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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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勇気をテーマにした曲

 本当に安井とは今日までなんだよな。とりあえず、新聞配達の仕事を終えると、僕達はそれぞれのアイパットで絵を描いていた。何か安井がいると気合いが入らない。また安井は紙と鉛筆で何かを描いている、また涼子さんの自画像でも描こうとしているのか?それであったら仕方が無い、あと一日でも新聞配達の時、毎日こいつとやらなきゃいけないんだよな。


 安井が自画像を描きそれは今日は奈々子さんの自画像を描いていた。


「今日は東雲(しののめ)さんの自画像を描いてみたんだけどどうかな?」


「それであたしの事をジロジロ見ていたのか」


 奈々子さんは少し憤っている。奈々子さんも思っている。こいつと付き合うのはあと一日何だから。奈々子さんも我慢している。


 それに安井の奴こんな事をどこで覚えてきたのか?分からないがとてもうまく出来ている。僕も安井には負けたくない。そうだ。僕達はそうやって絵を上達してきたんじゃ無いか。でも魅力的な絵を描くにはビビッとインスピレーションが浮かぶような絵じゃないとうまく描けない。


 何かビビッと来るような絵か?そこで僕は斎藤さんをモデルにアニメチックな絵を描いた。何か斎藤さんを見ていると何かビビッと来るような絵が絵がいけそうで描いていた。そして出来上がり、それをみんなに見せた。


「どうみんな、斎藤さんを題材にした絵なんだけれども」


 涼子さんが「翔子を題材にした絵か、良く描けているじゃん」


「あっ君さん、私少し恥ずかしいです」


 やばい斎藤さんを少し困らせてしまった。


「ゴメンゴメン、ちょっと斎藤さんが綺麗でつい描いちゃったよ」


「・・・」


 恥ずかしそうに黙り込む斎藤さん。


 安井の影響で僕は斎藤さんをモデルにした。斎藤さんを見てビビッと来るような絵を描いていた。それで僕は斎藤さんをはずかしめてしまった。これもみんな安井のせいだ。こんな絵は見せられないので、僕はもったいないがその絵を消した。三時間もかけて描いた絵だが斎藤さんが恥ずかしいなら仕方が無い。


 最近絵に何かビビッとインスピレーションがわくような絵を描けていない感じがした。僕はただみんなとこうして描いているだけでも楽しいと思うが、何か今一絵をうまく描けない様子であった。


 ビビッと来るような絵か、誰かをモデルにして描きたいものだ。


 そして僕達はそろそろ図書館に向かわなくてはいけない。バンドの練習だ。


 安井も連れて僕達六人はそれぞれ自転車で図書館向かう。


 図書館に入り、早速バンドの練習に入った。


 そこで僕が二枚目のシングルを出そうと提案した。


 とりあえず僕達は安井を除いて演奏をしている。安井は僕達の演奏を見て羨ましそうに見ていた。そんな時である光さんがやってきた。


「みんな調子はどう。私は一仕事終えたから、バンドの練習に付き合ってあげるよ」


 よしきた。バンドメンバーがみんなそろった。


 涼子さんがドラムを叩きみんなでアドリブで演奏を開始した。みんな息は合っている。僕はテンションマックスでこの状態だと凄く頭にビビッと来るようなインスピレーションが沸いてくる。


 僕はみんなが演奏をしているときに紙と鉛筆で次の楽曲のテーマを考えた。今回のテーマは『勇気』に決まった。


 みんなが演奏している中、僕は勇気に関してのテーマ曲を描いている。


 やっぱりこうしてみんなと楽曲を楽しんでいるとインスピレーションがわいてきて、心の奥底から何か得体の知れない熱い気持ちがわいてくる。そうだ。その感じだ。この感じで詩を描いていると心が弾む。僕達の勇気をテーマにした曲を描いて僕はいや僕達はテンションがマックスだ。本当に安井の言うとおり僕達は両国高校に行けなくて良かったなんて思えてしまった。だからと言って僕は安井を許したわけじゃ無い。


 勇気という物は夢を叶えるために必要だ。熱い気持ちが僕に勇気を詩に描けと訴えているような気がする。この詩を歌に変えるためにみんなで話し合った。


「この詩良いじゃない。何か聞いている人に勇気を与えているような気がする」


 涼子さんが絶賛する。それを曲にするために僕達はこれからお茶の水のスタジオに向かうことにした。


 お茶の水のスタジオに到着すると僕達は早速曲作りに専念した。お茶の水のスタジオは僕達を待っていたかのように空いていた。


 ドラムの涼子さんがリズム良くドラムを叩き、それに加えて二人のギターの奈々子さんと斎藤さんそれにキーボードの光さんそしてベースの僕とボーカルの桃子で演奏した。ちなみに安井は見ているだけであった。


 曲は出来上がり、これは二枚目のシングルにしようと思っている。本当にこれ以上の改良の余地の無い物が出来上がった感じだ。


 何かこの勇気をテーマにした曲を聴いてみると心の底から勇気が湧き起こるような錯覚に陥ってしまう。お茶の水のスタジオはスピッツレコードと隣接しているために僕達の勇気をテーマにした曲をスピッツレコードの担当の方に聞いて貰った。


 聞いて貰ってスピッツレコードの方に絶賛して貰い。来月の中旬辺りにこの曲をスピッツレコードの会社から発売されることになった。


 僕達はこの曲を聴いて少しでも勇気を持てる自分になれることを思っている。


 本当はこんな事を思いたくないが僕達は両国高校に行けなくて良かったと思っている。安井にはめられて本当に良かったのかもしれない。でも僕達は安井を許したわけじゃ無い。安井とは今日でお別れだ。


 お茶の水のスタジオにずいぶん長居をしてしまった。そろそろ新聞配達の仕事が待っている。僕達五人と安井は新聞配達所に向かった。そう言えば社長は安井をやめさせるべきではないと言っていた。その話になると僕達はバンドの印税で食べていけるので新聞配達をやめようとも思ったが社長には恩がある。安井の為だけにやめるなんてそんな事をしてはいけないと思っている。


 でも新しい曲が出来上がり、僕達はテンションがマックスと言った感じだ。本当に空でも飛べそうな程愉快な感じになってしまう。


 新聞配達の仕事を終えて、僕は安井に言った。


「とりあえず、新聞配達の仕事は一緒にやるけれど、もう僕達の仲間には入れられないよ」


 と言って置いた。


「そうか。そうだよな。俺は君達にひどいことをしてきたんだからな。今更仲間に何て出来ないよな」


 そうだ。その通りだ。いくら光さんの頼みとは言え僕達は安井を認めるわけには行かないんだ。それは僕達の仲間も承知している。


 僕達は安井と別れて良かったと思っている。安井は僕達にひどいことをしてきた。そんな人を仲間に入れるなんてそうそう出来やしない。


 だから本日をもって安井は僕達から脱退をして貰うことになった。光さんの頼みとは言え、もうこれ以上安井を僕達の仲間として受け入れる事は出来なかった。いやこんな奴といて僕達は虫の居所が悪くなる。


 安井がいなくなり僕達はホッとしている。そして今日の夕飯は僕が作ることになっていて買い出しに行こうとしたら、光さんから連絡が入り、今日も光さんは僕達にご飯を作りにやってくると言っている。


 安井には帰って貰って、僕達が僕と涼子さんの家に戻ると、光さんと桃子が連絡したとおり、僕と涼子さんの家で晩ご飯を作ってくれていた。


「あれ?安井君は?」


 光さんは安井がいないことに不思議に思っていた。


「安井には帰って貰いましたよ」


 と僕が言う。


「やっぱり安井君を受け入れることは出来なかったか」


 光さんは何を言っているんだ。そんな事出来るわけが無いだろう。

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