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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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熱き魂を取り戻せ

 両国高校に行けなかったのは安井達の陰謀で行けなくなってしまった。だから仕方がないが僕達は泣き寝入りをするしかなかった。でもまだ終わったわけではない。僕達は通信制の高校に行くことに決定した。篠原先生に僕達の事を聞かれて、「どうして両国高校を受けなかったんだ?」と言われて僕達は事情を説明した。すると篠原先生も安井に対して憤りを感じていたが、もはや篠原先生に話しても仕方がなかった。


 独りぼっちになったと思われた安井だが、まだ安井に加担する奴は何人かいたようだ。それで僕達は安井にはめられてしまった。通信制の高校に僕達は行くつもりだ。それに僕も三人も僕と同じ絵の学校に行くようだ。


 それが決まって良かったのかもしれないが、今僕達は両国高校に受けることすら出来ず、何もやる気が起きなかった。そうだよなあんなに頑張ったのに安井の奴に邪魔をされて両国高校に行くことは出来なかったんだよな。勉強も小説も絵も何もする気も起きなかった。僕達はどうすれば良いのか今の僕達には分からない。


 三人も目を見てみるとその目は死んでいるかのような感じだった。僕も鏡で自分の姿を写して見てみると、瞳に輝きがともっていなかった。これもすべて安井のせいだ。だから僕達は安井を許すわけにはいかない。


 そこで僕が「これから安井にヤキを入れに行かない?」


 涼子さんが「そんな事をしたって何も変わらないわよ。それに安井なら、私達にこんな事をした報いは受けるはずだわ」


 涼子さんの言うとおりだ。きっと安井は僕達にこんな事をしたのだから、その報いは受けるはずだ。僕達が手を下さなくても神様が僕達の代わりに安井にヤキを入れてくれるだろう。昔から言うじゃないか、良い行いをすれば、良いことがあると、でも悪いことをしたら悪い報いを受けると。


 奈々子さんが「そろそろ、新聞配達の仕事に行く時間だけど」


 そうだ。そろそろ僕達は新聞配達の仕事に行く時間になってしまった。行きたくないが僕達が新聞配達の仕事に出かけなければ、社長も同僚達もみんな困るだろう。僕達は渋々支度を始めてそれぞれの自転車で新聞配達所まで出かけていった。


 配達所に到着すると、同僚達に試験はどうだったと聞かれて僕は胸に痛みを感じた。それで三人も同じ気持ちなのか?三人もだまりこけていた。同僚達は僕達が落ちたんだと思って気を遣わせてしまったのだが、落ちたのではなく安井達の陰謀によって、僕達は受けることすら出来なかったのだ。


 そして新聞配達の仕事が始まって今日は僕と涼子さんが組み、もう一方は斎藤さんと奈々子さんが組むことになっていた。本当にやる気が出ない。涼子さんも同じ気持ちだった。きっと奈々子さんも斎藤さんも同じ気持ちなのかもしれない。


 配達中に僕と涼子さんは語り合った。


「ねえ、あっ君、今回の件だけれども、もしかしたら私のせいなのかもしれないわね」


「どうして涼子さんのせいなの?」


「だって安井は私に振られた腹いせで私達に受験を受けさせなくなってしまった。これってもう私のせいなのかもしれないわね」


「そんな事はないよ。確かに腹いせなのかもしれないけれど、涼子さんのせいじゃないよ」


「いや、私のせいだよ。私が安井の想いに応えていれば、こんな事にはならなかった」


 そこで僕はカチンと来た「何で涼子さんがあんな奴と付き合わなければいけないの?それは僕が許さない。涼子さんは悪くない。悪いのは僕達に妬み心を抱いていた安井のせいだ」


「ちょっとそんなムキにならなくても良いじゃない。冗談だよあっ君」


「冗談でも言って良い冗談と悪い冗談があるよ」


 僕達に今必要なのは休息だと思う。安井達にあんな事をされて僕達は行く高校をなくし、仕方なく通信制の絵の学校に僕達は行くことになってしまった。奈々子さんはともかく涼子さんも斎藤さんも絵は興味あるのかと聞いてみたがあると言っていた。それに小説の挿絵を自分たちで描きたいとも言っていた。


 新聞配達の仕事は僕達はやる気がなかったが一通り何とかやって置いて、社長や同僚に今日はいつもと違うなと言うような目で言われてしまった。


 いつものジュースをかけた勝負にも熱が入らずに今日は僕と涼子さんのペアが勝った。でもジュースは貰わなかった。


 僕と涼子さんの家に戻ると、光さんと桃子が晩ご飯の準備をして待っていた。

 光さんも桃子も僕達のことを気を使っている。それに対して僕達は笑顔を取り繕うつもりでいたがもはやそんな事も演じきれなかった。

 本当に悔しさでいっぱいだった。僕達は何のために勉強をしてきたのか?せっかく両国高校に受かって僕の夢である小説家兼絵師の夢は遠のいてしまった。でも僕は絵の通信制の高校に入ってそこで絵を学ぶつもりだった。だからこれで良かったのかもしれないが、両国高校に行けなかった悔しさはまだ当分の間は続くかもしれない。


 今日の夕ご飯はチキンタツタであった。タルタルソースもついていて、おいしかった。なぜだろうかおいしい物を食べると少しだけ元気が出た。そうだ。もう一度僕達の熱を呼び覚ますんだ。何でも言い小説でも勉強でも絵でも、またみんなの熱を上げるために僕は立ち上がった。


「みんな、もう一度頑張ろうよ。何でも良い何でも良いから頑張ろうよ」


 すると光さんが「その意気よあっ君」


 するとみんなは立ち上がり、僕達がそれぞれ書いた小説をネットに掲載した。そうだみんなでまた熱を出し合って小説を頑張ろう。僕達は本物になるために小説家の夢を叶えるんだ。光さんが言っていたじゃないか、青春は本物になるための戦いだって。僕達は本物になるために頑張るしかないんだ。


 両国高校に行けなかったからっていじけている場合じゃないよ。僕達は無限の可能性がある。世間にそんな事を言うと笑われてしまうかもしれないが僕は頑張るだからみんなに僕はその胸に宿る熱を呼び覚ますように呼びかけた。するとみんなの目がみるみる何かを失った目が蘇るように光り輝いてきた。


 僕達はみんなの蘇った熱を感じながら、勉強に取りかかった。もしかしたら僕達四人は運命共同体なのかもしれない。何でも良いから頑張ってくれ、この心の熱を取り戻すんだ。僕達は負けはしない。負けるわけにはいかないんだ。


 僕達は燃えた。たとえ両国高校に行けなくても勉強や小説に絵にそれぞれの夢に向かって小説を書き始めた。涼子さんの言うとおり安井にヤキを入れたって仕方がない。でも僕達は安井にはめられたからと言って僕達は負けるわけにはいかないんだ。


 そうだ。夢の途中で道に迷い明日を失う事がある。でもこの心に熱き熱を冷ますことは誰にも出来ない。誰にもさせない。僕達は負けない。


 思えば僕達の人生は波乱に満ちている。公衆便所で捨てられた涼子さん。両親を亡くした奈々子さんに斎藤さん、それに僕はいじめられて不登校になり一人暮らしをした。それで最初は僕は一人であったが光さんと出会い、奈々子さんと出会い、そして涼子さんや斎藤さんにも出会う事が出来た。


 僕達は負けない。今度安井が僕達に何かをしてきたときには奴をヤキどころではなく、死にたいぐらいにその胸に一生消えない傷をつけてやるつもりでいる。いや安井は僕達にあんな事をしたのだ。僕達の報いを受けるだろう。


 僕達は冷たい風に吹かれて飛べない鳥じゃない。その大きな翼を広げて戦い続けてやる。さあ、青春は本物になるための戦いだ、僕達は負ける訳にはいかない。明日に続くように僕達四人の熱を感じながらそれぞれの夢に向かって僕達は頑張ってやる。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「愛する者よ、自ら復讐するな、ただ神の怒りに任せまつれ。主いい給う。復讐するは我にあり、我これを報いん」  辛かったけど負けない気持ちがあれば大丈夫でしょう。  だけど、涼子さんが言ってい…
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