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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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心にビビッて来るもの

 七月、僕達が出した園児達に聴かせた曲はオリコンチャート四位を獲得した。あれから一ヶ月僕達は七夕のお祭りを堪能していた。


 お祭りには金魚すくいやボンボンすくいや綿飴、やチョコバナナにリンゴ飴や色々な物が売られていた。


 僕達はお祭りの七夕の短冊にお願い事を書いたのだった。それぞれ願い事は秘密だが、僕はと言うと、いつものように『この幸せが続きますように』と短冊に書いたのだった。


「本当にお祭りって良いね。みんな、金魚すくいをやろう」


 奈々子さんは大はしゃぎで僕達六人は金魚すくいをする事になった。


「じゃあ、これでびりっけつの人がみんなにラムネをおごるって言うのはどう?」


 涼子さんが提案する。


 そして勝負は始まった。僕達はいつもライバル関係だ。じゃあここで勝負と行こうじゃないか。


 結果は僕が七匹、奈々子さんが六匹、安井が二匹、涼子さんが五匹、桃子が五匹、斎藤さんが五匹で結果は安井が僕達にラムネをおごる羽目になってしまった。


「何で俺が負けてしまうんだよ」


 何て安井は文句を言って、僕達は安井におごって貰ったラムネを飲み干した。本当にこの炭酸と甘みがマッチしておいしい物だったと思っている。


 お祭りでは焼きそばやたこ焼き、にお好み焼きやリンゴ飴、フランクフルト等など僕達はお腹がいっぱいになるまで食べ尽くした。


 この商店街の七夕は図書館に通じる道があった。そこは図書館の女神様事光さんが務める図書館になっている。


 今日は僕達は絵や小説に勉強にバンドの事を忘れてお祭りを満喫しようと提案したのが僕であった。たまには息抜きも必要だとも思っている。


 でも僕達がいつもやっていることは楽しいことなので、別に息抜きとは行かないかもしれない。けれどもこうやってみんなで楽しくお祭りを堪能するのも良いかもしれないと思っている。


 僕達はそれぞれ写真を撮ったりしていた。その時、僕は小説の良いアイディアが浮かんで即座に小さなノートに今閃いた事を書いたりしていた。これは今度の小説の時に役に立つと思った。


「お祭りって良いね」


 それよりも僕達はみんな私服だ。色々だが浴衣を着ている男性や女性なんかがいる。僕も涼子さんと二人きりで浴衣でも着てデートをしたいと思っていた。そう言えば僕達はカップルなのにいつも二人きりにはなれずに、いつも行動をする時はみんなと一緒だった。


 本当にお祭りは活気づいていた。そして終わりと言う物は当たり前のようにやってくる。すると涼子さんは僕の耳元で「今度、二人きりでデートしようね」と言われて僕は内心ドキリとした。


 そう言えば涼子さんとはまだ付き合って半年しか経っていない。でも半年も過ぎていればエッチの一回や二回は出来ると思っていたが、涼子さんはその気ならいつでも良いよって言っているけれど、涼子さんの貞操を奪うわけにはいかないと思っている。


 それよりもお楽しみだったお祭りは終わり、帰ったら僕達は僕と涼子さんの部屋で眠ることになっている。明日は新聞配達だ。それはそれで楽しみだ。お祭りも堪能して僕達は勉強にも小説にもバンドにも絵にも没頭することがたくさん合った。それはお祭りよりも楽しいことなのかもしれない。


 もし僕が小説家兼絵師になれなくても、楽しい仕事が出来るような人生にしたいと思っている。そうだ。未来は決して僕達を裏切らない。そう思いながら僕達は僕と涼子さんの部屋で明日の新聞配達の仕事に向けて眠りに入った。


 翌朝、今日の朝ご飯の当番は桃子だった。桃子も僕達を真似るようにしてパンの縁にマヨネーズをつけてその真ん中に卵を落としてオーブントースターで焼き見事なまでに仕上がっている。


 さすがは僕の妹の桃子だ。


 そして新聞配達の仕事が終わって、今日は珍しく僕と桃子が負けてしまい、桃子と僕はみんなにジュースをおごる羽目になってしまった。今日も気合いが入っていたのだが、それ以上にみんなも気合いが入っていたのだろう。


 新聞配達の仕事も終えて、僕達はいつものようにタブレットに絵を描いている。僕は絵を描きながら思うんだ。あの時園児達に見せた紙芝居の楽しさを。本当にあの時は楽しかった。みんなが喜んでくれて僕は大満足であった。みんなも同じ気持ちだった。


 また光さんから紙芝居の依頼が来ないかと思っている。誰かのために喜んで貰える嬉しさを僕は学んだ。


 図書館が開く時間になり僕達はそれぞれ楽器を持って図書館に向かった。それに安井もベースを買ったのだった。うちのバンドはダブルベースで音楽の幅が広い。


 いつも通りの毎日だ。新聞配達が終わったら絵の勉強をして、それから図書館に向かって楽器の練習をする。それが終わったら勉強を始める。本当に楽しい毎日を送っているがあの時の紙芝居の時のような楽しさはないのだろうかと思っている。何か僕はみんなは何を考えているのか分からないが、あの時のような心ときめく何かが欲しいと思っている。


 バンドもオリコンチャート四位を獲得したが、僕達は学業を優先するためにコンサートは控えている。それに僕達のバンドは世間からは謎のバンドと言うことになっている。


 コンサートしたいな。三枚目のシングルがオリコンチャート四位を示したのはそれはそれで良いのかもしれないが、僕はコンサートがしたい。でも学業に支障が出てしまうから出るわけにはいかないんだよな。


 バンドの練習をしているがみんな腕は落ちていない。これほど、チームワークが良いと僕は僕でもったいない気がする。


 バンドの練習が終わって僕達はみんなの熱を感じながら勉強をしているが、本当に安井の言うとおりこのような勉強が世の中に必要なのかと思うと何かやる気が失せてしまうが、ここでいったん深呼吸をして再びまたみんなの熱を感じながら勉学に励む。僕達はライバル関係なのだから。


 勉強が終わると光さんが友達が働くパン屋からパンを貰ってきてくれて僕達に差し出してくれる。ここで光さんに相談した方が良いんじゃないかと思ったが、この人は忙しい人だ。だから言えない。


 そこで僕は思わずため息を漏らしてしまった。


「何よあっ君。ため息なんてついて」


 涼子さんが心配する。涼子さんに心配されるとみんなに心配される。だからここは隠し通して行けば大丈夫だと思った。


「いや別にため息なんてついていないよ」


 すると涼子さんの目が変わった。


「あっ君私達に何か隠し事をしていない?」


 すると、奈々子さんも斎藤さんも桃子も安井も僕の目に注目した。


「べ、別に隠し事なんてしていないよ」


「何よ、あっ君、目が泳いでいるよ」


「目が泳ぐわけがないじゃないか」


「とにかくあっ君、面を貸しなよ」


 そう言われて僕は涼子さんに裏に連れて行かれてしまった。


「あっ君、どうしたのよ。さっきから元気がないけれど、そんなどんよりとしていると、みんなが心配するよ。何かあったか私にだけでも教えなさいよ」


「何か僕達のやっている事ってこれで良いのかな?って思っちゃって」


「あっ君は他にやりたいことがあるって言うの?」


「何かあの紙芝居以来、僕達何も活動していないじゃん。あの時のような心にビビってくるようなイベント事をしてみたいなと思って」


「じゃあ、あっ君。その事について私とデートがてらお話をしましょうよ」


「そこまでの事をするほどの事じゃないと思うけれど」


「あのねえ、私達のやる気の源はあっ君なんだよ。そんなあっ君が元気ないとあたし達が迷惑なんだよ」


 何が何だか分からないが、何かが始める予感を感じていた。きっかけは僕の不満のため息だ。

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