【♯52】いよッ、待ってました！ 新シーズン開幕！！

　――語り部兼戦場レポーターのＭｒ．Ｅ(ミスター・イー)が、今日もＡ.Ｉ.Ｍ.Ｓの戦況を報告しましょう！！

　皆様、大変長らくお待たせしました。新シーズン『ヘビーメタル』が本日よりスタート致します！！

　楽しみですね〜！ シーズン開始前のメンテナンス・大型アップデートも無事に終わり、いよいよゲーム戦士達は新たな戦場へ赴くことになります。

　そして、我らが地底空間の救世主・エレメント◇トリガーズの面々も、この時を首を長くして待っていた事でしょう。新シーズン到来に合わせて、ライブ配信の準備も万端。

　キッドは勿論主催、ハリアーとアリスは事前に射撃訓練を行って武器のエイムを馴染ませ、ツッチーは例のトリガー・ツール最新作のストックも万端。

　地底・地上のゲーム戦士達が、願いを授けるという太陽の欠片『シャインピース』集めに本格的に動く為に、研いだ爪を向けるときが来た！！

　〘◇Now Lording◇〙

「……ほんじゃ、親愛なるトリガーズの諸君。そしてちわっす〜したばっかの視聴者の皆様、準備は出来てますか〜！？」

「あいよー」

「あたしもオッケー☆」

「ワテもじゅーぶんやで〜」

　Ａ.Ｉ.Ｍ.Ｓの未知の戦場に、今まさに向かおうとするトリガーズ四人。

『あたし達も応援の準備バッチシ〜！』

『なんなりとエールをお申し付け下さい！』

　ルームロビーにて待機しつつ、トリガーズの応援に徹するはご存知チアガールの響波姉妹。そして更に外部からは……

　〘がんばえ〜！〙〘初見です。トリガーズの人気は地上でも有名です！ 頑張ってください！！ ￥2,000〙〘地底の救世主、新シーズンに出陣！！〙〘負けるなー〙〘wktk〙〘遅ばせながら、ちわっす〜！ 頑張れーー！！〙

　動画サイトからチャットで繋がる視聴者の皆さん。今回は新シーズンという事もあって、初見者がチラホラアピールする者も多く、配信開始からあっという間に２万人もの人がトリガーズに期待を寄せていた。

「キッド、今日は視聴者増し増しだからさ、魅せプ実況者に恥じないプレイを頼むぜ」

「んな視聴者の皆さんをラーメンみたいに言うんじゃない！ ……でもマジでハリアー達の援助頼むわ。新シーズンはマジでゲームシステム変わってるから」

「何よ、キッドとあろう御方が随分ヘッピリ腰じゃない！」

「まぁまぁ、いざとなりゃトリガー・ツールも用意しとるから。大船に乗ったつもりで行きぃや！」

　等とトリガーズは視聴者の前でも和気あいあい。彼らと同じくしてVtuberやら、地上の有名実況者も同じくＡ.Ｉ.Ｍ.Ｓの新シーズンの配信をやっていく中。

　２万人もこのチャンネルを視聴してくれているのは、このトリガーズの雰囲気が理不尽な世を中和させる魔法があるから……なのかもしれない。　

「何を語り部も気取ってんだか」

「まぁまぁ……前置きはそれくらいにして、そろそろ始めますか！」

　アイテムに装備にスキルスロット、各々がセレクトした最高のステータスを武器に、いよいよリークでも公式でも明かされなかった新エリアへと誘うことになるトリガーズ四人。しかし、どうやって行くんでしょう？

「ランクマッチは『フォーリングスター』って空母に乗って、100人揃ってスカイダイビングに洒落込んでたけど、ヘビーメタルじゃ新たに『スクランブル』って扉が追加されてら」

「何処に繋がってんだ？」

　ロビーにはプレイヤーの眼前に無数の扉がある。ランク・カジュアルマッチへの扉に休憩所、更には響波姉妹がチアをするチャットルームと多数あるのだが、今回は左右開閉式のギザギザな分け目が特徴の鋼鉄の扉が追加された。

　それがＡ.Ｉ.Ｍ.Ｓの新モード『スクランブル』への扉だ。

「先ず四人全員の準備完了のシグナルを押して……」

　各々がコマンドで出動準備OKのサインを押す。暫くしてサーバーが起動し、マッチへの処理や投入ユーザーの確認など調整する。すると突如として流れ出るアナウンス音……！

　◇――――――――――――――――――――◇

　新エリア【フルムーン・メガロポリス】

　出動要請承認！ 突入せよ！！

　◇――――――――――――――――――――◇

　アナウンスと案内ログと共にギザギザ鋼鉄扉が開き、眩き光が迸ると共に、ゲーム戦士達を好奇の心を持って新エリアへと導く！！

「――――よっしゃッ、行くぞォォォォオオ！！！」

　飛び立て、四大精霊の魂を宿したゲーム戦士・エレメント◇トリガーズ！！ 最強の銃士を証明する為に！！！

　〘◇To be continued...◇〙