説を書けば良いのか困惑してしまうが、とりあえず、今まで書いた所を全部読み返して書く意欲がわいてきた。それに続くように奈々子さんも涼子さんも桃子も斎藤さんもみんな小説を書き始めた。


 みんなも僕と同じように自分自身の小説を読み返してどこから書けば良いのか調べている。よし僕は描くところを見つけたぞ。みんなも同じかみんなも僕と同じように自分の書くところを見つけたらしい。


 そんな調子で描いていると僕は思い出した。描く楽しさを、最近は武道館ライブの準備で忙しいが、何とか何を描けば良いのか僕は見つけた。


 ネット小説を見てみると、最近僕達が描いていないことに感想に『サボってないで続きを書いてください』と言われてしまった。それは奈々子さんも涼子さんも桃子も斎藤さんも同じであった。僕達は平均で三万以上の人に見て貰っている。だからそれだけ僕達の小説を見たいのだろう。それは小説家兼絵師の夢を見ているのに冥利に尽きる。


 そして気がつくと光さんが料理を作ってくれていた。


「さあ、みんな料理が出来上がったわよ」


 メニューは生姜焼きだった。


 フーと息をつきながら僕は生姜焼きを食べ始めた。僕達は小説を描きながら生姜焼きを食べている。


「あなた達食べるか書くかにしなさい」


 と光さんに注意されてしまった。


 さすがに書きながら食べるのははしたない。だから僕達は光さんの生姜焼きを急いで食べて、また小説を書くことに没頭した。


 やはり書いていると楽しい。そうだこの調子で武道館と小説と絵の勉強をしていけば良い。とにかく今は書いて書いて書きまくるしかない。僕達の小説を待ちわびいている人達はたくさんいるんだ。


 そして時間はあっと言う間に過ぎてしまい時計を見ると午前零時を回っていた。さすがにこれ以上小説を続けたら明日の武道館ライブの練習に支障が出てしまうだろう。だから僕は、みんなに、「今日はこれぐらいにして、また明日頑張ろうよ」と言って眠りに入ることにした。





 ******   ******




 次の日、僕が起きると午前五時を示していた。今日は僕が料理当番だった。早速朝は簡単な軽食で良いだろうと思って僕はトーストの縁にマヨネーズをかけてその真ん中に卵を落としてレンジでチンした。


 僕はお玉でフライパンを叩いてみんなを起こした。


「みんな朝ご飯が出来たよ。みんな起きて」


 すると目覚めの良い涼子さんが起き出して、続いて斎藤さんに桃子、そして寝起きの悪い奈々子さんまで起き出した。


 そして朝ご飯を食べて、順番にシャワーを浴びることになった。これはいつものことだ。そうだ。武道館も大事だが小説や絵も大事だ。昨日は空き時間に小説を描いたので今日はみんながシャワーを浴びている時に僕は絵を描き出した。


 それに続くように斎藤さんと桃子と奈々子さんと涼子さんも描き出した。


「次、涼子の番だけれども」


「分かった私が最後でしょ」


「ゆっくり入ってきてね」


 と奈々子さんは言う。


「何よ奈々子、私に何かあるって言うの?」


 また何か些細な事で喧嘩をおっぱじめようとしている。


 僕と斎藤さんは頷き合い、今日も喧嘩をおっぱじめようとするなら全力で止めてやると思っている。


 でも涼子さんはそれ以上何も言わずにシャワーを浴びることになった。


 涼子さんのシャワーの時間は長いから、その間に絵を一つ完成させてしまおうと思う。


 涼子さんは昨日と同じ三つ編みにして僕の彼女である涼子さんをますます好きになれた。


「本当にその三つ編み似合っているね。まるで文学少女って感じだよ」


「あっ君にそう言われると嬉しいな」


 そうしてまだお茶の水のスタジオに行くにはまだ時間がある。


「アツジ、今日はあたしのソロの歌を作ってくれるんでしょ」


「そう言えばそうだったね」


「何がそう言えばそうなの?アツジあたしのソロの事を忘れていたんじゃないでしょうね」


「とんでもない。ちゃんと覚えているよ。奈々子さんも素敵な小説を描けるからきっと良い歌が生まれると思うよ。とにかく今は絵のことに集中して!」


 また奈々子さんを怒らせてしまうところだった。


 奈々子さんは自分の歌を歌う事が凄く楽しみにしているみたいだ。


 とにかく今は絵に集中して、以前高岡先生に絵の質が落ちているって言う言葉を撤回しなければならないと思っている。


 そして時間になり僕達はお茶の水のスタジオに向かった。僕の家から一時間はかかるんだもんな。その時間を小説でも読みながら、僕達は向かっている。


 到着して僕達五人は早速スタジオ内に入った。


 そう言えば奈々子さんの歌声は最高の物だった。きっと奈々子さんに相応しい最高の歌が完成すると思っている。


 とりあえず奈々子さんが作詞した文章を読ませて貰っている。これは涼子さんの言うとおり幼稚な感じの詩に仕上がっている。この文章でどんな曲を作れと言うのだろうか。いやいやその幼稚さを逆手に取り僕は曲作りに専念した。


 奈々子さんの曲を作るには本当に苦労をさせられている。


 でも奈々子さんはこれが自分に取って最高の詩だと思っている。直接本人にこの詩は幼稚だなんて言ったら、きっと僕は奈々子さんに殺されてしまうだろう。


 僕はアコースティックギターを構えて奈々子さんの曲作りに専念した。とにかくこの幼稚な詩を逆手に取り良い歌を作ってやると思っている。


 そうだ。幼稚なら幼稚で、そのままの歌にすれば良いのかもしれない。


 収録室から奈々子さんを見ると、涼子さんと喧嘩をするように演奏している。


 とにかく奈々子さんの詩を歌にしなければならない。


 でも奈々子さんのこの幼稚な詩を歌にするにはかなり苦労をさせられる。もしかしたら出来上がってまた涼子さんに茶化されて奈々子さんの逆鱗に触れて、そして僕は奈々子さんに殺されてしまうかもしれない。


 本当にどうしよう?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 奈々子さんファンの私は、「めんどくさい女の子でごめんなさい」と、替わりに謝りたくなります。 「がんばれ奈々子。あっくんに少しくらいなら迷惑かけろ。甚だしいのは、だめだけど」
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