表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
155/207

バンドコンクールに向けて僕達は・・・

 桃子の事はもう心配入らないみたいだ。僕は桃子にジュースを買ってあげて、斎藤さんにもジュースをおごった。桃子に対する心配は杞憂だったみたいだ。それよりも今日も熱く小説や絵やバンドにも打ち込むことが出来る。そう思うと心の奥底から燃えてきた。この胸に宿る鼓動がドックンドックンと魂を燃やしつけるみたいに体中が熱かった。


 早速僕達は僕と涼子さんの家に戻り、アイパットで絵を描いていた。小川君今度は負けないよ。心の中で呟き僕はアイパットで絵を描く。


 この一週間僕達は絵や小説にバンドなどをやって互いに魂を削り合い、燃やし尽くした。僕達は青春をしている。それは本物の小説家兼絵師になるために、それにバンドも捨てがたい。


 そして美術学校に行き、今日は上野動物園に来ている。今日の課題はそれぞれ動物の絵をデッサンすることだった。


「おーい。お前達今日は動物の絵を描く事になった。動物はとにかくジッとしていないからイメージで書くことも大事だ。絵で食べていくことは凄く大変な事だ。でも絶対に俺はお前達を絵で食べていけるようにしてやるからな。覚悟しておけ」


 高岡先生は相変わらず熱い先生だ。僕達も気合いが入る。


 よし、僕達は上野動物園のパンダを描くことにした。


 パンダはじっとはしてくれない。僕はいや僕達の熱き魂がパンダをイメージして描けるようになった。今日こそは僕はいや僕達はパンダをイメージで描いて、小川君の絵を超えてやると思っていた。それに小川君以外にも僕達よりもうまい絵を描く人は何人かいる。その人達にも負けるわけにはいかない。


 パンダはジッとしていらず、歩き回って笹を食べている。とにかく僕はパンダが笹を食べているのをイメージで描いている。心の目で見て僕はイメージした。パンダを見ていると本当にかわいいと思ってしまう。そうだ。そのかわいいイメージして描くんだ。パンダはかわいいと言われているが本当は獰猛でもし遭遇したら、熊のように襲いかかってくると言っている。


 そしてかわいいと思われる獰猛なパンダをイメージして僕は描いた。出来上がり奈々子さんが「アツジ、良くそんなにうまく描けるね」と絶賛してくれた。奈々子さんの描いたパンダを見てみると僕とはれるぐらいにパンダをイメージして描いていた。本当に良く描けていると僕は絶賛した。それに涼子さんと斎藤さんのパンダも良く描けている。


 さすがは僕のライバル達だ。でもこれからが勝負所だ。今日こそは少しでも小川君に近づけるように真剣にパンダを描いた。それよりも小川君は何を描いているのか気になり、小川君は象を描いていた。僕はそんな小川君とお近づきになりたいと思って、小川君に近づいた。


「小川君、象を描いているの?」


 と僕が声をかけると小川君は急に顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。無理はないのかもしれない。小川君は知的障害を負っている人だから。


「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ。小川君の絵を見せてよ、僕のも見せるから」


 小川君は黙ってスケッチブックを僕に渡してくれた。見てみると、それは象が餌のリンゴを食べているシーンで度肝を抜かれるほどの素晴らしい絵だった。何が素晴らしい絵だと言うと、それはもう象が鼻でリンゴをつかんで食べているシーンは何というか躍動感があった。

 本当に小川君は絵の天才だ。僕がどんなにうまい絵を描こうとも決して敵わないと思った。


「小川君凄いね。こんなにうまく描けるなんて」


「君のも凄いじゃない」


 そこで涼子さんが「私達の絵も見てよ小川君」と三人は小川君に自分たちが描いた絵を見せた。


「三人ともうまいじゃない」


 僕達の絵は小川君には勝てないと判断した。これは本当に小川君に天が授けた才能だと僕達は思っている。


 そんな才能の塊みたいな小川君にうまいと言われて僕達は嬉しかった。


 僕はそんな絵が上手な小川君に一歩前に進めた感じがして嬉しかった。


 そして僕達は小川君にあやかるように小川君の描いている象を描いた。


 そんな天才な小川君の熱を感じながら、僕達は小川君を見習って絵を描いた。


 すると小川君も心に火がついたように象の絵を本気を超えて描いてしまっていた。


 象を書き終わり、小川君ほどじゃないが、先ほどよりもいい絵が完成した感じがした。


 時計を見ると集合時間の十二時を示していた。


「小川君小川君、そろそろ集合しないと行けないよ。僕達も高岡先生の待つ入り口に行こう」


 僕達は小川君と共に集合時間の入り口付近に行った。そこにはもう生徒はみんなそろっていた。


「お前達、自分が一番自信のある絵を明日番付にして発表するからな」


 他の生徒達の絵を見てみると、やはりうまかった。さすがは美術学校の通信制に通っている人ばかりだと痛感させられる。


 そして今日の所はスクーリングは終わりになった。


 僕はそんな絵のうまい小川君と僕達はお近づきになりたくて、今日これから暇ならお茶でもしないかと誘ったら、断られてしまった。


 残念だが仕方がない。それはそうと僕達は明後日バンドのコンクールだって事もある。何か緊張してしまうが逆に僕はワクワクしている。涼子さんも奈々子さんも斎藤さんも同じであった。


 それよりも今は絵のことで僕は緊張している。明日張り出される絵は僕達は何位なのか気になって仕方がなかった。


 まあそれはともかく僕達は帰って図書館に行ってコンクールに発表する歌を練習した。それにはボーカルの桃子もキーボードの光さんまで参戦してくれると言ってくれている。


 僕の胸に宿る鼓動はすさまじく熱かった。それはみんなも同じだと思う。こんな素晴らしい演奏が出来るのだから。本当に熱すぎて止まらない感じがした。


 涼子さんが「明後日はコンクールだから気合い入れて頑張るわよ」そう言ってドラムを激しくならした。


 そうだ。涼子さんの言うとおりだ。僕達は気合いを入れて頑張るしかない。それと明日の絵の順位が僕は気になって仕方がなかった。


 バンドの練習が終わると僕達は丁度新聞配達の仕事に出かけていった。


 いつも通りの新聞配達、もう説明することもないだろう。僕達はもう新聞配達の達人と言っても良いかもしれない。新聞配達が終わると再び図書館のスタジオに集まった。光さんはスタジオにお弁当を持ってきてくれた。


 光さんは僕達のために本当に至れり尽くせりだ。お弁当には僕の好きな唐揚げや、そのほかにも卵焼きや野菜などが入っている。


「みんな、明後日のコンクール気合い入れて頑張ろうね」


「「「「「はい!」」」」」


 僕達の返事がシンクロした。

 そう僕達はバンドの中では一つになっている。

 それと明日、美術学校に行かなくてはならない。今日描いた僕達が描いたパンダの絵は順位はどれぐらいなのか僕は気になった。


 もちろん小川君には勝てないかも知れないけれど、小川君以外にも美術学校に入っているのだから、僕達の実力を凌駕した人達がたくさんいる。僕達は負けるわけには行かない。絶対に天辺とって見せてやる。


 そして次の日、美術学校に行くと、早速昨日描いた僕達の絵が飾られていた。僕は百人中二十九位で奈々子さんが三十位、涼子さんが二十三位で、斎藤さんが十五位をしめていた。ちなみに小川君は相変わらずに一位を独占している。いったい何で僕達は天辺をとることが出来ないのか?悔しい思いが募るだけだった。思わず僕は人知れずにため息をこぼしてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 小川くんとお近づきになれてよかったですね! 更新ありがとうございます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ