仲間
楽器を買って僕と奈々子さんと涼子さんは安いアンプも買った。ドラムは持ち運べないので郵送という形になってしまった。
僕のベースは中古品だが元は八万もするベースであり、良いところに保管されていたため、いい音が出るみたいだ。奈々子さんのエレキギターは三万円で中古品で元は十万もするギターみたいだ。これもなかなかいい音が出るみたいだ。斎藤さんのエレキギターも中古品で二万したがこれも元は八万もするエレキギターみたいだ。
とにかく早速図書館のスタジオに行き、一時間だけ弾くことにした。
アンプはとりあえず僕と奈々子さんと斎藤さんでそれぞれ買ったのでそれを起用することにした。部屋中いい音が鳴る。図書館の材質の良いアンプとは違うがなかなか良い音が出る。
「どお?三人共、中古品だけどなかなかいい音が出るでしょ。あのお店は保管状態が良いからね、中古を買った方が得なお店なのよ」
「はい。買ったベースを弾いてみると、何かしっくりと来ます」
「奈々子ちゃんと翔子ちゃんはどう?」
「本当に買って良かったです」「私もです」
奈々子さんと斎藤さんは嬉しそうに言う。
でも涼子さん、無理して十万も出して買ったドラムは明日僕と涼子さんの家に来ることになっている。涼子さんは図書館に設置されたドラムを激しく叩いていた。
そして一時間なんてすぐに終わってしまって僕達は新聞配達の仕事に出かけていった。
今日の新聞配達は僕と涼子さんと組むことになり、もう一方は奈々子さんと斎藤さんが組むことになってした。何か涼子さんはドラムを買ったのに、何か不機嫌そうだった。
「ドラムって不便よね。ベースとエレキギターは消音でも出来るけれど、ドラムはね、来ても近所迷惑になるし、とにかく簡単には持ち運べないのよね」
「だったら涼子さん。ドラムがたたけるように近所の人にある時間だけ弾けるように掛け合って見ればどうかな?L'Arc-en-Cielのゆきひろって言う人はドラムを買って近所に迷惑をかけないように近所の人に掛け合ったそうだよ」
「それ良いわね」
「だから涼子さんドラムを弾くとき近所に掛け合ってみると良いよ」
そうだ。近所の人と掛け合うのが一番だと僕は思っている。お喋りもこれぐらいにして僕と組むと負けると言うジンクスをなくしてしまわなければならない。僕達はライバル兼友達同士だ。
それよりも僕達は通信制の絵の学校に行って良かったと思っている。レポートさえ済ませれば後は平日は自由な時間なのだから、それに明日は週末で土曜と日曜は学校に行くことになっている。どんな授業なのかは分からないが、何かワクワクしてきた。
新聞配達の仕事を終えると、丁度、僕と涼子さんともう一方の斎藤さんと奈々子さんは今終わった頃なのか、互いに配達所に先に戻った方が勝ちだ。僕と奈々子さんはその場で競争になってしまった。
『負けないよ奈々子さん』
と心に思いながら、全速力でペダルをこいで奈々子さんとその場で競争して、僕が勝ちを取ってしまった。
「よっしゃー、僕達の勝ちだよ涼子さん」
「もうアツジ女の子相手に少しは手加減しなさいよ」
「手加減はしないよ。だって僕達も負けてはいられないからね」
悔しそうに舌打ちをする奈々子さん。本当に勝って奈々子さんの悔しがる姿を見て、僕は良かったと思えた。
これで奈々子さんと斎藤さんにジュースをおごって貰える事になった。
さて今日は僕と涼子さんが勝って、僕と組むと負けるというジンクスはなくなったようだ。
帰ったら何をしようか考えたところ、今月の分のレポートも終わってしまったし、明日は学校だ。通信制の絵の学校って何をするのか?でも何かワクワクしてくるんだよな。
僕と涼子さんの家に戻ると、光さんと桃子は僕達の帰りを待っていたみたいで、丁度夜ご飯を作っている。
「あっ君達お帰り」
光さんが僕達にお帰りを言ってくれて何か僕は幸せを感じてしまった。そうだよ僕達にはお帰りを言ってくれる最高の友達がいるじゃないか。それに光さんは僕達のライバルでもあるのだから。
光さんはまさに僕に取って聖母のようなまさにマザーテレサのような存在だった。そう言えばマザーテレサの事で勉強したことがあるが、マザーテレサはジャングルの奥地で死んでいった人を見て人間に生まれてきて良かったと思って欲しいと願っていたみたいだ。そうやって無償の愛で親切にしていったら、道が開けていって国連に呼ばれて話をする事になったのだったと言う。
涼子さんに言ったら怒られるかもしれないけれど、実を言うと僕は光さんの事が一番好きだと思っている。でも僕と光さんとでは釣り合わないだろうと思って、今まで奈々子さんや今では涼子さんと付き合っている。
光さんのような女性をほおっておく男性はいないと僕は思っているが実際はどうなのだろう?僕は光さんのことを図書館の女神様だと思っている。
それよりも今日は僕の大好きなハンバーグみたいだ。以前も光さんと桃子が作るハンバーグは絶品だと思っている。
そう言えば桃子は学校は楽しくないと言っていたっけ、みんな勉強の事ばかりで相手を蹴落とすことしか考えていない連中ばっかりだと言っていた。それに桃子は学校では友達はいないと言っていた。
進学校とはそういう所なのか?もしかしたら僕達が入ろうとしていた両国高校もそんな所なのかもしれない。相手を欺いてまで成績を良くしようとしか考えていない奴らばかりなのかもしれない。
でも僕達は違う。僕達は互いに熱を出し合って勉学や絵や小説やバンド活動などをしている。そう言えば桃子食事中に言っていたよ。先生に相手を再生不能にまでして成績を上げろと。それを聞いた僕達はゾッとした。そんなんじゃ、友達なんて作れないよな。そう言えば安井の奴、僕達が受けようとしていた両国高校に行ったと風の噂を聞いたっけ。あいつ自分の事しか考えない最低な奴だと僕達は思っている。
だから僕は桃子に言ったんだ。そんな学校止めて普通の区立の学校に行ったらどうだってって。でも桃子はその進学校に入ってしまったのだから、せめて卒業するまでは、その学校に行くつもりだと言っていた。それに僕の両親は学校を止めるなんて絶対に許さないだろう
。僕と桃子の両親は頭の固いバカな奴らばかりだ。そんな両親を持つぐらいなら、こんな事を涼子さんに言ったら怒られるかもしれないが、公衆便所に産み捨てられた方がましだと思った。
もう止めよう。桃子も光さんも僕達の仲間だ。だからそんな仲間達と一緒に勉強や絵や小説やバンド何てやっていけば良いと思っている。でも桃子の話を聞いて僕達はもしかしたら安井にはめられて良かったのかもしれない。僕は思うのだが勉強が出来たって、社会で役に立つことと言ったらその専門家になるしか意味がないと思っている。
食事も終わり、後片付けをして、時計は午後七時を示していた。寝るまで桃子と光さんと僕達四人で図書館に行ってバンドの練習などをしていた。僕達の情熱がX JAPANの紅を演奏することが出来た。この曲はかなりスピーディーで難しそうだが、ドラムの涼子さん以外はそんなに難しくない曲だ。やっぱりボーカルは桃子でキーボードが光さんだ。それに僕達が作ったオリジナルの曲も演奏した。
明日は初めてのスクーリングだ。何が待ち受けているのか分からないが、僕達は燃えていた。僕達の心は熱くて止まらない、小説家兼絵師アンドバンドでデビューするのも良いかもしれない。とにかくこの熱い気持ちさえあれば、僕達は負けない。




