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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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謎の人物、久川

 安井のおかげで僕達は酷い目にあった。それに安井はやられて、新聞配達の同僚達まで怪我を負う事になってしまった。もう安井は僕達の仲間に入れることは出来ないだろう。でも僕は安井の事が心配だった。


 あのまま安井を一人にしてしまうのはかわいそうな気がしてきたからだ。本当に安井はかわいそうな奴だ。僕達をはめた挙げ句に僕達がやっている事に嫉妬して学校をやめて僕達のところに来た。それで僕達は安井を渋々ながら受け入れることにした。それで何のつもりか安井の元仲間達は安井を攻撃して、安井を入院沙汰にしてそれで僕達が働いている新聞配達の同僚達に攻撃を加えた。


 奈々子さんの言うとおり安井と関わるとろくな事が無いことを知った。


 これから僕達を狙って奴らは来るだろう。でもこちらには豊川先生という守り神みたいな人がいる。ここは豊川先生に力を借りるしかない。


 病院の外に出て自転車に跨がると、安井の元仲間達がやってきた。


「お前、長谷川だろう」


 やばい、僕も安井の二の舞になってしまう。


 僕は自転車を急いでこいで、逃げようとするのだが、奴らはバイクだ。


 それでも僕は自転車を必死にこいで逃げようとするのだが、バイクのスピードには敵わない。すぐに追いつかれて僕がこぐ自転車の横を蹴り倒してきて僕は倒れて転げ落ちてしまった。


「どういうつもりなんだ。僕達が君達に何をしたと言うのだ。それに僕達に何の恨みがあってこんな事をするんだ」


「お前達には借りがあるからな」


「借り?」


「豊川をバックに色々と酷い目に会わされて来たからな」


「お前等、僕をこんな事をして豊川先生は黙っていないぞ」


「そうだよな。黙っていないだろうな。でも俺達にもバックが出来たんだよ。豊川に匹敵するバックがよ」


「豊川先生に匹敵するバック?」


「そう裏の世界のバックだよ。その人の力を借りれば豊川なんて怖くねえんだよ」


 バックか何か知らないがこのままだとその裏社会のバックの仲間にやられてしまう。

 とにかく僕は立ち上がり、自転車を立て直してそこから立ち去ろうとするとその裏社会のバックを長とする連中は僕を囲みだした。


「お前はそう言えば豊川をバックに俺達に散々酷いことをしてきたよな」


「僕は何もしていないだろう。してきたのは安井だろう」


「まあ、俺達は散々安井にもてあそばれて来たけれど、お前のバックが豊川なら、こっちは裏社会のバックの久川さんだ」


「久川?」


「知らないのも無理ないよな。久川さんは表の世界ではあまり知られていないけれど、裏の世界では結構名が知られているんだよ。それに久川さんは豊川に恨みを持ってお前達を攻撃しろと命令が出ているんだよ」


 豊川先生に恨みを持つ久川って言う人物は何者なのか気になった。

 やばいこのままじゃあやられてしまう。僕がやられてしまったら涼子さんも奈々子さんも斎藤さんも桃子も豊川先生も心配させてしまう。

 どうにかこの場を逃げ切れないか、満身創痍の僕は自転車に跨がろうとすると、その久川って奴の仲間達は僕の自転車を破壊した。


「これでもう逃げられないだろ。今まで安井をバックにしてやってきた俺達だけど、豊川の仲間を徹底的に締め上げろとの命令だ。悪く思うなよ」


「僕達にこんな事をしてただで済むと思うなよ」


「それは豊川がバックにいるからか?俺はお前が憎いよ。あの安井を受け入れて、何やらバンドで活躍しているらしいじゃん」


 こいつらそんな事まで知っているのかよ。このままではやられてしまうだろうな。安井にいじめられていたことを思い出す。安井は市議会員の父親を持つ有力者だった。そんな奴に手を出せば進路に影響を及ぼす事をみんな恐れていた。

 

「お前等はこんな事をしてただで済むと思っているのかよ」


「はあ?お前久川さんをなめているのか?」


「久川だか何だか知らないけれど、こんな事はやめろ」


「お前を殺したって久川さんの手によれば、もみ消せるんだからな」


 まずい。こいつら本気で僕を殺そうとしているか、痛めつけようとしている。連中は鉄パイプを持って僕の横面に攻撃を加えた。本当にこいつら僕を殺す気がして僕はおののいた。もはやこれまでなのか?


 僕も久川って奴らをバックに持つ人間にやられてしまう。どうすれば良いのだ。僕は痛めつけられて酷い目にあわされてしまった。


 名の知らない奴は坊主頭で虎のスカジャンを着ている。三対一なんて卑怯にも程がある。それに後の二人は顔面にピアスだらけで気持ちが悪かった。三人は容赦なく僕を殺そうとしているのか鉄パイプで腹や足や腕などに痛めつけられている。


 本当に痛い、身が引きちぎられる程の痛さだ。本当に安井と付き合ってろくな事が無いと身をもって知ったのだった。


 攻撃が止みこれで勘弁してくれると思ったら奴らはとんでもないことを口にした。


「お前、女とつるんでいるよな。お前の彼女とやらせてくれよ」


 僕はふざけるなと言わんばかりに血のついたつばを坊主頭のスカジャンの顔面に突きつけた。


「てめえ、ぶっ殺してやる」


 どうやら本気で怒らせてしまったかもしれない。僕はもう鉄パイプで攻撃されてもさほど痛くも感じない。どうやらこのまま殺されてしまうんじゃないかと思った。僕の恋人の涼子さんを売れだ?ふざけるなよ。そんなこと命に代えてもさせないよ。


 意識がもうろうとしてきた。


 薄れ行く意識の中で僕は聞いたんだ。


「それ以上やったら死んでしまいますよ」


 すると攻撃は止んだ。


「この野郎ぶち殺されたく無かっただけでもありがたく思えよ」


 そう言って連中は去って行った。


 連中の暴力は止み、安心したのもつかの間であまりの痛さに急激に痛みが走り、意識が遠ざかっていく。





 ******   ******




 気がつけば病院の中だった。涼子さんが僕の手を握っていた。


「涼子さん?」


「良かった。あっ君無事に意識が戻って」


 涼子さんは泣きながら僕に抱きついてきた。


「涼子さん痛いよ。痛いから離れて」


「ゴメンゴメン、でも良かった。このまま意識が戻らなかったら私本当にどうしたら良いのか分からなくて」


「でも涼子さんも他の奈々子さんにも斎藤さんにも桃子にも伝えておいて、僕達を狙う久川って奴が奴らのバックについているんだ」


 すると光さんが中に入ってきて「あっ君、今何て言ったの?」


「奴ら久川って奴がバックにいるって」


「まさか久川って・・・」


「思い当たる節はあるんですか?」


「ええ、久川さんは元豊川先生の教え子よ」


 教え子。それを聞いて僕は驚いた。いったい何の因果関係があってその久川は豊川先生に恨みを抱いているのだろうか?


 それに連中は言っていた豊川先生がバックについていても俺達には久川さんというバックがついているのだと。その久川と言う人物はいったい何者なのだろうか?


「ねえ、光さん。その久川って何者なの?何の因果で・・・うっ」こんな時に体の痛みが生じた。そんな時である。斎藤さんや奈々子さんや桃子も来た。


「ちょっとアツジ、あんた大丈夫なの?事情は警察から聞いたわ。それにその久川って言う人の名前を出しても警察は動かないつもりらしい」


 警察もその久川って奴の事に対して手が出せないのか?これじゃあ、僕達は鳥かごの取りのように取り捕まえられて握り殺されるのを待つしか無いと言うのか?

 とにかく豊川先生しか頼れる人が僕達にはいない。その久川って奴に対抗するのは。僕達は戦うしかないみたいだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 危機が続きますね。応援しています!負けないで!
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