安井に肩を持つ光さん
さてさて安井の事で予定はずれてしまったが、今日の晩ご飯は僕が作ることになってしまった。新聞配達から帰ると、僕は買い出しに行った。もう安井のことで僕達はもう恐れる物など何もない。今日は僕の大好きな唐揚げが良いと思って鶏肉を買ってキャベツにトマト、野菜も買ってちゃんととらないとね。
僕が台所に立つと、涼子さんが、「私も手伝うよ」と言って絵を描くことを中断して僕の所にやってきた。
「良いよ涼子さん。僕一人でも出来るから」
「そんな遠慮何てしないの。今夜は唐揚げね」
唐揚げの下ごしらえをして油で揚げた。
「安井の奴また私達に嫉妬してやってきたよ。それに安井は念願の両国高校に入ったけれども、その生徒達は人を蹴落とすことしか考えてないんだって。それで私達が自由に気ままにバンドや絵や小説をやっていることに嫉妬したみたい」
「なるほど、あんな奴にこんな事を言いたくないけれど、あいつはかわいそうな人間なんだね」
「本当だよ。本当にかわいそうな人間だよ」
僕は涼子さんから安井の事を聞き出して、自業自得だと思っている。
「それよりも涼子さん。安井にひどいことをされなかった?」
「安井の奴私に思い切り抱きしめて来たよ」
「抱きしめられたって、もしかして・・・」
「あっ君が思っているような過激な事はしてこなかったけれど、安井の奴、寂しかったのかもしれない。だからそんな私をとっ捕まえてそれで寂しさの憂さを晴らしていたんだと思う」
安井の奴何を考えていたのだろう?それよりも涼子さんと会話を交わしているうちに唐揚げは出来上がった。
こうしてみんなとご飯を食べて、僕達は本当にソウルメイトだと言うことが分かった。涼子さんから安井の話を聞いて僕は思った。両国高校に入れなくて良かったかもしれない。もし両国高校に入っていたら、周りから蹴落とされて、嫌な学校生活を送っていたかもしれない。本当に進学校という所は嫌だ。桃子も進学校に入ったのだが、自分の成績の事しか考えないろくな連中しかいないらしい。
大体勉強なんて、足し算引き算かけ算割り算が出来るぐらいの事でしか、社会では使わないと思う。中学で習うような英語や数学など社会に役に立つとは僕は思えない。でも僕達は以前両国高校に行くためにそう言った計算も勉強したっけ。でも僕達は本当に美術学校に行って良かったと思っている。僕達は小説家兼絵師の夢を見て絵の勉強をしている。それに美術学校では勉強もするが、勉強よりも絵がうまければ良いといった感じで勉強はそんなに重要視されていない。とにかく僕達は大きな夢だが絵で食べていけるような小説家兼絵師の夢を見ている。
ちなみに僕達の小説のアクセス回数も増えている。僕達はみんな二万アクセスを超えている。これなら小説家兼絵師の夢も叶えられるかもしれない。それにバンドでも成功した。僕達のメジャーデビューを果たしてオリコンチャート七位を取った。これは凄い事だと僕達は思っている。でもまた安井が僕達の邪魔をしてくるかもしれないが僕達の熱は冷めやしない。
これからは学歴の時代じゃない。自分が何をしたいかの問題だと思っている。僕は思うんだ。二十世紀は戦争や学歴の時代だが二十一世紀は仲間と共有し合う魂の時代だと僕は思う。今から八十年前までは空から雨ではなく爆弾が降ってきた時代だ。そんな時代はなくなったのだ、時代は変わる物、学歴の時代はもう疾うに終わっているのだ。でも僕達はそんなことも知らずに両国高校に入ろうとして安井にはめられたのでその事に気がつけたのだ。これからの時代は魂を削り合える仲間が重要視される時代になっていくだろう。一番になれなくても仮に一番でもその人が社会に出たら一番になれるとは限らない時代だ。
よし、晩ご飯も食べたことだし、僕達はタブレットで絵を描いていた。相変わらず四人で描いていると魂を削り合う僕達四人のパワーがみなぎってくる。そうだ。その感じだ。その感じで僕達は絵を描いていれば良い。
まあでも絵なんて一人で描けるのだがこうして四人がそろえば楽しくなってしまう。そうだ。絵は楽しく描いた方がいい絵が完成する。
「見てよこの絵」
涼子さんが自分の絵を見せてきた。見てみるとそれは凄い物だと僕はつくづく思わされる。
だから僕も「涼子さん僕の絵も見てよ」
「さすがあっ君の絵は良く描かれているね」
「僕だって負けないよ」
本当に四人で絵を描いていると楽しい。そうだ。僕達は競い合わずに、楽しく絵を描くべき何じゃないかとつくづく思わされる。
そして次の日僕達は三時に起きて今日の朝ご飯の当番は奈々子さんだった。朝起きると奈々子さんは起きていて朝ご飯の準備をしている。さすがは奈々子さんしっかりと朝ご飯を作ってくれている。
メニューはパンの上にベーコンエッグを乗せた物だった。おいしくいただいて僕達は新聞配達の仕事に出かけるのであった。出かける前に桃子が現れて桃子とも一緒に行くんだった。
桃子に母親や父親は僕達のことをどう思っているのか聞いてみたいところだけれども止めておいた。どうせ世間の事しか考えない自己中な親達だ。多分僕達の事をあまり良く思っていないだろう。
新聞配達の仕事を終えて今日は僕と涼子さんのペアが勝ち斎藤さんと奈々子さんにジュースをおごって貰っていた。しかも涼子さんは奈々子さんに高いジュースであるエナジードレイン系のジュースをおごって貰っていた。
新聞配達の仕事が終わって僕達は僕と涼子さんの家に行き、僕達四人は図書館が開くまで楽しく絵を描いていた。安井の事から一件、僕達は平和な日々を送っている。それから図書館に行く時間になり、今の僕達にやっかいな件が待っていることを知るよしもなかった。
それは図書館に到着して、光さんが何と安井を連れて何かをしていたのだ。僕達はそんな安井が光さんに何かをしでかすんじゃないかと思って、安井の所に向かった。
「安井、てめえがどうしてこんな所にいるんだよ」
僕が言うと光さんが止めに入ってくれた。
「あっ君そんな言い方はやめて、安井君にも事情があるのよ」
「何が事情ですか?安井は僕達に散々ひどいことをしてきたんですよ」
「しかもこいつ僕達に謝りもしないじゃないですか!どうしてそんな奴の肩を持つんですか?」
「安井君、高校に入ってから周りの人間関係で悩んでいたみたいなのよ」
「それがどうしたんですか?悩めば良いじゃないですか、それで苦しめば良いじゃないですか、こいつは僕達に散々ひどい目に遭わせて来たんだから当然の事ですよ。光さん、そんな奴の肩を持つなんてどうかしていますよ」
「確かに安井君はみんなにも私にもひどいことをしてきたわ。でも安井君はこうして誰かが見ていないとまた同じ事をしてしまう」
「おい、安井、今度僕達にひどいことをしたらただじゃ置かないからな」
安井に言うと、瞳をうつむかせて黙っていた。
そう言って僕達はスタジオに向かっていった。ちなみに涼子さんや奈々子さんそれに斎藤さんはそんな安井を見ておびえていた。実を言うと僕も少し怖かったのだ。それに光さんには絶望したよ。安井なんかに肩を持つなんて僕達には信じられないことだった。スタジオに入ると桃子はやってきた。
「どうしたのお兄ちゃん。凄い怖い顔をしているよ」
「そうか。ゴメン」
自分にビンタをして僕は我に返った。
原因はすべて安井にある。何であんな奴に光さんは肩を持つのか?僕は今も信じられなかった。本当は安井の事なんて思い出したくもないほど大嫌いだ。くそ!




