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【♯24】ショートケーキのイチゴと、復讐へのトリガーは最後まで取っておけ。

 ――A.I.M.Sランクマッチ、シルバーランク・カルテット戦。場所は空中未来都市『アトランティカ』。


 ツッチーが生成したアバターカスタマイズ装備を着用したエレメント◇トリガーズ四人のリベンジを賭けた一戦。

 チームのパワーアップを記念し、久方ぶりのライブ配信でインターネットを通じて、全国のプレイヤー達に向けて初お披露目となった。


 〘やべぇ、四人ともアイデンティティが良く出てる〙

 〘キッドさんイメチェンしてる!〙

 〘キャップの被ったカウボーイだ!!〙


 チャット欄を通じて、カスタマイズを行い外見が一変したキッドのアバター姿を観た視聴者は大好評。

 では、そのステータスを一緒にご覧頂こう。


 ◇――――――――――――――――――――◇

 ・KID(キッド): Pレベル:37


 ・アバター装備によるステータス変化

 ・頭『サラマンダーキャップ』【プレイヤースキル・アルティマスキルのチャージ時間を20%短縮】

 ・上半身『フレアウエスタンジャケット』【ヘビーアモの威力が10%アップ】

 ・下半身『カウボーイラングラー』【プレイヤーの回避力が30%アップ】


 ・プレイヤースキル

【ファイアクラック】【スモークエスケープ】【トリガー・ツールシステム/001】

 ・アルティマスキル【火龍逆鱗砲】

 ・PAS:サラマンダー

 ◇――――――――――――――――――――◇


 カスタマイズされたキッドの出で立ち観るならば、テンガロンハットならぬ烈火のサラマンダー印キャップを被ったカウボーイ。


 赤いウエスタンシャツにタイトなジーパン、未来都市のフィールドに西部のガンマンとは時代錯誤も良い所。だがその偏見を黙らせるには、やはり実戦あるのみ!


 ―――ダウッ、ダンッ、ダンッッ!!


 〔エネミー87 ノックダウン!〕


 キッドは50m先の敵の頭を目掛けてエイム構え。一発目は外すも、何と二・三発目を連続でヘッドショットし、100超えのダブルダメージで見事ノックダウン。カスタマイズ装備の恩恵か、神エイムがより冴え渡る絶好調ぶり!


「『ファイアバード』より銃身めっちゃ長ぇし、シングルアクションな割には反動は軽いな。開拓時代に保安官が使ってただけあるぜ」


 なんと、キッドが装備したマグナムリボルバーはいつもの『ファイアバード』では無かった。

 かつて19世紀の西部開拓時代に、アメリカ陸軍に制式採用されたとされる回転式拳銃『コルト・シングルアクション・アーミー』、通称“SAA”という銃が存在した。


 その派生強化版に、西部開拓史に名を馳せた名保安官、ワイアット・アープが使っていたという長銃身のSAA【バントライン・スペシャル】が、このA.I.M.Sに登場していたのだ!


 通常のSAAの銃身の19センチに対し、バントラインは40センチという中々のノッポさん。


 銃身が長い拳銃というのは、短銃身よりも弾丸が加速する時間が長いので威力が強く、命中精度も上がる。

 それにキッドの神エイムが加わることで、先程の二連ヘッドショットを容易く熟せるようになったのだ。


 オリジナル武器だけでなく、伝説級の名銃もドロップされているのがA.I.M.Sの凄い所。だがそれよりももっと凄いのは……


 〘今日はキッド、一人??〙

 〘アリスちゃんはー!?〙

 〘カルテットにソロプレイとか草〙


 キッドの視野内に三人の仲間の気配は全くなし。だが画面内にはキッドだけではなく、ハリアー・アリス・ツッチーの三人のステータスは提示されている。


 そこから読み取れるのは、このマッチに四人で出陣してはいるが、キッドのみが()()()を取っているという事だ。


 ゲームはまだ序盤、フィールド内を収縮させるファイアウォールは広がってない。

 半径3キロの空中都市。固まって行動している三人を他所に、真逆の方向で敵をキルしながら何かを探してる様子のキッド。一体何を探してるんです?


「何をって、あの双子姉妹の恩師を喰った【プレデター】探し。お嬢ちゃん達のお願いは聞いてあげないと」


 〘またプレデターの犠牲者か……〙

 〘プレデター死すべし〙

 〘くたばれチーター♫〙


 流石はサラマンダーのカウボーイ。ジェントルマンなキッドは響波姉妹の約束を果たすために果敢な行動に出たか。


 しかし、響波姉妹を育ててくれた孤児院の院長を【プレデター】に喰われたという話。

 どうにも引っ掛かる部分が多いというか、何故にわざわざ院長がA.I.M.Sに挑んで喰われる結末になったのか?


「院長は【プレデター】を扱うプレイヤーに嵌められたんだよ。つまり、孤児院を経営している職員のバカが血迷ってA.I.M.Sに勧誘させたんだと。天音ちゃんが言ってた」


 なんと身勝手な職員だ。こんな一人の為だけに、響波姉妹や他の自立していった子供達の恩師の人生を滅茶苦茶にさせた【プレデター】を赦してはおけない。


 その時に響波姉妹が、『b454541084』というユーザーネームが院長を嵌めたチーターである事を掴んでいた。このランクマッチで出会せばビンゴだが、果たしてどうなるか。


「あ、そうだ。今回の生配信は【プレデター】成敗も目標に掲げてるけど、今回は初お披露目のアイテムも使うつもりだから。楽しみに待っててね!」


 〘wktk〙

 〘なんだろう〙

 〘くたばれチーター♫〙


 と視聴者に呼びかけるキッド。初お披露目のアイテムの詳細は、先程のステータスで見えた【トリガー・ツールシステム/001】の事である。


 そしてこれこそが、ツッチーが『クラフトルーム』にて仲間に公表した()()()()()であった。


 ではそれが明らかになった時の回想を、クラフトルーム内に巻き戻して読んでみよう。


 〘◇Now Lording◇〙


 ツッチーが極秘に制作していた強アイテム。ノートパソコンで仲間に発表した画面には、きめ細やかなプログラムコードやら設計図がぎっしりと書き込まれていた。


『A.I.M.Sはエイムエナジーと、ワテのようなプログラミング技術が長けていれば、どんな強いアイテムも装備も作れるようになっとる。

 その最大限の技術を使うて、トリガーズのお助けアイテムを採用させたんが、この【トリガー・ツールシステム】やねん!』


 ツッチーは自信満々にトリガー・ツールシステムなる新戦力を公表した所で、それを実際にインストールさせて、クラフトルームへと転送された。


 そのツールとは、手のひらサイズのカプセルの形をしており、そこに小さく『TT/No.001』と書かれていた。


『それで、これを実戦でどのように使うんだ?』

 とキッドが説明を求めるならば。



『本来エイムエナジーで生成したアイテムは、ノーマルスキル扱いになっとるから、三つのスキルの中に登録して好きなタイミングで使うとええ。


 ……ただし、トリガーツールを使えるんはマッチで一回のみ。だがその分威力はお墨付きやさかい、ワテが保証したる。そのチャンスを活かすも殺すもキッドはん次第やで』


 〘◇Now Lording◇〙


 ……とまぁ、こんな感じ。勿体ぶったのかツッチーはこのカプセルの中身までは公表しなかったが、彼が作るアイテムには絶対的な信頼を寄せているトリガーズ。


 そんなアイテムを託されたキッドの理想としては、そのトリガーツールを【プレデター】に使いたい所だが……!?


 ◇――――――――――――――――――――◇

 ・『b454541084』が13キル

 新キルリーダーに選ばれました。

 ◇――――――――――――――――――――◇


 寄せる願望から吉報来たり。響波姉妹の追い求めていた【プレデター】が、同じランクルームに巡り合っていた!!



「天音ちゃん、琴音ちゃん見てるか? 今からお前らの仇に風穴を開けてやる!!」

小説を読んで『面白かったぁ!』と思った皆様、是非とも下の「ブックマーク追加」や感想・レビュー等を何卒お願い致します!


更には後書きと広告より下の評価ボタンでちょちょいと『★★★★★』の5つ星を付けて、作者やこの物語を盛り上げて下さいませ!


A.I.M.Sで登場させたい実物の名銃も、感想欄で募集します!

エレメント◇トリガーズ、次回も宜しく!!

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