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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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僕達だって最初から出来た訳じゃないよ

 僕と涼子さんの家に戻ると、すでに光さんと桃子は僕達に手料理を作ってくれていた。


「桃子、朗報だよ。明日から桃子も新聞配達の仕事に来なさいって言っていたよ」


「本当に!?」


 桃子は嬉しそうに飛び跳ねていた。


 明日から桃子が新聞配達の仕事に僕達と共に頑張れる事を思うと何か楽しみになってくる。桃子は明日から午前三時に起きられるか聞いてみたところ、あまり自信がないような事を言っていたので僕達が起こしてあげると言ってあげた。


 桃子は不安に思っていたらしい、でも僕達も最初から出来たわけじゃないんだ。桃子には勇気を出してみて始めることを勧めた。


 今日の夕食はエビフライだった。こんな豪勢な物を作ってくれるなんて光さんに感謝しきれない感じだった。いつか光さんに感謝したいと僕は思っている。


 夕食の途中、何か桃子が新聞配達の仕事がうまく出来るか不安に思っているから僕は言ってやった。


「桃子、新聞配達の仕事が不安なのは仕方がないことだよ。僕達だって最初から出来たわけじゃないんだから」


「そうだよね。お兄ちゃん達も最初から出来たわけじゃないんだよね」


 桃子も自立を目指して頑張っている。僕達も頑張らなければならない。明日は桃子の新聞配達デビューの日だ。僕達が手取を教えてあげなければいけない。


 僕達も最初は失敗して社長に怒られたりしたっけ。今思うと懐かしい想い出となっている。そう言った輝いた想い出を作るには大変な事も含まれている。桃子も自分のドラマを作ろうとしている。


 桃子の兄として僕は桃子が良いドラマを作ろうとしていることに僕は賛成だ。思い切り素晴らしい、まさにテレビにしたら視聴率百パーセントのドラマを作って欲しいと思っている。

 夕食も終わって僕達は絵の勉強に移った。絵はアイパットに描いて僕達は描く練習をしていた。アニメのチャオを参考にして僕達は絵を描いている。僕達が描いている絵はライトノベルに描く絵だ。でも僕達の絵はまだプロには程遠い物だと感じさせられる。あの絵の天才児の障害を持った小川君はプロを凌駕している。あれくらいの絵を描くにはどうしたら良いのか、それはもう描きまくって描きまくってうまくなるしかない。


 小川君、僕達は君に負けないよ。君は僕達に眼中はないと思っているけれど、僕達には熱き魂を削り会いながら頑張っている。魂を削り合うことは千の文字よりも刻まれて行くんだ。その事を小川君に思い知らせてやる。


 そしてそういう時間はすぐに経ってしまい、午後九時を示していた。もっと僕達は眠る時間が惜しいほど絵の勉強に勤しんでいたいが、仕方がない。眠らなければ、行けないだろう。



 そして次の日午前三時になって僕達は起きることになった。起きると台所から良い匂いがしてくる。台所に行くと桃子が朝ご飯を作っていた。


「おはよう。お兄ちゃん達。今桃子特製ベーコンエッグを作ってそれをパンにのせて出来上がるからちょっと待っていてね」


 桃子も新聞配達の仕事に熱く燃えている。そうだこの熱をこの熱き魂を削り会いながら、僕達は進んでいけば良いんだ。


 桃子も僕達と同じようにライバル関係になってしまったわけだ。僕達はそんな桃子に手加減などしないと思っている。


 桃子見せてあげるよ、僕達の本気を。


 早速僕達は桃子を新聞配達所まで自転車で連れて行った。桃子は緊張している。前言撤回だ。こんなまだ幼い子に新聞配達の仕事をさせるには無理があるかもしれない。でも僕は桃子を妹として愛している。だからここは心を鬼にして桃子には新聞配達の仕事を頑張って貰う。


「社長、僕の妹を連れてきました」


「おお、そうか、とうとう連れてきたか、じゃあ君達が長谷川君の妹のジョブコーチとして頑張って貰おう」


「はい。そのつもりです」


 これはもう新聞配達は勝負所じゃなくなってしまった訳だ。桃子に新聞配達の真髄を教えてあげなければならない。そう思うと僕までちゃんと教えられるか、僕まで心配になってきた。とにかく気合い入れて頑張っていくしかない。


「桃子、今日はお兄ちゃんが新聞配達の仕事を教えてあげるから、ちゃんとしっかりついてくるんだよ」


「はい。お兄ちゃん」


 今日は桃子も初めてなので、僕と涼子さんと桃子が組むことになり、もう一方は奈々子さんと斎藤さんが組むことになっていた。


 僕と涼子さんで桃子に新聞配達の真髄を教えてあげなければならない。


「桃子ちゃんがんばんなよ」「私達は桃子ちゃんを応援しています」


 奈々子さんと斎藤さんが言った。


「ありがとう。奈々子さんに翔子さん」


 桃子はきっちりと挨拶をして新聞配達の仕事に移ることになった。


 まず最初に桃子にやって貰うことは、いつもの都営住宅の新聞配達地域だ。この紙に書いてある部屋の番号を教えて印が書いてあるところに新聞を配達していくことを教えた。桃子は飲み込みが早くて本当に教え甲斐があった。伊達にいつも光さんの授業を受けていたわけではない。


「桃子ちゃん。飲み込みが早いね。これなら今日は私達が奈々子達に勝てるかも知れないわね」


「涼子さん。今日の勝負はおわづけだよ。何せ僕達は桃子に新聞配達を教えてあげるだけなんだから」


「そうか。今日は勝負は無しか」


 涼子さんはつまらなそうにそう言った。それを聞いた桃子は桃子も繊細な子で傷がついてしまった。


「うちのせいで今日の勝負は無しになっちゃうの?」


「別に桃子ちゃんのせいじゃないよ。今日は桃子ちゃんの新聞配達デビューの日なんだから仕方がないよ」


「ごめんなさい。うちが新聞配達の仕事をしたいと言わんばかりに言った物だから」


「桃子ちゃんそれは仕方がないことだよ。今日は桃子ちゃんの新聞配達のデビューの日なんだから。勝負はこれから桃子ちゃんが出来るようになれば、桃子ちゃんとも勝負が出来る日が来るから」


 そんなこんなで新聞配達の仕事は終わって、どうやら奈々子さんと斎藤さんはまだだった。

「桃子ちゃん。私達勝ったよ」


「勝ったって何がですか?」


「まだ奈々子も翔子も来ていないから、今日は私達の勝ちで奈々子と翔子が私達にジュースをおごることになったんだよ」


「えーそんなの悪いですよ」


「悪く何てないよ。二人に高いジュースをおごって貰えば良いじゃない」


 そして一分くらいが経過して奈々子さんと斎藤さんは帰ってきた。


「何よあなた達、桃子ちゃんに教えたにも関わらずにあたし達に勝ったと言うの?」


「そうよ。だから私とあっ君と桃子ちゃんにジュースをおごってね」


 そこで社長が現れて、「どうだい?長谷川君の妹さんの桃子ちゃんだっけ、しっかりやっていたかね」


「はい。桃子ちゃんは飲み込みが早くてしっかりと新聞配達の仕事をこなしていましたよ」


「さすがは長谷川君の妹の桃子ちゃんだね。明日から一人であの小さなマンションを任せても良いかもしれないね」


 そこで僕が「いきなり一人にさせるんですか?それは無理がありますよ」


 そこで桃子が「お兄ちゃんうちは大丈夫だよ。心配しなくたってうちには出来ると思うから」


「お前は何も分かってないよ。こんな時間に一人であのマンションを一人でやるのは大変なんだよ」


「あっ君、桃子ちゃんの事を信じてあげなよ。これで三つに分かれて私達は勝負をする事になったんだから」


 とりあえず今日のジュースをおごられるのは無しになった。これから桃子も新聞配達の仕事に専念することになると思うと僕は嬉しかった。桃子も成長したんだなと僕は思ったんだ。

 よし明日から桃子も勝負に参加するんだ。気合い入れて頑張るしかないな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] お兄ちゃん思いで、早起きで、料理が上手で、歌も上手い。桃子ちゃんはすごいよね。国宝級の兄妹だと思います。 更新ありがとうございます。
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