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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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本当の青春

 図書館に行く時間になり、僕達は準備してそれぞれの自転車で図書館に向かった。図書館に到着すると、光さんは忙しなく働いていた。そんな光さんに一言言って置いた方が良いと思って、少し迷惑かも知れないけれど、挨拶はして置いた。


「光さん。来たよ。おはよう」


 そう言うと光さんは忙しなくとも僕達ににっこりと挨拶をしてくれた。僕達はバンドコンクールに向けて、とりあえずスタジオを借りることにした。スタジオの中に入ると、涼子さんは早速ドラムを激しく叩いていた。


「やっぱりドラムを叩くにはここで叩いた方が気持ちが良いわね」


 何て言って、先ほどまで泣いていたのにもう涙は乾いた様子の涼子さんだった。早速僕が作った詩を歌にするために、みんなで話し合い、ここはこうした方が良いとか演奏しながら歌作りに専念した。


 そんな曲を作る最中、桃子がやってきた。


「みなさん。桃子も入れてください」


「おお、桃子丁度良いときに来た。今歌詞が出来て、歌にしている最中だったんだ」


 桃子も参加してくれて、僕達は桃子を歌わせて歌作りをした。そして歌が完成した。光さんが言っていたがドラムの下手なバンドは下手なバンドだと言われてしまったっけ、でも僕達のバンドの涼子さんは下手ではなかった。本当に正確に叩いている。涼子さんあれだけドラムの練習をしたんだもんな。


 ドラムを叩いて涼子さんはドラムの参考書を何度も見て勉強もしていた。それは僕達の熱き熱を感じながら勉強していたんだ。僕も奈々子さんも斎藤さんも参考書を見て学んだことがある。


 本当にバンド活動は楽しい。けれども僕達は楽しいだけじゃない試されるんだ。そんな事は分かっている。コンクールに向けて僕達は優勝するつもりで頑張っている。僕達にはもしかしたら才能があるのかも知れない。才能と言うよりも、僕達は熱い魂で演奏している。僕達はライバル同士。共に切磋琢磨してここまでやってきた。


 そして歌が完成すると、お昼になり、光さんが差し入れを持ってきてくれた。


「みんな、調子はどう?差し入れ持ってきてあげたわよ。まあ、差し入れと言っても私の友達がバイトしているパン屋の残り物だけど」


 奈々子さんが「いつもすみません」


 楽しい時間ってすぐに過ぎてしまうのだろう。気がつけば、もうお昼を回っている。食事の前に光さんのキーボードを入れて僕達の曲を完成させなければならない。光さんにキーボードを頼むとすぐに了承してくれた。


 早速この六人で演奏することになった。凄い僕達は凄く心が熱い。これならみんなにエールを与えることが出来るかも知れない。


 僕達がここまで来たのに様々な時間が経った。最初は僕一人だった。そして光さんに出会い、奈々子さんと出会った。そして涼子さんと斎藤さんに出会い、桃子もみんなと打ち解けてここで僕達は一つになった。


 僕達の歌はもう完璧だった。もう僕の中では物足りない部分はなかった。


 熱い演奏をして、僕達は光さんが差し入れしてくれたパンを食べることになった。残り物のパンでも凄くおいしく感じられた。


「さて、パンを食べたら早速レポートをこなしてしまおうよ」


 涼子さんがそう言ってパンを食べたら、少し休んで、レポートをこなすことにした。今日は歴史と英語のレポートだった。レポートの内容は歴史は教科書を見なくても僕達は以前両国高校の勉強をしてきたため、すぐにレポートの問題が分かる感じだった。英語もそうだった。英語は中一のおさらいですぐに出来てしまった。


 レポートは簡単すぎて面白くなかった。でも僕達は美術学校の絵の勉強をするために入ったのだ。僕達の夢は小説家兼絵師になることだった。レポートはすぐに終わってしまって、僕達は早速小説を書くことになった。


 そう言えば最近僕達は小説をネットに上げていなかった。きっと何千人の人が僕達の小説を楽しみにしている人もいるかも知れない。いや絶対にいるはずだ。出す度に感想を送ってくる人もいるくらいだから。


 とにかく僕はツイッターに僕が描いた小説の主人公の絵を表紙に上げた。みんなもツイッターに自分のそれぞれの表紙を上げた。そして小説をネットに載せた。小説自体にも表紙を飾ることが出来る。


 今までバンドやら絵やら学校が始まって小説の投稿する余裕なんてなかったんだな。僕達の夢は小説家兼絵師だ。その為に美術学校に行ったのだ。いや本当は両国高校に行くつもりだったんだけど、安井にはめられて行けなくなったんだよな。


 それはもう仕方がないが美術学校も楽しい。安井に感謝とは行かないが、それで良かったのかも知れない。仮に両国高校に行ってしまったら僕達はバンドも出来なくなっていただろう。本当に僕達は青春している。


 それはともかく僕達は小説を投稿して、明日になったら何人の人が僕達の小説を見てくれるのが楽しみになってきた。僕達の絵は完成度はかなりの物だった。さすがはプロを目指しているんだ。これぐらい当たり前だ。


 小説を書いていると時間の事など忘れてしまい、光さんに「そろそろ新聞配達の時間なんじゃないの?」と言われて僕達は新聞配達所まで自転車で行く。いやあ、本当に楽しい、バンドも組めて、絵も描いて勉強も少々して小説も時間を忘れてしまうほど描いていたのだ。それに僕達は自立している。


 桃子も新聞配達の仕事をしたいと言っていたが、それは社長に相談した方が良いかもしれない。だから僕は妹が新聞配達をしたがっていると言っておけば良いかもしれない。


 さあ、今日も新聞配達の仕事だ。僕達は配達所に向かって、今日は僕と奈々子さんが組んで、もう一方は涼子さんと斎藤さんが組むことになっていた。


「あっ君に奈々子、私は負けないからね」


「あたし達だって負けないんだから」


 涼子さんと奈々子さんが互いに燃えている。


 そうだ。僕達は負けるわけには行かないんだ。負けたらジュースをおごらされるよりも何か酷な感じがしている。


 奈々子さんに言ったら怒られるかも知れないけれど、涼子さんと奈々子さんは仲が良いのかも知れない。とにかくだ。涼子さんと斎藤さんは新聞配達の達人だ。そんな達人に負けるわけには行かない。こっちだって達人なんだ。


「さあ行こう奈々子さん。今日は僕達が勝ちに行こう」


「そうね涼子と翔子には負けていられないんだから」


「僕だって気持ちは同じだよ」


 奈々子さんがにやりと笑う。


 そして新聞配達の仕事を僕達は手っ取り早く的確にこなした。


 新聞配達の仕事が終わって戻ると、まだ涼子さんと斎藤さんは戻っていなかった。


 僕と奈々子さんは勝ちを確信してハイタッチをした。


「アツジ、見事な連係プレイだったね」


「うん、奈々子さんもお疲れ様」


 一、二分が経過して斎藤さんと涼子さんは新聞配達の仕事に戻ってきた。


「あれ、二人とももう帰っていたの?」


 涼子さんが驚いて目を丸くしていた。


「そうよ。涼子、今日は涼子と翔子があたし達にジュースをおごる番なんだからね」


「仕方がないわね」


 涼子さんは悔しそうにしていた。


 しかも奈々子さんは涼子さんに高いエナジードリンクをおごって貰っていた。


 僕は翔子さんに一番安い缶コーヒーをおごって貰うことにした。


 僕は心の中で思う、奈々子さん、涼子さんにおごって貰ったエナジードリンクの代償は高くつくと思うよと。


 仕事は終わって僕は社長に僕の妹が新聞配達の仕事をしたいと言っていたことを話した。すると社長は桃子の面識も知らずに採用してしまい明日からその桃子を連れてきなさいと言っていた。僕達はいつも懸命に頑張っているために、社長には認められているみたいだ。


 さあそろそろ帰って絵の勉強をする時間だ。きっと今日も僕と涼子さんの家に戻ると光さんと桃子が待っているのだろう。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  光さんには素直な奈々子さん。アツジくんや涼子さんにも少しずつ素直になってきたように思うのは、私の思い込みでしょうか……  アツジくんの今の恋人が涼子さんなのは分かった上で、私は奈々子さん…
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