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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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無償の愛程、勝るものはない

 年を越して一月になり本格的に受験まで残り少ない。そんな中僕達は勉強を二時間に小説を一時間にしてそれは相変わらずか。こうして問題を解いていくと受験勉強は将来使うような方程式や英語なんかないと思うが、そうは言っていられずに面白い。みんなと勉強していると本当に楽しい。


 今僕達は図書館で勉強をしている。図書館で勉強していると、他の人達も受験勉強をしているのか、僕達ぐらいの人達が勉強をしている姿がほとんどだ。そんな人達の熱にあやかり僕達も熱を出し合って勉強を進めている。


 本当に凄い勉強をしている。なんせ僕達は進学校の両国高校に行くのだから。過信している訳ではないが僕は両国高校に受かる自信はある。受験まで後一ヶ月、それまでに僕は特待生で両国高校に入学してやると思っている。


「凄いあっ君、両国高校の過去問を百点を取ってしまったよ」


 光さんが言う。ふふんと僕は調子に乗ってしまう。でもそれが命取りになってしまうのが世の常だ。だから油断してはいけない。今川義元は何万の軍勢を持っていたにも関わらず、何千の軍勢でもやはいつ滅んでもおかしくない織田信長に油断して負けてしまったのだ。


 両国高校が今川義元とたとえて僕は少ない人数の織田信長で挑んでいくイメージだ。このまま軍勢を例えるなら今している勉強である。勉強をすればするほど、その軍勢は増えていき、やがて両国高校を今川義元と例える者をやっつける事が出来るだろう。


 気がつけばそろそろお昼の時間だ。お昼は光さんが僕達の為に作ってくれたサンドイッチだった。光さんは僕達四人の為に作ってくれたみたいだ。でもいつも光さんには貰ってばかりで悪い気がした。僕は何かの本で読んだことがある。無償の愛ほど勝る物はないと。


 その無償の愛を光さんに僕は届けたい。どんな形になるのか分からないが光さんを無償の愛で喜ばせたい。いつの日にかきっと。いつも光さんと目が合うと光さんは眩しい程の笑顔で僕に接してくれる、僕はそんな光さんの笑顔を見ていると、いつも照れてばかりで苦笑いをしてしまう。


 僕達は光さんに対して、ありがとうと言って、光さんはにっこり笑って、じゃあ、続きをやりましょう。と言うことでまた勉強をした。もう勉強なんて簡単すぎてつまらないが、三人の熱にあやかると出来るようになってくる。勉強も飽きてきた頃だし、僕は小説の勉強をし始めた。


 それは漫画を読むことであった。図書館で漫画を読んでいると他の受験生達に何をしているんだあいつみたいな目で見られている感じがして僕は仕方なく、漫画を読むことを止めて小説を書き始めた。小説はいつも三千文字を書いたら、ネット小説に投稿する。それが僕、いや僕達の流儀であった。


 ここで早速、小説のアクセス回数をみんなでそれぞれ見てみると、僕は三千で涼子さんが三千で奈々子さんも三千で、斎藤さんは五千であった、ちなみに光さんは相変わらずに凄く一万を超していた。


 やはり僕達は光さんに敵うことは出来ない。本当に光さんは小説家になってしまいそうで僕も負けていられないと思って、小説を書く前に僕は漫画を読み始めた。先ほどは受験生なのに何をやっているんだというような目で見られてしまったが僕はもう気にならない。目指すは光さんのアクセス回数僕は、鳥山明先生のドラゴンボールを見ている。


 もう他に勉強している人達の目を気にしている場合じゃないって、それは僕が勝手に思っているだけだった。図書館で勉強している人は周りを気にせずにやっている。でもその熱を浴びていると受験生なのにこんな漫画を読んでいて良いのだろうかと思い始めてしまうのは僕だけかもしれない。


 でも涼子さんも奈々子さんも斎藤さんも勉強を中断して漫画を読み始めている。そうだ。今日の課題は終わったのだ。だから僕達は漫画を見ても何も気にしなくても良いだろう。


 本当にこの漫画を見ていると、本当に面白く描かれていて僕の小説の構想が浮かび上がってくる。どんな場面をこの鳥山明先生のドラゴンボールに組み込むか僕は考えさせられる。面白い物を描いて面白い物を描く、これほど楽しいことはない。


 僕達四人は勉強と小説と小説の勉強を同時にしている。漫画を読むときも熱を感じられる。漫画を読むことは、小説の勉強にもなり、楽しく熱を感じられる。小説の勉強もこれぐらいにしてそろそろ新聞配達の仕事に出かけることにした。


 新聞配達はいつも通り、僕と三人の誰かと組むことになる。今日は涼子さんと組むことになった。新聞配達をしているときに僕は恋人の涼子さんに語り合った。


「あっ君、本当に両国高校に行くことにしたんだ」


「うん。そのつもり、もっとこれからも涼子さんと奈々子さんと斎藤さんと熱を出し合って勉強をしたいからね。おかしいかな?」


「おかしくないよ。私もあっ君の側にいられるだけで私は私でいられるからね。もしあっ君が違う高校に行ってしまったら離ればなれになって、あっ君とお別れする事になるかもしれないからねえ。そうなったらあっ君と付き合えなくなってしまうかもしれないからね」


「そんな事はない!僕はいつも涼子さんの事を見ているから、仮に僕が違う高校に行っても僕は涼子さんの側にいつもいるよ」


「そんな事を言って、私よりも魅力的な人と出会って、あっ君、その人と付き合うことになるんじゃないかしら」


「二度も同じ事を言わないでよ。僕は涼子さんの事をいつも見ているよ」


「あっ君は一途だね。でも私はあっ君のそういう所が好きなんだよね。奈々子には悪いことをしたかもしれないけれど、あっ君を奈々子から奪って良かったのかもしれない」


 そう言えば僕は奈々子さんから涼子さんと付き合うことにしたんだっけ。奈々子さんは今、僕達が勉強する以外は、光さんの家で暮らしていると言っている。もし僕が涼子さんをなくしたら深い悲しみに陥ってしまうだろう。もしかしたら奈々子さんも僕を失ったことで深い悲しみに陥っていただろう。そう思うと僕は奈々子さんに悪いことをしたと反省させられてしまう。


 でも僕は奈々子さんの悲しみに触れたことはあるが、僕には涼子さんの悲しみに触れた事がなかった。いつかこのまま涼子さんと付き合っていれば涼子さんの悲しみに直面することがあるだろう。


 涼子さんは公衆便所で産み落とされていたところを助けられて施設に送られてしまったと聞いている。そう言えば涼子さんはその事に対して悲しい様子を見せたことはなかった。そう言えば涼子さんは以前僕に言っていた。家族がいる僕が羨ましいと。


 それで僕達が新聞配達の仕事を終えると、奈々子さんと斎藤さんはすでに戻っていて、奈々子さんにあなた達もしかしてイチャイチャと仕事をしていたんじゃないかと誤解されてしまった。


 すると涼子さんは「何?イチャイチャと仕事をしちゃ行けないの?」


「あなた達仕事中でしょ。不謹慎でふけつよ」


「相変わらず妙な妄想癖をするのは変わらないね」


「何よ。このデカ乳でチビ女が」


「デカ乳でチビ女は言い過ぎじゃないの!?」


 と二人はもめ合ってしまっている。


 そこで僕が止めに入った。


「もう二人ともいい加減にしてよ」


 僕が言うと涼子さんは「最初にやってきたのは奈々子の方なんだけれども」


「どっちにしろ喧嘩は良くないよ。とにかく二人とも冷静になって」


 そう言うと二人は大人しくなってくれた。


 いつも奈々子さんと涼子さんの喧嘩を止めるのは苦労する。

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― 新着の感想 ―
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