安井を受け入れる涼子さん
僕は風邪をひいてしまって今布団の中にいる。みんな今日は僕に合わせて絵や小説、にバンド活動を休むことになってしまった。それで今僕が寝込んでいる間に今日はDVD鑑賞と言うことでみんなTSUTAYAにDVDを借りに行っている。
体を無理に起こそうとすると凄くだるく感じる。ダメだ。今日は安静にしていなきゃ無理がたたって動けない。みんながTSUTAYAに行って帰ってくることを待つしか無い。こうして一人でいるのも何か寂しい物だと感じてしまう。もし今日僕が風邪なんてひかなかったら小説やバンドに絵を描いたりしていたのに、本当に僕に合わせてくれて申し訳ない気持ちになってしまう。
僕は布団の中に入って目を閉じている。本当にこのだるさ何とかならないのか?そしてみんなはTSUTAYAから帰ってきてDVDを借りて帰ってきた。
借りてきたDVDを紹介して貰うと『この世界の片隅に』と『君の名は』だった。僕は以前から『君の名は』を見てみたかったから楽しみにしていた。それに涼子さん達は僕に桃缶を買ってきてくれた。
「風邪の時は桃缶が一番でしょ。それに安静にしていることが大事だからね」
「ありがとう涼子さん。それにみんな」
僕は本当に良い仲間がいて良かったと思っている。
僕は桃缶を食べながらまずは『君の名は』をみんなで見ながら楽しんだ。僕はこの『君の名は』を見たことがないので、以前からみたいと思っていた。これを見れば小説の題材になるししかもこの『君の名は』は絵も綺麗だし僕達の絵の参考にもなる。
『君の名は』をみんなで見て僕達は感動してしまった。本当に良い物語を見て僕は涙が出そうになった。ちなみにこの君の名はレンタル料が二泊三日で110円でとても安いのに良い物を安く見れたと思えた。さすがは新海誠の物語か、以前涼子さんとこっそりとデートして『天気の子』を見に行ったことがあったっけ。あれも面白かったことを覚えている。
その次に入る前に僕の携帯が鳴り出した。出てみると光さんだった。そう言えば僕が風邪をひいているのを光さんに言うことを忘れていた。
『もしもしあっ君、風邪は少しは良くなった?』
どうして光さんが僕が風邪をひいていることを知っているのか気になった。
「どうして僕が風邪をひいていることを知っているの?」
『安井君から聞いたよ。それに安井君涼子ちゃん達にあっ君が風邪をひいているところを知っているって言っていたわ。それに安井君も心配していたよ』
安井に心配されるなんて最悪だと思っている。それに安井の奴図書館にいるみたいだ。
「安井の奴図書館にいるんですか?」
『いるわよ。安井君、私がかくまうことにしたわ』
「どうして安井の肩を持つのですか?」
『別に持っているわけでは無いわ。安井君にも居場所を提供してあげないといけないと思ってね。あなた達は安井君の事を受け入れる事は出来ないでしょ』
「受け入れる事は出来ませんよ。安井の奴どこまで厚かましいんですか?以前光さんも安井にひどいことをされてきたんでしょ。それなのにどうして安井の肩を持つんですか?」
『私は行き場を無くした子の学校を作る事が夢だって教えたよね。だから安井君は私が引き取らせて貰うわ』
僕はここで大きく激しい葛藤に目が回りそうだった。僕達で安井を仲間に入れて置いた方が良いんじゃないかって、そうしたら日々忙しい光さんの手を煩わせることは無くなるかもしれない。
『じゃあ、あっ君お大事にね。それにみんなにもよろしく言って置いてよ。じゃあ』
そう言って通話が切れてしまった。
「どうしたのあっ君、安井がどうのこうの言っていたけれど」
涼子さんが僕に尋ねてきた。
「安井の奴今、光さんの働く図書館にいて安井の世話をしているみたいなんだ」
「そう言えば今日も安井の奴新聞配達の仕事にやってきたわ」
「それで僕が風邪だと言うことを伝えたの?」
「伝えたって言うか、社長に言うときにあいつはいたからね」
「そう。あいつまた何かやらかしてこないか心配なんだけれどもな」
「でももうあいつの悪さに加担する奴はいないよ。だから私達がほっとけば何も無いよ」
「そうだと良いんだけれどもね」
すると奈々子さんが僕の背中を叩いて「大丈夫だよ。あたし達にとって安井なんか敵じゃ無いよ」と明るく振る舞っていた。
そうだよね。大丈夫だよね。僕達にとって安井は敵だけれども、あいつの悪さに加担する奴はもういないんだよな。それに涼子さんはあの時下着姿にされて怖くないのだろうか心配だったがその心配もないように思えるほどだ。さすがは僕が惚れた強い女性だ。
涼子さんは気を取り直して「さあ、これからまた映画を見ましょう」
今度の作品は『この世界の片隅に』だ。
この映画は二年ぐらいに放映された物だ。この映画を見てみると涙が出るほど面白い映画だった。みんなも泣いていた。面白い映画だと僕は思ってしまった。二つDVDを借りてきたのにどちらも面白い映画だった。映画が終わった頃、そろそろお昼の時間だ。僕の熱は七度二分まで下がっていてもう動ける状態だった。
「お昼の買い出しは僕が行ってくるよ」
「ダメよ、風邪は病み上がりが一番危ないんだから、だからあっ君は眠っていて」
と涼子さんに言われてしまった。
「そうだよお兄ちゃん。病み上がりなんだから大人しくしていてよ」
桃子にまでそう言われてしまったら、仕方がない。眠っいるしかないかもしれないな。
そんな時である。光さんがやってきた「ヤッホーみんな、調子はどう?」
『調子はどう?』と聞かれても僕達はただ映画を見ているだけだからなんともないんだけれども、光さんは安井を連れてやってきた。光さんどうして安井を連れてくるのかな?安井がいるだけでこの部屋のムードは最悪な物と化してしまった。
安井の奴は調子よくもニコニコとしながら僕達の前にいる。光さんが連れてきたんだから文句は言えないな。仕方がない。ここは安井も入れてあげようと僕は思っているのだが、桃子を抜いて三人は嫌な顔をしていた。光さんはそんなに僕達に安井の仲間に入れてあげたいのだろうか?
安井の奴も調子よく仲間に入りたがっている。安井は空気が読めないのだろうか自分のしてきたことに自覚はないのだろうか?何か僕達はいたたまれない感じだった。
そしてご飯が出来てメニューはカルボナーラだった。
安井が「光さんのカルボナーラはおいしんだよ」
お前食べたことあるのかよ。と心の中で僕は呟いた。
「どうしたの?みんな食べないの?」
と光さんは言って奈々子がさんが怒り始めた。
「光さん。どういうつもりですか?よりにもよって安井を連れてくるなんて。あたし達はこいつに散々ひどいことをされてきたんですよ。光さんも同じようにひどいことをされてきたでしょ。なのにどうして安井の肩を持つような言動を取るのですか?」
「確かに安井君のやったことは許されないことだけれども、奈々子ちゃん私は安井君のような人を受け入れるような学校を作りたいんだ」
「その学校を作ることは大いに結構ですよ。でもあたし達を巻き込むのはやめて、安井が来ただけであたし達の空気は最悪な状況なんですよ。見てくださいよ。涼子なんて下着姿にされてトラウマになってしまったんですよ」
「私は安井君を許してあげても良いと思っているよ奈々子。安井君は私達に嫉妬してあんな事をしたんだよ。だからその気持ちも分かってあげられないかな?奈々子」
「涼子、あなたはどっちの味方なのよ」
「どちらの味方でもないわ。私は安井君を受け入れるよ」




