紙芝居の始まり
いよいよ紙芝居が始まる。園児達は観客席に座っていて、子供達がかわいく愛おしくなってしまった。
「子供って良いね。何てかわいいんだろう」
斎藤さんの母性本能に何かちょっとメロメロしてしまった。
「よし、本番だ!」
僕がそう言うと、観客席を真っ暗にする。すると子供達が『わああああああ』と歓声を挙げた。
「良い子のみんな達これから僕達が作った紙芝居を上映するよ」
そこで激しく涼子さんがドラムを叩き、そしてギターの奈々子さんアコーステックギターの斎藤さんベースの安井ピアノの桃子が演奏をする。
僕がそこで演奏をやめる合図を送る。
すると演奏は止む。
子供達は興奮しているのか『きゃあああああああ』と絶叫している。
そして映写機で僕達が描いた『えかきのしょうじょ』とひらがなで上映する事になった。映写機にドンッとかわいい女の子が出てきた。すると園児達は『かわいい』とか『素敵な絵だね』と賞賛してくれた。
そして僕が語り部として台本を持ちながら物語の内容を言っていく。
「ある絵描きの少女がいました。女の子は朝から晩まで絵を描くのでした」
そこでミュージックスタート。ここは桃子のピアノから始まる。
「絵描きの女の子はあるときオタマジャクシの絵を描きました。すると少女が描いたオタマジャクシが絵から飛び出してきて、少女に言うのです」
ここでドラムの涼子さんが静かにシンバルの音を奏でる。
「オタマジャクシは言いました。僕を描いてくれてありがとう。僕は蛙になるために行きますね。と言ってオタマジャクシは絵から飛び出してどこかに行ってしまったのです。少女驚きました。私の絵がカンバスから飛び出してしまったことに」
そこでエレキギターの奈々子さんとアコーステックギターの斎藤さんが演奏に参加する。
「カンバスから絵が飛び出してきて、少女は思いました。私が描いた絵がまたカンバスから飛び出してくるんじゃないかと思って、少女は今度は大好きな熊の絵を描きました」
僕は次の絵を差し替えるために少女が熊を描いているセル画を映写機にさらした。
そしてそこでミュージックスタート。みんなの演奏が紙芝居を盛り上げる。
「少女は言いました。私の大好きな熊がカンバスから出てきたら、熊さんと仲良くなれるかな?そして少女は今度はカンバスに熊を描き終わると熊がカンバスから出てきました」
そこでドラムの涼子さんがシンバルを思い切り叩いた。
「少女はカンバスから出てきた熊さんに言いました。熊さん私とお友達になってくれませんか?でも少女は知らなかったのです。熊がどれだけ恐ろしい動物なのか、熊は少女を今にも襲おうとして熊は少女をにらみつけました」
さらにみんなのおどろおどろしい音楽が鳴る。会場内の子供達の反響は凄かった。
「その時、熊は少女を襲いにかかりました。少女はとっさにそこから逃れようとして、今度は熊の天敵であるオオカミ達を描きました。オオカミ達は涎を垂らしながら熊を見つめていました」
さらにここで激しい熊とオオカミが戦うシーンの激しい演奏が始まる。子供達は大興奮していた。
「少女は思いました。このままでは熊さんがオオカミさんに食べられてしまうと。優しい絵描きの女の子は今度は神様を描きました。するとオオカミさんは熊さんを食べることを諦めました。神様が熊さんを助けてくれて、熊さんは絵描きの少女になつきました。そしてオオカミさんはどこか遠くへ消えていなくなってしまったのです」
セル画は少女になついた熊は少女を乗せて原っぱを駆け出すシーンを映写機に映した。
「熊さんはそろそろ森へ帰らなくてはいけなくなり、寂しいが少女の前から去って行きました。熊さんとのお別れです」
そこでミュージック。寂しそうなシーンをピアノで演出する。
「少女は田舎に暮らしていました。いつか田舎を出て街に出たいと思っていたのです。そこで少女は街の絵を描きました」
アコーステックギターとピアノの伴奏が始まる。
「少女は絵の中に吸い込まれるように街に行きました。街は活気にあふれていて、建物も立派で食べるのもおいしそうで少女はお金を描いてお店からリンゴを買って食べました」
セル画に街の絵の中に入っていく少女の姿を映した。
街のシーンを活気だたせるようにここは激しくドラムの演奏を混ぜてギターやアコーステックギターやベースにピアノの演奏をする。
園児達は盛り上がっている。
「街にはお金持ちや貧しい生活をしている人達もいました。そこで少女は貧しい暮らしをしている人達にお金を描いて貧しい人達にお金をあげました」
そこで桃子のピアノの演奏が始まり、涼子さんのドラムのシンバルだけの演奏が始まり活気づけた。
「少女は貧しい子達にお金を描いて配っていると、それを町の人に見られて、『あれは魔女の筆だ』と恐れられ、お金持ちの人も貧しいお金を描いた貧しい子供達も去って行きました」
そこで全奏、激しく盛り上げるためにここはみんな必死に演奏して園児達を盛り上げている。
「少女はこれが魔女の筆だとは知らずに描いていたことに罪悪感を感じて、その筆を魔女に返すために魔女を描いて魔女に筆を返しました」
魔女が出てくるシーンは激しく演奏することになっている。そこでみんな激しく演奏をしていた。
「すると少女は、目覚めてどうやら夢を見ていたことに気がついたのです。そこで少女は朝起きて歯磨きをして顔を洗い、パジャマからいつも絵を描いているワンピースにエプロン姿の格好で絵を描き始めました。すると少女の筆はあの魔女の筆だったのです」
そこで桃子の出番でピアノを演奏する。
「少女がまたオタマジャクシを描くと、オタマジャクシが絵から出てきてオタマジャクシは言いました。『また僕の絵を描いてくれたんだね、でもそろそろ僕も蛙になるために行くね』言ってオタマジャクシは去って行きました」
そこで涼子さんのドラムの演奏が始まる。激しいビートを刻んでいる。
「少女は思いました。この筆で夢のようなお城を描いて、豊かな街を描き少女はお城の王子様に出会い、結婚するのでした。それでも少女は街を豊かにするために絵を描き続けましたとさ」
映写機に少女がお城で絵を描いているシーンで終わるセル画を映した。
「おしまい」
そこで僕はみんなが立っている舞台に立ち僕がボーカルになって今度出るシングル三曲目の曲を披露した。
曲は園児達にも大人達にも夢が見られるような仕上がりになっている。そこで僕達は演奏するんだ。
曲が済んで園児達も親御さんの大人達にも好評だった事に、僕達は最高に心が高揚していた。
どうやら紙芝居は大成功を成し遂げてしまった。最初はみんな喜んでくれるか心配だったけれども、僕達はみんなが喜んでくれて最高に楽しかった。
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「「「「「「カンパーイ」」」」」」
僕達は園児達が喜んでくれたことに嬉しくて打ち上げでみんなでジュースで乾杯をした。
「アツジ最高に良かったよ。演奏していて園児達の顔を見ているとみんな夢中になっていたよ。さすがはあの小川君の絵を抜いただけの事はあるよ」
と奈々子さんは言う。
「そんな事は無いよ。みんながいたから出来た紙芝居だもん」
打ち上げは僕と涼子さん家でやった。そこで光さんが現れた。
「みんなお疲れ、本当に最高の紙芝居だったじゃない。絵描きの少女って誰が思いついたの?」
「僕ですけれど」
「やっぱりあっ君か。あっ君はみんなのやる気の源だもんね」
そう言って僕達を労い、僕達は誰も知らない明日へと向かうのであった。
きっと明日も楽しい日が続くんだと思っている。




