風邪をひいてしまったアツジ
あの安井には帰ってもらい僕達は僕達でこれからやることになっていた。やることと言ったら勉強や小説、絵にバンドなどだ。安井の奴がいないことを思うとせいせいする。でも新聞配達の時は安井はいるんだろうな。でも僕達はそんなことで屈したりはしない。
今日の晩ご飯はカレーライスだった。桃子と光さんのカレーライスはおいしいから僕達は絶賛している。安井がいなくなって僕達は平和な日々を送れると思っているが安井は新聞配達に来るんだよな。
あいつまた僕達に何か仕掛けてくるんじゃないかと心配していた。桃子と光さんのカレーを食べて元気いっぱいだった。小説を書く時間になり。僕はスランプに陥っていた。なぜか良い物語が浮かばない。僕達の小説を見てくれる人は二万を超えている。それなのになぜか小説が書けなかった。いつもならテンションマックスで小説を書いていたのだが、今日はなぜか調子が悪かった。
みんなの熱にあやかってもなぜか書けなかった。
「どうしたのあっ君。今日は調子が悪そうね」
「何か書ける気がしないんだよね」
本当に僕はどうしてしまったのか?いつもみたいに気合いを入れて頑張れたのに。みんなに熱を貰っているというのに悪いと思っている。本当に僕はどうしてしまったのだろう。やっと安井がいなくなったと思ったのにこんなのって無いよな。
僕の小説を楽しみにしてくれる人はたくさんいるのに本当に僕はどうしてしまったのか?それに何か頭がクラクラする。
奈々子さんが「ちょっとアツジ、顔色が悪いよ」と言って僕の頭を触った。
「奈々子さん?」
「ちょっとアツジ熱があるんじゃ無いの?」
すると斎藤さんが体温計を持ってきた。体温計で熱を測ってみると八度五分の熱があった。
「やっぱりあなた熱があるんじゃないの。今日の所は休んだ方が良いわよ」
「でもみんな頑張っているのに僕が頑張れないなんて悔しいよ。僕達は仲間でもあってライバル同士なのに」
すると涼子さんは「分かったわよ。あっ君、あっ君が出来ないなら私達もやらないことに決めたよ」
「そんな事をしていいと思っているの?みんなは頑張りなよ、僕がこうして熱を出しているときに僕のせいで頑張れないなんて嫌だよ」
そこで奈々子さんが「じゃあ、分かったよアツジがこうして調子が悪いときにはあたし達はアツジの看病に付き合うことにしたよ」そう言って奈々子さんは布団をひいてくれて、僕をみんなで看病してくれた。
「あっ君、調子が悪いときに面白い小説は書けないと思うよ」
と涼子さんは豪語する。
そうだよな。僕は風邪をひいてしまったらしい。だから僕は奈々子さんと涼子さんの言うとおり、布団に入って眠る事にした。
せっかく光さんと桃子が作ってくれたカレーを食べたのに風邪をひいてしまうなんて情けないと思ってしまった。
ちょっと今日は絵もバンドでも勉強でも頑張りすぎてしまったために無理をしてしまったみたいだ。それがたたって風邪をひいてしまったみたいだ。僕が風邪をひいて眠っているとき、斎藤さんは僕にショウガ汁を作ってくれた。
「あっ君さんこれを飲んでください」
斎藤さんに促され飲んでみると、ショウガの味と蜂蜜の甘さで体がポカポカしてきた。僕がこんな状態になって小説を書く物などいなかった。みんなには本当に悪いことをしたと思っている。その事をみんなに言うと、みんなは僕が無理をしていると思って少しでも僕に無理をさせないようにみんな僕の看病に当たってくれた。本当に持つべき者は仲間なんだなと実感した。
明日新聞配達の仕事に出かけられるようにはしたい。それには安静にしておかなければならない。僕の小説が一日延期になってしまった。僕の小説を楽しみにしてくれている人がいるのに悪いと思って、ツイッターに今日は休みますとコメントを発表した。
次の日僕は熱は下がらず、新聞配達の仕事を休むことになってしまった。無理をしたせいか、風邪をひいて何も手につけられない。僕は眠っていて朝ご飯は斎藤さんにお粥を作って貰った。いつもは絶好調の僕だがこうして風邪をひいて人間波があると僕は思い知らされる。
ちょっと昨日は無理をしすぎた。それに安井の奴がいて何か調子が狂ったように思える。みんなには悪いことをしたな。今頃みんなは新聞配達に向かって今日の僕の分もやって貰っているのだろう。
みんながこうして頑張っているのに僕だけ頑張れないのはなぜか不甲斐ない。それに新聞配達には安井が来ているのだろう。その事でも僕は心配だった。
それよりもみんな頑張っているんだ。僕も頑張ろうと思ってアイパットを手に取って絵を描いていた。でも熱があるせいか、頭の中がぼんやりとする。それにこんな調子じゃいい絵は描けない。僕はアイパットを置いて今は安静にしていた方が良いと思って。布団の中に入る。
みんな僕が安心して眠れるように暖かい布団まで用意してくれた。さすがは僕の自慢の仲間達だ。今僕に出来ることと言ったら安静にして早く風邪を治すことだ。明日はスクーリングだ。明日までに何とか風邪を治さないといけないな。だから僕はこうして眠りについている。
そして時間は過ぎてみんな新聞配達の仕事から帰ってきた。
「お帰りみんな」
「あっ君調子の方はどう?」
涼子さんは心配そうに聞いてくる。
「とりあえず僕は安静にしているよ。明日はスクーリングだから、明日までにこの風邪を治したいと思っている」
「そうアツジ、熱を測ろうか」
奈々子さんはそう言って体温計を取り出して僕の脇に挟んだ。
熱を測ってみると、七度五分の熱が出ていて、昨日よりも熱は大分下がったようだ。
「お兄ちゃんは昨日無理をしすぎたんだよ。あっちこっち行って、うち達の二曲目のシングルを作ったりして無理がたたっちゃったんだよ。だからお兄ちゃん無理は禁物だよ」
本当に桃子の言うとおりだ。僕はちょっと無理をしすぎたのかもしれない。それよりも僕は聞きたいことがあった。
「安井の奴は来ていないの?」
「来ていたわよ。あの野郎あっ君によろしくだって」
涼子さんは少々憤った感じで言う。
安井の奴何て厚かましい奴なのだろう。僕達が行くはずだった両国高校に行かせずに自分だけ両国高校に行きそこで自分にそぐう相手が見つからないからと言って、僕達のやっていることに嫉妬して仕掛けてきたんだよな。
「今日はあっ君が何も出来ないから私達も今日の作業は中止にするよ」
「中止にするってそんな」
「じゃあさ、今日はアツジが何も出来ないならみんなでDVD鑑賞と言うのはどうだろう?」
「奈々子それ良いよ。良い小説を書くには映画を見ることも大事だって光さんは言っていたしね」
「みんな、僕の風邪に合わせて絵や小説にバンドに勉強をおろそかにしてはいけないよ」
僕が言う。
「何を言っているのよあっ君。あっ君が私達の自信の源なんだから」
「僕がみんなの自信の源」
「以前も言ったかもしれないけれど、いつの間にこうしてみんなで勉強や小説に絵やバンドが出来るのはあなたがいたからなんだよ」
そう言われると何か自信がわいてくる。
僕は立ち上がり「じゃあ、今日も小説や絵やバンドに勉強をしようよ」と僕は褒められて我を忘れてしまっていたが、僕は病人で立っていられない状況で、風邪で布団から出ると凄い悪寒が走った。
すると奈々子さんと涼子さんに「アツジ、無理はしてはいけないよ」「そうよまた無理をして風邪をひかれたら、私達が看病したのにまた風邪をこじらせてしまうじゃない。そうなったら明日のスクーリングに行けないじゃない」
「ゴメン」
と僕は謝り、みんなは早速DVDを借りに行ってしまった。
そうだ。風邪の時は無理をしてはいけない。人間の体って不便だよな、それに僕達には一日が二十四時間というのは時が少ないような気がしている。それよりも今は安静にして明日に備えて、今日はみんなでDVD鑑賞会とでも行きますか。これも小説や絵の練習にもなりそうだからな。眠っていても僕はやることがあって大変に満足している。




