バラードを作ろう
朝起きて僕達はまず歯磨きをして、順番にシャワーを浴びてその間一時間、髪の長い涼子さんは凄く時間がかかるためにいつも奈々子さんと喧嘩をおっぱじめる。
涼子さんがその腰まで伸びた髪を乾かしている最中に、
「ちょっと涼子、まだなの!?」
「ちょっと焦らせないでよ、あたしの髪は長いんだから乾かすのに時間がかかるのよ」
そう言って洗面所でドライヤーを使っている音が聞こえてくる。
洗面所は鍵がかかっていないため、奈々子さんはイライラして、洗面所の扉を開いた。
すると、涼子さんは下着姿のままだった。さすがの僕もそれ見て興奮してしまった。
「ちょっと奈々子何をするのよ」
そう言って扉を閉める。
さすがに奈々子さんも悪いと思ったのか涼子さんに謝っていた。
僕は見てしまった。涼子さんの大きな胸とその華奢な肢体を。
「何、涼子の下着姿を見て興奮しているのよアツジ!?」
奈々子さんは怒りを露わにして目を細めてじろりと僕の事を見た。
「別に興奮はしていないよ!」
「それなのに顔が凄い真っ赤じゃない!」
「そんなに僕の顔は真っ赤なの!?」
確かに涼子さんの下着姿を見て僕は興奮して頭に血が上った感じだった。
「嘘だと思うなら、その目で確かめて見なさいよ」
そう言って奈々子さんは僕に乱暴に手鏡を投げつけた。頬にクリーンヒットして痛かった。そして自分の顔を手鏡で見てみると本当に顔が真っ赤かだった。
「本当にアツジはエロいんだから!」
すると髪が乾いたのか?涼子さんが俗室から出てくる。
「別に私はあっ君に見られるなら別に良いと思っているんだけれどもね。だって私の彼氏だもん」
「何よ、この淫売女が」
「奈々子さんそれは言い過ぎ」
「誰が淫売女だって?」
涼子さんから不気味なオーラを感じる。
「へえ、やるって言うならやるわよ。この淫売女」
奈々子さんは喧嘩腰に構える。
涼子さんが奈々子さんに飛びかかろうとしたところ僕は奈々子さんを羽交い締めにして、斎藤さんは涼子さんを羽交い締めにした。
「離しなさいよ翔子。この女に目に物を言わせてやるんだから」
「とにかく涼子ちゃん落ち着いて、そんな事で怒らないでよ」
斎藤さんは涼子さんをなだめている。
「離せアツジ、このデカ乳淫売女に目に物を言わせてあげたいんだから」
また奈々子さんは涼子さんに淫売女と言った。さすがの僕も怒り出した。
「とにかくいい加減にしろー」
僕は近所迷惑も良いところで僕は叫び始めた。すると二人の動きは止まってくれた。とにかく今回の件は奈々子さんが悪いと思って奈々子さんに涼子さんに対して謝らせた。
「本当に二人ともいい加減にしてくれよ。どうしてそんなにいつも喧嘩をおっぱじめるの?」
「それは仲が良いからだよ」
と桃子が口を挟む。
すると二人の視線は鋭いナイフのような感じで桃子を見る。それを見た桃子は「ひっ」と泣き出してしまうんじゃないかと思うほど戦いている。桃子も余計な事を言うなよ。この二人本当にライバル関係だ。僕は奈々子さんも涼子さんも斎藤さんも桃子もライバルだと思っている。それに一番のライバルは僕の恋人である涼子さんが一番のライバルだと思っている。
とりあえずほとぼりは冷めて、奈々子さんは何事もなかったようにシャワーを浴びに行った。こんなに喧嘩になるなら、これからはお風呂の順番を変えた方が良いんじゃないかと思い始めた。
それよりも今日は初めて僕は二人に対して叱って二人は反省してくれた。二人は僕達が監視していないとまたいつ喧嘩をおっぱじめるか分からないからな。武道館ライブか。本当に成功するのか不安になってくる。みんなお風呂から出て、それからみんなでご飯を食べることになっている。今日のメニューはトーストの縁にマヨネーズをかけてその真ん中に卵をのせて完成。いつも朝ご飯は軽めにしてある。
僕達はスタジオに六人で行かなくてはいけないことになっている。でも光さんは図書館の司書のバイトでてんてこ舞いだ。昨日は五人で言ったときは大丈夫だったが今回は大丈夫だろうか?
とりあえず、光さんのスマホにかけてみたところ光さんに今日スタジオに六人で出なければいけないことを知らせた。そうしたら、光さんは事務所に連絡して、事情を説明したみたいだ。すると事務所は納得してくれたみたいでとりあえず、事が進んだ。
「光さん。あの鈴木って言うマネージャーにどんなことを言って説得したんだろうね」
奈々子さんは不思議そうにそう言った。
「本当だよ。でも光さんは口が達者だからな。もしかしたら、その話術で説得したのかもしれないよ」
そう色々と話し合いながら、レコード会社の事務所に向かった。
レコード会社に到着して、鈴木さんとアポを取っていると言うと、早速受付の人は鈴木さんを呼んでくれた。
「待っていたわよ。光さんって言う人の話によるとあなた達五人でも充分にいけるって言っていたわ。私も昨日の練習を見て私もそう思ったわ。あなた達の攻撃的な演奏に。これは次世代における唯一の産物と言ったところかしら」
次世代の産物ってどういう意味だよと僕は心の中で呟いている。
そう言えば僕達はバラードを作るために光さんが必要だと、話し合っていたんだっけ。
「どうするアツジ、バラードって言ったら、光さんのピアノが必要不可欠なんじゃない?」
「うーんそうでもないよ。どんなバンドでもピアノ無しの音楽もあり得るよバラードなら」
「じゃあ、どんなバラードかアツジは考えてきたの」
「考えてはいないけれど、とりあえずみんなで話し合って考えようよ。とりあえず光さんがいない今僕達だけで考えようよ」
「そうね。光さんばかりを頼ってはあたし達は成り立たないからな」
「いいや、僕達は光さんがいなくても充分にいけると思うんだけれどもな」
そう話し合いながら僕達はバラードを作ることになった。ここの音楽の設備は最高の物だった。コンピューターも使えるし、ピアノの音だって再現できる。
僕達は光さんがいなくてもしっかりと鈴木さん曰くしっかりやれるかもしれない。絶対に僕達は頑張ると思っている。僕達はどんな逆境にも負けやしない。武道館ライブで僕達のバンドの名前を知らしめてやりたいと思っている。それよりも鈴木さんがやってきて武道館ライブに出る前にテレビ出演の依頼が殺到していると言っている。
「テレビ出演かあ、そんな話も合ったんだ」
「ええ、ありますよ。オリコン第二位を制したあなた達なら出来ると思いまして」
「どうするみんな」
とりあえずみんなの意見を聞いてみることにする。
「私は反対だな」
涼子さんはいつもながらにバッサリだ。
「どうしてよ涼子。武道館ライブはやるのにテレビ出演には出ないなんて」
「考えてみなさいよ私達の顔が世間にばれてしまったら今後学校での生活や図書館にいられなくなってしまうかもしれないのよ」
「そんなの大丈夫よ。みんなにキャアキャア言われて過ごすのも悪くないと思わない」
「あなたの脳みそはどこまでおめでたいのよ。一度その頭の中身を拝見させて貰いたい物だわ」
来たぞ、斎藤さん。と僕は奈々子さんをその場で羽交い締めにして、斎藤さんは涼子さんを羽交い締めにした。
「このデカ乳チビ女、今日という今日は許さないんだから」
「何よこの私達の事が世間にばれたら、肩身が狭い思いをするのは私達なのよ」
確かに涼子さんの言うとおりだと僕と奈々子さんも斎藤さんも桃子も賛成してくれたみたいだ。とりあえず二人の喧嘩はおっぱじめる前に僕と斎藤さんの疎通が合って出来たことだ。二人の喧嘩を止めるには僕と斎藤さんしかいない。
と言うことで僕達は武道館ライブはやるが、テレビ出演は断固涼子さんの意見を取り入れてやめにする事になった。
さてこれからバラードを作るんだっけ。キーボードの光さんがいなくてもそれは出来ることだ。




