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【♯38】実況者の炎上? 心の青バケツ用意しないから……少し頭冷やしなさい!

 ――どうも、コチラ語り部兼A.I.M.SナビゲーターのMr.Fで御座います!


 貴方の読んでる時代のゲーム実況・配信動画も中々面白いですね〜。


 実況するゲームも然ることながら、そこから更に縛りプレイやら実況者同士のコラボやら、その発想力が更にゲームをエンターテイメントに仕上げていく。

 素人な企画に思われがちでも、ネットを通じた視聴者と実況者との距離感があってこそ、成し得る人気もあるのかもしれません。


 もしかしたらこの先未来では、もっと面白いゲーム実況企画が生まれてくることでしょう。多少煽ってみました。


 そしてこの20☓☓年、未来が舞台のこの小説のゲーム実況も然り。


 A.I.M.Sのみならず、VRやオンラインゲーム問わず数多くのゲームを通じたゲーム配信・実況文化が富んだこの時代。


 急発展したゲーム文化の流れに沿って、Vtuberら二次元系の実況者やら、VR技術の発達からメタバース視点のゲーム配信にするやら、未来予想図の思い浮かぶ通りの文化革命。遊びは日々是進化を遂げていた。


 ……しかし、現在も未来も変わらず、実況者にとってはネックな部分は変わらなかった。


「あ~あ、アイツ正体バラされてされちゃってやんの」

「またストーカーファンからの実況者顔バレか?」


 A.I.M.S実況お休み中、いつものキッド宅にて黄昏ながらネット記事をしかめっ面で読んでいるキッドとそれを横目で覗き見るハリアー。

 その記事とは、とあるゲーム実況者の正体、つまり顔がバレた事による炎上を書き纏めたもののようだ。


 そもそもキッドのようなゲーム実況者は、世間の評判や常識に対して非常にデリケートに扱わなければいけない存在。

 ましてやライブ実況のように、リアルタイムで万単位の人々に観られ、スーパーチャットによるお金も供給されるからには視聴者の権利も尊重しつつ、かつ楽しませることが使命でもある。


 しかしゲームというのは、人の感情を大きく揺さぶらせる魔力を持つ。

 フラストレーションの蓄積による暴言を吐いただけでも、視聴者やコンプライアンス狩りによって晒し首。そのまま実況者としてのキャリアも絶たれる事もおかしくありません。


「で、キッドは実況やり始めてから何年だ?」

「丁度3年だな。プレデターに人生喰われてから直ぐに始めてた」

「何か炎上した事は?」

「一度も無いね。視聴者にはマナー喚起もしてるし、ミスって暴言吐くなんて皆無。イライラは全部ゲームで結果出してスッキリさせてる」


 意外にも、A.I.M.S実況者であるキッドは炎上経験ゼロ。地上から蔑まれている地底空間出身と自らカミングアウトしたにも関わらず、今なお地上・地底問わず人気を取っているのは、両者を魅せていく神プレイと、プロゲーマーに相応しい礼儀を弁えているから。


 故に毎度チャットに参加する視聴者達の民度が高いのは、彼の人柄があってこそ。ゲームとは人の心を写す鏡に差も似たり。


「別に実況者が黒焦げに燃えようが、俺が援護出来る立場じゃねーし。そうならないように心掛けるだけ」

「是非そうして欲しいもんだ。最近お前、心做しか苛ついてるような気がするしな」

「俺が? 何に苛つく事があんだよ。あと勝手に俺んとこの紅茶飲むな」


 飲んでいいか聞いてもいないのに、台所のダージリンティーを淹れては飲み干すハリアーには、キッドの心情が手に取るように分かっていた。



「心の()()は、次第に逆上する程の大火事を呼ぶぞ。特に一敗地に塗れた相手なら尚更。―――――【黒い稲妻】の事が気になってんだろ?」


「黒い稲妻・ルシファーな―――!」


 《黒い稲妻・ルシファー》。かつてエレメント◇トリガーズが四人束になっても、彼一人に全く葉が立たなかった黒尽くめのゲームプレイヤー。

 雷のスキル、そしてエネルギーアモを用いたLMGを得意とし、人間離れした機動力を誇ったルシファー。


 A.I.M.Sにて、勝率72%を誇るキッドに屈辱的な敗北を味わわせた唯一の男。

 キッドは、そんなルシファーに密かなリベンジを目論んでいたのだった。


「それに関しちゃ、配信で見せしめとか心狭いやり方はしたくない。こーゆーのは一対一のサシでやる方が気が済まないんだよ」


 ガンマンらしからぬ騎士道精神も併せ持ったキッド。どうせライバルとやり合うなら、漁夫の利狙いの邪魔者抜きで二人きりの勝負を願いたいという。早撃ち勝負でもするですかね?


「やれやれ……それで、ルシファーに関わる情報とか何か仕入れては来たのか?」

「それがカラッきし。地底空間に居るんじゃねぇかと思ってB2層の人達に聞いては見たけど、そんな奴見た事無いってさ」


 キッド達が住む“旧都”はB1層。その下の層に位置するB2層には、彼ら以上に癖あり、難ありの人々がのさばっているというが、ルシファーらしき者は其処にはいないというらしい。


「それじゃB3層……か?」

「そこまでは詮索しない。彼処行くとこっちまで頭イカれちまう」


 地底空間は奥に行けば行くほど、曰く付きのヤバい者達が住む魔境となっている。怖さ知らずのキッドも抵抗するほど。渋い顔になりながらもルシファーの深掘りを諦め、キッドはネット記事を読み漁っていると。


『キッドさーん! ちょっとあたし達の振り付け観てくれませんかー?』

『アリス様とツッチーさんの応援チアチェックしたいんですのー!』


 キッド宅の二階から、トリガーズ公式チアの天音と琴音の声。何やら新作エールのレッスンにキッドを呼び出しているようだ。道理で天井がドッタンバッタン大騒ぎしてると思った!


「はいよー、すぐ行く」


「キッド!」

「何だよハリアー」


「リベンジも良いけど、本来の使命忘れんなよ。あとテーブルのスコーン頂いてく」


「…………スコーン、俺の分残しとけよ!」



 〘◇Now Lording◇〙



 一方その頃。先程キッドが丁度詮索しようとしていたB3層。人気ない鍾乳洞の道を、ヒタヒタと不吉な音を立てながら()()が迫ろうとしていた。



「太陽は、何処だ―――――!!」



 ―――――“黒い稲妻”が、トリガーズに迫る。



 〘◇To be continued...◇〙

小説を読んで『面白かったぁ!』と思った皆様、是非とも下の「ブックマーク追加」や感想・レビュー等を何卒お願い致します!


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A.I.M.Sで登場させたい実物の名銃も、感想欄で募集します!

エレメント◇トリガーズ、次回も宜しく!!

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