楽器を買いに行く僕達
朝スイッチが入るように午前三時に起きた。僕が起き上がるとみんなも起き上がった。今日は光さんがいないので僕が朝ご飯を作ることになった。朝ご飯は光さんの真似をしてトーストの縁にマヨネーズをつけて真ん中に生卵を入れて食べることになった。みんなおいしいと絶賛してくれた。
今日は平日で今日もみんなで勉強したり絵を描いたり小説を描いたりバンドの練習も欠かせない。そんな事を思いながら新聞配達所まで向かう。配達所に到着すると、今日は奈々子さんと僕が組み、もう一方は涼子さんと斎藤さんが組むことになっていた。
「奈々子さん。今日はよろしく」
「アツジ、あたしの足を引っ張らないでね」
「何を言っているんだい?僕が奈々子さんの足を引っ張った事なんてないでしょ」
「涼子も翔子も言っていたけれど、アツジと組むと負けるって言うジンクスが発生したそうよ」
そう言われるとそうかもしれない。僕は勝ち負けなど気にせずに、僕はペアになった涼子さんや斎藤さんにお喋りをしながら、やっていたっけ。負けることは僕的にはあまり気にしていないのだが、みんなは悔しいと思っているみたいだ。だから今日は気合いを入れてお喋りをせずに新聞配達の仕事に専念するべきだと僕は思った。
そして新聞配達の仕事を終えて、帰ってくると涼子さんも斎藤さんもまだ帰ってきてはいないみたいだ。
「どうやらアツジ、ジンクスは当たってはいないみたいだね」
この際だ。勝負は勝ったことだし、奈々子さんとお喋りをするのも良いかもしれない。
「奈々子さん。僕は今とっても楽しいんだけれども、奈々子さん的にはどう思っている」
「凄い楽しいよ。まあ、あたしはアツジに会えて良かったと思っているほどにね。でも赤い糸はプッツリ切れてしまったけれど、でも四人で切磋琢磨をしているとあたしは良いと思っている。これは一人じゃ出来ないことだからね」
赤い糸はプッツリ切れてしまったか!確かにそれは残念な事だけれども、この四人で切磋琢磨という言葉に僕は感動してしまった。そうだ。奈々子さんとの赤い糸は切れてしまったけれど、こうしてまた切磋琢磨をして頑張れることが出来るんだ。
そんな事を考えていると、涼子さんと斎藤さんが帰ってきた。
「えっ何?どういう事?あっ君と組んだ奈々子の勝ちなの?」
と涼子さんは目を丸くして悔しそうにしていた。
そうだ。悔しがれ、そしてお互いにこれからも良いライバル関係で切磋琢磨して行こうじゃないか。それが僕の最高の恋人だよ。それに最高の友達もいる。
新聞配達も終えて、今日の課題である。絵を仕上げた。
ちなみに絵の課題は自分の大切な物をデッサンしろと言う内容だった。大切な物と書かれていてすぐさま僕は僕のライバル同士である三人の似顔絵が頭の中に思い浮かんだ。だから僕は(僕の大切な仲間)と言う題にして奈々子さんと涼子さんと斎藤さんの似顔絵を描いた。
そこで涼子さんが「あっ君は大切な物って何を描いたの?」
三人を描いたなんてちょっと小っ恥ずかしくて見せられなくて「秘密だよ」と言うと涼子さんは「見せてよ」と言われて、レポートである台紙を取られてしまった。
「これって私達じゃない」
そう言うと奈々子さんも斎藤さんも僕の絵を見て感心しているようだ。
「アツジ最高じゃん」「私もあっ君さんの絵に共感を得ます」
そう言って奈々子さんと斎藤さんは僕の真似をして、それぞれ僕達を描いた。ちなみに涼子さんも同じ絵を描いた。
みんな描き終わると、みんなの絵も見せて貰った。やっぱり描く人に違ってみんな個性が感じられる。
そして今月のレポートは完成してしまった。後はこれを学校側に郵送で送るだけだ。
時計は午前十時を示している。僕達はバンドをするために図書館に向かった。図書館に到着すると光さんが忙しなく図書館の作業をしていた。そんな作業の邪魔にならないように僕達はスタジオに行った。スタジオを借りるにはお金が必要だった。一時間四百円だ。僕達は二時間使うので八百円で四人で割り勘にした。
それに僕達はいつも楽器を借りている。僕達も楽器を買った方が良いような気がしてきた。でも音が近所迷惑になるかもしれない。でも自分たちの楽器を持った方がもっと上達するんじゃないかと思う。
その事を三人に言うと、それは良い考えだと言われて僕達は楽器を演奏して、とりあえず練習はして置いた。エレキギターとかベースとかドラムはいくらぐらいするのだろうか気になった。
光さんにその事を相談しようと思ったところ、光さんは今図書館の司書のバイトで忙しい、だから僕達はスマホで新しい楽器を買うために検索してみた。ベースやギターなどは安く手に入るけれど、涼子さんの担当のドラムはツーバスだと二十万円はしてしまうらしい。でも部屋に置いてしまって音を鳴らしてしまったら近所迷惑になってしまう。
そんな時、先ほどまで忙しなく作業をしていた光さんがやってきた。
「ヤッホーみんな今日もバンドの練習?」
「光さん。僕達楽器が欲しいんですけれど、ここまで上達してそれぞれの楽器を持ちたいです」
と僕がみんなを代表して光さんに言った。
「まあ、ベースとエレキギターはピンキリだけれども、ドラムは高いし、部屋で鳴らしたら近所迷惑になるわよ」
ベースとエレキギターは何とかなるけれど、問題はドラムだよな。何とかならないのかと思うと、光さんが「今から秋葉原まで楽器を見に行かない?」と言われて僕達はワクワクしてきたんだ。
今からバスで光さんと共に秋葉原の楽器屋に向かった。光さんに司書のバイトは大丈夫かと聞いてみたが、今日の所は終わったみたいだ。僕達は楽器屋に行くことにワクワクしている。そんなことを話しながら、バスの中で五人で話し合った。
そして秋葉原に到着して様々なベースやエレキギターエレアコなどが並んでいて、僕達はテンションが上がっていた。それにドラムは高く涼子さんはそれを見て、店員さんに試しに弾いてみると聞かれて。涼子さんはドラムを弾いていた。凄いドラムさばきであり、店員さんも驚いていた。でも店員さんは早く叩くことはたやすいことだが、早く弾くところからゆっくりと弾くことを要求されるとなかなかそうは行かなかった。
ドラムは早く弾きすぎることになれてしまうとゆっくりと弾くことが困難になってしまうらしい。僕のベースと奈々子さんと斎藤さんのエレキギターを買うことは店員さんに勧められて、買うことが出来たが問題は涼子さんのドラムだよな。
ドラムはツーバスだと安くて十万で高すぎるし仮に買ったとしても、僕と涼子さんの部屋で弾くと近所迷惑になってしまう。
光さんは涼子さんのドラムさばきを見て、それだけ弾ければスタジオのドラムセットがあるから普段は座布団や枕などを叩いていれば良いんじゃないかと言われたが、涼子さんも自分の楽器が欲しいと思っている。でも安くても十万はしてしまうんだもんな。しかも僕と涼子さんの家で練習したら近所迷惑になってしまう。
すると涼子さんは思いきってツーバスの十万の中古品だが、ドラムを買う決心をつけた。
「涼子さん。本当に買うの?」
「当たり前でしょ、みんなも楽器を持ったのに私だけ持っていないなんて、何か嫌だからね」
と言うことで僕達は楽器を買って、ドラムは僕と涼子さんの家に郵送という形になり、とりあえず僕達はそれぞれ自分たちの楽器を手にすることが出来た。




