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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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攻撃的なバンド

 今日の所は一曲出来上がった事でバンドの練習はここまでとなった。時計を見ると午後九時を回っていた。


「そろそろ食事にでもしようよ」


 涼子さんがそう言って、冷蔵庫の中身を調べている。


「あれ、何もないじゃない。今日は仕方がない、外で食べることにしよう」


 早速僕達は近くのファミレスに行くことになった。みんなそれぞれの自転車を使ってファミレスまで行った。


 ファミレスに到着すると、もう禁煙席がすべてで僕達に取って良い時代になったと実感した。


「みんな、何食べる?」


 今日は唐揚げ定食が安くなっているので、みんな唐揚げ定食にした。早速店員さんを呼んで唐揚げ定食を頼んだ。僕は唐揚げが大好きだから、何かテンションが上がりそうになっていた。


「武道館ライブか!何か夢を見ているような感じがするんだけれども、みんなはやっぱり気合い入っているよね」


「当たり前よあっ君、武道館ライブと言ったら数々の有名アーティストがコンサートを開いている場所じゃない」


 涼子さんは心ウキウキと言った感じだった。


「全く本当に現金な女ね、涼子は」


「何よ奈々子!」


「まあまあ、二人とも、そんなに興奮しないで楽しく行きましょうよ」


「「分かっているわよ!」」


 二人の返事がシンクロする。


「本当に奈々子さんも涼子さんも喧嘩するほど仲が良いのね」


 桃子が言う。


「何を言っているのよ。桃子ちゃんあたし達が仲いいわけないじゃない」


「そうよ。奈々子の言うとおりよ」


「でもそうやって喧嘩する相手がいるなんて、桃子は嬉しいと思うんだけれどもな」


「桃子ちゃんちょっとお姉さんの教育が必要の様ね」


 桃子は涼子さんの殺気を感じて泣き出しそうになる。


「ちょっと涼子、子供相手にそんな威圧的な言い方しないの」


「何を言っているのよ、子供だからって私は容赦はしないわよ」


 すると桃子は泣き出してしまった。


「ちょっと涼子、やり過ぎよ。相手は幼気な中学一年生なんだから」


「悪かったわよ」


 とりあえず二人は本当に良く喧嘩をおっぱじめる。でも本当に桃子の言うとおり二人は良いコンビだと思っている。二人に僕がそう言うと、怒りだしてしまうので黙っていたけれど、奈々子さんは本当に嫌いな人に対して笑顔の鉄仮面を被るからな、そうならない事は本当に良いことだと思っている。


 僕は泣き出してしまった桃子をそっと抱き寄せて、慰めた。


 そんな事を言いながら注文していた唐揚げ定食五人前が運ばれてきた。僕の大好きな唐揚げ、本当においしそうだった。

 唐揚げを一口、口に入れると、ジューシーな肉の味をかみしめながら、ご飯が進む。

 本当においしい唐揚げだった。僕にはこんなメニュー作ることは出来ない。

 それと本当に武道館ライブ楽しみだな。僕達は頑張って楽しんでここまで来れたのだ。苦しい時も時にはあったけれど、本当に楽しみになってきた。


 明日はお茶の水のスタジオで練習が出来るんだもんな、それにスタジオではもっと曲を作るしかない。みんなが楽しくなれるような夢のような時間を過ごして貰いたいと思っていた。

 そして唐揚げ定食も食べ終わって、帰りに僕と涼子さんは明日の朝ご飯の買い出しに行きとりあえず後の三人に鍵を渡しておいて、帰ったら寝ていてね、と言って、僕と涼子さんは二十四時間やっているスーパーに行った。


 とりあえず朝から精のつく物を作ってやりたい。まあ朝は軽くパンにしておいて後マヨネーズと卵を買って、僕と涼子さんの家に戻った。戻ると、みんなして眠っていた。余程疲れていたんだろうな、今日はいつもより本格的に作業をした物だから、何とか出来そうな気がしてきた。




 ******   ******




 朝五時頃起きて、僕達はいつものランニングに出かけるのであった。何かをする事に対しては体力が必要だ。走るのもその一貫である。


 走るって気持ちが良い。走って走って走り抜いた先には眺めの良いスポットが待っていた。そこは富士山が見えて隣町が一望できる場所であった。


 走り抜いた場所を五人で見渡してみる。凄い爽快な気分になれる僕達の秘密のスポットだった。


 ちなみに今日は涼子さんがビリでみんなにジュースをおごる羽目になってしまった。ここで奈々子さんは高いエナジードリンク系のジュースを選ぶのであった。本当に奈々子さんと涼子さんはお互いにライバル関係って感じだ。


 早朝トレーニングも終わり、僕達はお茶の水のスタジオに行くまでレポートをこなしていた。美術学校のレポートはそんなに難しい問題ではない。だからと言って慢心してはいけない。


 そして勉強も終わらせて僕達はお茶の水のスタジオに向かった。バスと電車で行き、お茶の水のレコード会社のスタジオに到着した。受付で鈴木さんを呼ぶと、鈴木さんはすぐに追いかけるように出てきた。


「お待たせみんな。それじゃあ、早速始めようか」


 そう言って鈴木さんの後についていってスタジオに到着した。


 スタジオで鈴木さんはガラス越しの所で僕達の演奏を聴いていた。


 僕達が演奏をするとなぜかドラムの涼子さんとギターの奈々子さんがぶつかり合うように演奏していた。それを僕がサポートでベースで緩和している様な感じがしてくるのはなぜだろうか?


 一曲演奏が終わって鈴木さんの感想を聞いてみる。


「良いよあなた達、何か演奏で喧嘩をしているような感じがとても良いよ」


 さすがはプロと言った感じか僕達の事を分かっていらっしゃるようだ。続けて鈴木さんは、

「とりあえず、私のアドバイスはその攻撃的な演奏を続けることが大事だと思っている。あなた達一発屋で終わるようなたまじゃないわね。いくつもの演奏を見てきたけれど、あなた達のような演奏は初めてだよ。あなた達の様なバンドがこれからの時代を切り開いて行くんだろうね。私はとりあえず席を外すよ。ここで今日は一日を過ごして良いから良い曲を作りなよ」


 鈴木さんはそう言ってスタジオから去って行った。


「攻撃的な演奏だって、何か凄いことを言われちゃったね」


 涼子さんがそう言って奈々子さんを見る。


「何よ。涼子、やるならバンドで攻撃してくると良いわ。あんたのそのドラムさばきは大した物だと思っているからね」


 本当に奈々子さんと涼子さんは互いに魂を削り合う仲でもあるのかもしれない。これは仲が良いという以上の事なのかもしれない。


 僕達はとにかく時間がない。曲を武道館で二時間分の曲を書かなくてはいけない。僕達の持ち曲は五曲でおよそ三十分だ。その間にMCとか入って十五分ぐらいは稼げると思う。後およそ一時間分の曲を書かなくてはいけない。


 僕は曲の歌詞を書きながらみんなはそれぞれ曲を奏でて曲を作っている。そうだ。この調子で作っていけば僕達は何とかなるかもしれない。


 よしどんどん歌詞を作っていって曲を作って行くしかないな。一曲作ることに時間がかかるときやかからない時がある。でも曲作りは大変な作業だ。みんなの思いを乗せて武道館ライブを完成させたいと思っている。


 スタジオでまた一曲作ることが完成した。みんなとやるライブは最高の物にしたいと思っている。それと僕達の曲にはバラードがないような気がする。


「ねえ、みんな、僕達のバンドにはバラードがないような気がするんだけれども、それも入れてみたいと思うんだけれども、どうかな?」


「うん。良いと思うよ」


 奈々子さんが僕の意見にのってくれてみんなも同じ気持ちだった。


「でもバラードってゆったりとした感じの曲になるでしょ。それには光さんのキーボードを要に作った方が良いかもしれないね」


 涼子さんが僕達にアドバイスをくれた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] この間まで辛い目にあっていたので、今輝いているのがほっとします。 涼子と奈々子も相変わらずで何よりです。
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