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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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僕達のバラード、エンドレスティアーズ

 どんなバラードが良いか僕はX JAPANの曲を参考にしながら考えた。X JAPANのバラードは凄く美しく思える。僕はそんな曲を作りたいと思っている。まずは詩からだ。詩は失恋ソングにしたいと思うが僕は実を言うと失恋したことはない。いやもし僕が僕の大切な涼子さんがどこかに行ってしまうことを考えると心の底からわびしくなってしまう。その事を詩にすれば良いんじゃないかと思って詩を書き始めた。


 今回のバラードは大切な者をなくした事をテーマにして描いていこうと思う。


 良し、早速詩を描いていくぞ。僕が視聴室でバラードの詩を描いていると、演奏室で斎藤さんと奈々子さんと涼子さんと桃子が喧嘩をするように演奏をしている。


 本当に鈴木さんの言うとおり攻撃的な演奏だ。でも本当に形になっていて、それが僕達の醍醐味だと言っても過言じゃないと思っている。こうしてバンドを続けられるのはみんながライバル関係でいられるからだと僕は思っている。この攻撃的なバンドソウルメイトのバンドのバラードは攻撃的ではなくて本当の悲しみを表現できるような曲にしたいと思っている。

 僕は涼子さんだけではなくこの今演奏している人がいなくなったことの事を考える。もしみんながいなくなってしまったら僕は本当に一人になってしまう。もしかすると想い出という赤いバラの様な物を残して言ってしまうのは僕にとって嫌なかんじがする。


 その事をベースにこの攻撃的なバンドのバラードに取り入れたいと思っている。何か良い詩が出来そうな気がしてきた。僕は詩を描いている。どんな詩かと言うとみんなが僕の前からいなくなってしまうことを考えて作っている。


「みんな、詩が出来たよ」


 僕が言うとみんな演奏をやめて集まってきてくれた。


「何よ、まだ一時間も経っていないじゃない」


 奈々子さんは言う。


「さすがはあっ君ね、本当に出来る男は違うね」


 みんなに詩を読んで貰うとみんな涙を流してしまった。


「アツジ・・これ・・・本当に・・・良いよ」


 と奈々子さんは泣きながら詩を読んでいる。


「そうだね。私達がバラバラになったら本当にこんな様な詩のようになるのね」


 涼子さんは涙を流している。斎藤さんも桃子も泣いていた。


 僕達はそんな涙を拭って、曲を書くことにする。


 桃子は光さんほどではないが、ピアノを弾くことが出来る。すると桃子は僕の詩を乗せて歌い出した。凄い。桃子にこんな才能があったなんて。それに泣きながら歌っていたので、まともな音声はとれていない。


 桃子は言っていた。この曲は凄まじいって。みんながいなくなってしまうことを考えると涙が止まらなくなってしまうって言っていた。


 本当に改めて桃子が僕の歌詞をピアノで歌いながら聞いていると僕も涙が止まらなくなる。この曲の題名は決めていなかった。


 そこでみんなでこの曲のタイトルを考えることにした。


「みんな、この曲のタイトルだけれどもあたしは、いつまでも一緒って言うタイトルが良いな」


「何よそれ、全く奈々子は幼稚なんだから、それじゃあ、ダメよ」


「じゃあ、あんたは何か考えてあるの?」


「まだ、考えられるわけないじゃない。こんな良い詩をそう簡単にタイトルはつけられないよ」


「何よ偉そうな事を言っておいて、自分だって書けていないじゃない」


 また喧嘩になるんじゃないかとヒヤヒヤさせられたが、涼子さんはどこか遠くを見るような目つきで感慨にふけっている感じだった。


 そうだ。考えて考えて考えまくって良いタイトルにしようじゃないかと僕は思っている。本当に涙が止まらない。そこで僕は閃いた。


「エンドレスティアーズって言うのはどうかな?」


 と僕が言うと、みんな絶賛してくれた。


「エンドレスティアーズか終わらない涙か、良いかもしれない。アツジあなた天才よ」


「それには私も賛成するわ。エンドレスティアーズ、終わらない涙か」


「桃子もこの歌を歌っていると涙が止まらない」


「本当に凄いですねあっ君さんは」


 そう。僕達がバラバラになってしまったら、本当に終わらない涙、エンドレスティアーズだ。でも僕は涼子さんとは結婚を前提に付き合っている。だから、そんな事にはならないんじゃないかと思っている。


 でも涼子さんを無くすことを考えると涙が止まらなくなってしまうほど辛い思いをしなければならなくなる。その事を詩にして書いたら僕も涙が止まらなくなってしまう。これが僕の失恋ソングだ。


 詩は経験が物を言うと言っても過言じゃないと思っている。今回は創造で書いてみたけれどこれが何とも凄い物になってしまった。この調子でもう一つバラードを入れたいと思っている。


 今出来上がっている曲数は僕達の出したシングルを入れて七曲ぐらいだ。もっと曲を作らなければならない。最低でも、アンコールを合わせて二十曲は作りたいと思っている。


 武道館ライブまで後、二週間しかない。でも今日は金曜日だ。僕一人ではなく。奈々子さんも涼子さんも斎藤さんにも曲を作って貰いたいと思っている。明日スクーリングを休む訳にはいかないからな。ここ一週間バンドの事で絵や小説に勉強もおろそかにしがちだ。それも仕方がないことだろう。だってあの武道館ライブに僕達は立てるのだから。


 今からでも楽しみであるが、本当にお客さんは来てくれるのだろうか?でも僕達ソウルメイトのバンドはうなぎ登りに人気が高まっている。そんなお客さん達に手を抜くなんて失礼な事だろう。


 僕達は詩をイメージして曲を描いている。だから四人にも曲を書いて貰うように言っている。


「アツジみたいな曲は書けないよ」


「そうよ。あっ君みたいな繊細で瑞々しい詩は書けないと思う」


「そんな事を言わないでみんなも書いてみてよ」


「えー恥ずかしいよ。あたし達アツジじゃないんだし書けるわけがないよ」


「奈々子。そんな事を言っている場合じゃないでしょ。とりあえず私達もあっ君に続くように詩を書かなければ」


「そうだよ。涼子さんの言うとおりだよ。僕達はソウルメイトと言うバンドだよ。ソウルメイトと言うのは前世から僕達は出会っていたことになるんだよ」


 そこで僕はピンと来た。


「ねえ、みんなで一曲ずつソロを歌って見るのはどうかな?」


「何それ面白そう」


「良いねえ、私達一人一人が歌うって言うのね」


「わ、わ、私は恥ずかしいです」


 斎藤さんは余程恥ずかしいのか相当、乗り気ではない感じであった。


「まあ、翔子、そう言わずにみんなでそれぞれの歌詞を考えて歌おうよ」


 涼子さんが斎藤さんの肩を抱き、歌おうよと誘っている。


「でも・・・」


「ねえ、今日は収録が終わったら、カラオケにでも行かない?」


 奈々子さんがそう提案した。


「でも収録が終わるのは午後七時よ、そんな時間にカラオケなんて行ったら、明日のスクーリングにも支障が出てしまうし、それに夜のカラオケは高いわよ」


「じゃあ、日曜にもでも行きましょうよ。日曜ならこのスタジオも休みだしとりあえずみんなどれだけ歌がうまいか試してみようよ」


「奈々子にしては良いアイディアね。じゃあ、そうしましょうよ」


「何よあたしにしてはってどういう意味よ」


「言葉通りの意味よ」


 ここでまた喧嘩をおっぱじめようとするのだろうか?僕と斎藤さんは身構える。


「まあ、とにかく明日、あたし達はスクーリングでしょ。明日はどんな絵を描くのかしら?」


「そう言えば、僕達のレポートかなりたまっていたよ」


「じゃあ、今日は徹夜でレポートを片付けてしまおう」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「いつまでも一緒」も悪くないですよ、奈々子さん。ただ、伝えたいことが直接すぎるので……
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