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恋人はライバル関係  作者: 柴田盟
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息抜きに街を満喫

 プラネタリウムを堪能して、僕達はプラネタリウムを満喫した。本当に凄い星々を観測することが出来て僕は嬉しかった。


「この後どうする?」


 西宮さんが言って、僕達はこれからまた勉強を始めようと思ったが、西宮さんは新聞配達の時間まで遊んでいようと言う事になった。僕達は西宮さんの言うとおりたまには息抜きとして遊ぶ事にした。


 渋谷は凄い町でそれにおしゃれな人達がたくさんいた。何か自分たちがみそぼらしくて早く帰りたいと思ったが、西宮さんはそうは思わずに、渋谷のゲームセンターに行った。そこにはクレーンゲームがあってこのキティのぬいぐるみ奈々子さんは瞳を輝かせて凄く欲しがっていた。


「ねえ、アツジ、このぬいぐるみあたし欲しいから、お金を両替してくるね」


「待ってよ奈々子さん。それなら僕が取って上げるよ」


「本当に!?」


「本当さ」


 そう言えば僕はクレーンゲームをやったことが無い。西宮さんにやり方を聞いてみると、とりあえずやり方を実践して教えて貰った。奈々子さんが欲しがっているキティのぬいぐるみを目がけてレバーでクレーンを操作するらしい。それで西宮さんはすぐにキティのぬいぐるみをゲットした。


「ほら、簡単でしょ」


 それを譲って貰おうと思ったがクレーンゲームはなかなか簡単そうなので、僕でもとれると思ってお金を両替して、僕は奈々子さんにプレゼントしようとしてクレーンゲームに臨んだ。


 その間、西宮さんと斎藤さんは他のゲームに夢中になっていた。その時、僕は奈々子さんにプレゼントするためにキティのぬいぐるみを取ろうと必死になっていた。西宮さんは一発でとれたのに僕はキティのぬいぐるみを取るのに凄いお金を使ってしまった。奈々子さんはそんなに無理して取らなくても良いと言われたが、僕はどうしても奈々子さんにこの巨大なキティのぬいぐるみをプレゼントしたかった。


 そして三千円のお金を使ってようやくとれた。僕は三千円もお金を使って凄くショッキングだが奈々子さんは僕がプレゼントしたぬいぐるみを複雑そうな顔で受け取ってくれた。


 でも奈々子さんは大いに喜んでくれた事に僕は三千円を費やして取ったかいが合ったのかもしれない。西宮さんと斎藤さんは大量のぬいぐるみをゲットしていた。


「何よあなた達クレーンゲームが得意なの!?」


「そうよ。私と翔子にかかればこんな物よ」


 何か負けた感じがして悔しいな。


「そうだ。渋谷においしいクレープ屋さんがあって、そこでクレープを食べましょうよ」


 そうは言ってもクレーンゲームでお金をかなり使ってしまった物だから。僕達が遠慮しようと思ったが、西宮さんは珍しくおごってくれると言っていたので、お言葉に甘えることにした。でも西宮さんが僕達におごってくれるなんてどういう風の吹き回しなのか?まあとりあえずおごってもらうことにした。


 そのクレープ屋は行列が出来ており、十五分は待たないと僕達の番まで回ってこない。とりあえず諦めようとしたが、西宮さんがおごってくれると言ったものだから、待つことにした。


 そして待つこと十五分、僕達の番が回ってきて、僕はイチゴサンデーで奈々子さんはバナナサンデーを西宮さんにおごってもらうことにした。いや僕は西宮さんにおごって貰って奈々子さんは斎藤さんにおごって貰うことになったわけだ。


 西宮さんと斎藤さんはキウイサンデーを頼んでいた。クレープを一口食べると、クリームの甘さが口いっぱいに広がって最高においしい物だと思った。


「これおいしいよ、西宮さん。ちなみに僕クレープなんて食べたことが無いんだよね」


 すると西宮さんは大量にもっていたぬいぐるみを僕に差し出してとりあえず持っていてと言うことだった。


 まだ時間までちょっとあるから渋谷の町を堪能しようと言うことで、僕達は荷物持ちにされてしまい、今度はカラオケに行くことになった。カラオケに行って僕達は荷物係となってしまった。カラオケは一時間歌うことになって、それぞれおよそ二曲ずつ歌う事になった。


 カラオケは大いに楽しんで僕達はそろそろ帰る時間になってしまった。


「あー楽しかった!渋谷の町は最高だね!」


 クレープおごってくれた代償は僕達が西宮さんの荷物係と渋谷を満喫するための事だった。そして僕達は帰って新聞配達所に向かった。今日はクレープをおごって貰った代償に西宮さん達に振り回されっぱなしだ。二度と二人にはそう言った物はおごらせないと思った。でも今日は本当に楽しかった。西宮さん達が案内してくれたプラネタリウムは良い思い出になりそうだ。


 さて気を取り直して新聞配達も勉強も小説も絵も頑張るぞ。


 新聞配達の仕事が終わり、僕達は四人で僕と奈々子さんの家に向かった。そして三人の熱にあやかりながら僕は勉強と小説と絵をやった。


 そして時間はあっという間に過ぎてしまい、光さんと桃子がやってきた。


「うわー何このお人形の数々」


 桃子は西宮さんが大量に取った人形に目が行っている。


「桃子ちゃん欲しいならどれでも一つあげるよ」


 西宮さんはそう言って桃子は喜んでいた。西宮さんにこれ以上借りを作りたくないと思ったが、桃子が喜んでいるからまあ別に良いかと思った。西宮さんは光さんにもぬいぐるみを一つ提供することにしている。すると光さんも大喜びでお人形を一つ手にした。僕はお礼を言ったが、西宮さんは別にお礼を言われるほどの事じゃ無いよ。それにいつも光さんと桃子には世話になっているからこれぐらい当然だと思っていた。


 今日は何とすき焼きだった。光さんは友達からお肉を貰って僕達とすき焼きパーティーを開きたいと言うことで今日は光さんと桃子も食卓を囲んで食べることになった。


「良いんですか、光さん。こんなご馳走を作って貰っちゃって」


 すき焼きパーティも盛り上がってしまい今日は勉強どころじゃ無くなってしまいそうだが、もう図書館は開いていない。そういう事で今日は光さんと桃子も僕と奈々子さんの部屋で勉強することになった。


 光さんも桃子も勉強となると凄い集中力で勉強している。それに西宮さんも斎藤さんも奈々子さんも相変わらずに熱心に勉強している。みんな凄い集中力だ。僕も負けてはいられない。この部屋は食卓で六人で勉強を囲むには丁度収まりきっていた。だったらこんなにも熱を上げる光さんと桃子も僕達と一緒に勉強をした方が良いような気がした。


 そして時間になり、光さんと桃子はそれぞれの家に帰ってしまった。とりあえず光さんにいつもすいませんと言って、すき焼きごちそうさまでしたと言うと、別に大した事じゃ無いわ。何て言っていたけれど、嬉しそうだった。


 そう言ってくれる人がいると僕は一人じゃ無いと確信して、とても僕は嬉しかった。僕はこんな友達や恋人に理解者に囲まれて幸せを感じていた。これが本当の親友なんじゃ無いかと思い始めた。


 そう言えば中学一年の時、丁度一年前、僕のことを気安く友達だなんて言っていた人がいたがすぐに裏切られ、安井の仲間入りになり、安井と共にいじめられた事があった。でも今こうして僕を囲んでくれる友達は本当の友達だと思っている。いつもライバルだけれども、こうして互いに熱を感じ合い、魂を削り合わせられる友達ってそうはいないと思っている。


 今日はプラネタリウムに行ってゲームセンターに行って、カラオケにも行ってそしていつもの新聞配達に行き、魂を削り合って勉学に勤しんで楽しい一日だった。

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