物事に時間を忘れてしまうぐらいの僕達
僕達はスクーリングが終わり、水曜日に向けて図書館のスタジオで紙芝居の練習をしていた。題名は絵描きの少女と言う、何ともその女の子は秋葉原の萌え系の女の子の設定にしてある。これなら園児達も喜ぶんじゃないかと思った。
その感じを何度も練習して園児達の喜ぶ姿が目に見えてきて僕達は作業が止まらなかった。そんな時光さんが夜食を持ってきてくれた。どうやら僕達は気がついたらお腹をすかせる事さえ忘れていた。
「みんな頑張っているね」
「光さんも紙芝居見てくださいよ」
「じゃあ、見せて貰おうかしら。あなた達が描いた物語を」
その時、光さんの目は園児のような目をしていた。どうやら光さんは園児になりきって僕達の紙芝居を見てくれるそうだ。
僕達はこの一時間半に渡る紙芝居を光さんに見せた。
そして一通り終わると、光さんは喝采をしてくれた。
「あなた達にはいつも脅かされてばかりだよ。この調子で頑張りなさい」
と言って、時計を見ると午後九時半を示していた。
「やばいよ。そろそろ帰って眠らなきゃ」
僕達六人は僕と涼子さんの家に向かって、眠ることになった。
ちなみに物語の演出は、僕が語り部で、涼子さんはドラムで、ギターが斎藤さんでアコーステックギターが奈々子さんで桃子がピアノで安井がベースの役割をなしている。
そして次の日、今日も安井は僕達にご飯を作ってくれた。メニューは卵サンドだった。
「朝から卵サンドを作るなんて凄く気合いが入っているね」
「何か君達と行動を共にしていると、俺は何かやれそうな感じがしているんだよ」
そうだよな。僕達はそうやって成長して勉強をしていったのだからな。
今日は月曜日、新聞配達の仕事に出かけなきゃいけない。
それが終わったらまた図書館で園児達に紙芝居の作成に取りかからなくてはいけない。僕達の紙芝居はとうに出来上がっている。でもクオリティーをもっとあげたいと思っている。園児達が喜んでくれるような紙芝居を作りたいと思っている。
まあ、それは置いといて、新聞配達の仕事では今日は僕は涼子さんと組むことになってしまった。もう二つは、奈々子さんと桃子で安井と斎藤さんが組むことになった。それでは試合開始だ。僕達は相変わらず、新聞配達が終わって負けたチームにジュースをおごって貰うのが主流になってしまった。
何か僕達は今が凄く楽しいと思っている。新聞配達も絵も勉強も小説もバンドもそれに今やっている紙芝居も凄くやりたい気持ちでいっぱいだった。僕は凄い幸せな気分だ。きっとみんなも同じ気持ちになっていると思っている。
新聞配達の仕事が終わって最後になったのは安井と斎藤さんのチームであった。安井におごられるのは少々抵抗はあったが別に気にせず缶コーヒーをおごって貰った。
「よし、みんな、今日の新聞配達は午後にまたあるけれど、紙芝居頑張るぞ!」
とみんなに僕は鼓舞した。
そして僕達は僕と涼子さんの家で図書館が開くまで小説を書いていた。
そこで安井が「俺も小説を書いてみたいんだけれども、どうやったら書けば良いのか教えてくれない?」
そこで奈々子さんが「小説は自分の面白いと思ったことをテーマにして書けば良いんだよ」
「君達の小説本当に面白いと思っている。どうやったら、そんなに面白い小説がかけるのか教えてくれない?」
そこで僕が「それは教えられるような物じゃないよ。とにかく奈々子さんの言うとおり、自分が面白いと思ったことを書けば良いんだよ」
「じゃあ、俺も書いてみるよ」
これで新たなライバルが登場という訳か。面白い。安井、君も僕達のライバル関係の一員となったわけだ。安井も僕達の熱にあやかり、小説を描いている。安井の小説かあ、どんな小説が描けるのか楽しみだな。
そう言えば安井には散々酷いことをされて来たな。でも今は僕の方が安井よりも強くたくましくなっている。今度何かしでかしたら半殺しにしてやると思っている。
それに安井は散々僕達以外に色々としてきたみたいだ。その揺り返しが来なければ良いけれど。
まあ、とにかく罪を憎んで人を憎まず、僕も少しは大人になれた感じがした。
そして図書館に行く前に僕達のアクセス回数を見てみることにする。僕の小説が一万五千で奈々子さんが一万人で涼子さんが一万三千人で斎藤さんが二万と来ている。何だろう以前より僕達の小説のアクセス回数が少し減ってきていると見えてきた。
図書館の到着すると紙芝居のリハーサルに入った。何度もやってもっとクオリティーの高い物にして子供達を喜ばせたい気持ちでいっぱいだった。
紙芝居まで後二日。この二日間で最高の出来を示して子供達に喜んで貰えるような、紙芝居にしたいと思っている。
作業に当たっていると昨日と同じようにお昼ご飯を食べるのを忘れるくらい気張っている。それはみんなも同じ気持ちで当たっていたのでこれで良いのかもしれない。
僕達は楽しいことを頑張れる事が楽しいのだ。本当に僕達の青春は続く。でも僕達は本当にうまくいきすぎて怖くなるときがある。
楽しいだけじゃない僕達のやっていることは試される時が来るのだ。にもかかわらず、こんなにうまくいって良いのだろうか?疑問に思ってしまう。
でもそんな事はどうでも良い。とにかく僕達は今できることを懸命に頑張るしかない。そしてお昼ご飯も食べずに新聞配達の仕事が来てしまった。
そう言えば僕達のセカンドシングルはオリコンチャート第五位を示していて、本当に怖くなるぐらいにうまくいきすぎなんじゃないかと思ってしまう。
印税が入るのは一年後ぐらいらしい。一年後には僕達は大金持ちになっているだろう。
夢を見ているときは時々は壊れるような事があっても良いと思うのだが、でもそんな事は僕達にはない。
僕達は今頑張れることを頑張れば良いと思っている。
新聞配達が終わって今日は斎藤さんと桃子のチームが負けることになってしまった。
僕は桃子に別にジュースはいらないと言ったのだが、桃子はダメだよ負けは負けだからと言ってわざわざ高いジュースであるエナジードリンク系のジュースを買ってくれた。本当に桃子は良い子で、律儀な子だと思ってしまった。
帰ったら絵のチェックをしなければならない。僕達は僕と涼子さんの家に集まり、今まで書いた絵の中で何か足りない物はないかと作業をしていた。
良しこれならいける。この時間でリハーサルをしたいと思っていたが、こんな時間に音を出すのはいくら世間には音を出して良いと言われているが、それは昼間の間だけであった。
買い出しに行くことも忘れてしまったため、僕達は保存用のカップラーメンを食べることになった。カップラーメンなんて久しぶりに食べたけれど結構おいしい物だ。
さてご飯も食べたことだし、僕達は眠ることになった。
体を横にしてみると、凄い疲労感がたまっているせいか?すんなりと眠りに入ることが出来た。何か良い夢を見れそうな感じがした。
僕と涼子さんの家は六畳一間なので、安井には悪いが廊下で寝て貰うことにさせて貰っている。本当に今日も良い作業をした。紙芝居、子供達が喜んでくれると良いなと思いながら眠りについた。
そして新しい日を迎える。僕達は三時に起きて、新聞配達に向かった。
今日は安井と奈々子さんが負けて、僕と斎藤さんと涼子さんと桃子は安井と奈々子さんにジュースをおごって貰うことにする。
僕と斎藤さんは安井に安い缶コーヒーをおごって貰って、涼子さんは相変わらず奈々子さんには意地悪で、エナジードリンク系のジュースをおごって貰っていた。ちなみに桃子は控えめで僕と同じように安い缶コーヒーをおごって貰っていた。
さて今日も新しい一日が始まる。凄く心が高揚していた。僕達は絶対に負けないと。




