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歴女作家 坂本龍馬子の奇妙な犯科録  作者: 横造正史
第三章
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西首塚での対戦  陸

 ふと、私は相手側が気になりちらりと様子を見てみる。すると、大きめの紙を中心に外人さん達が輪になって何かを見ていた。


 その中心には金属のチェーンの先に四角錐のような金属を付けた物を振っていた。


 えっ、ダ、ダウジング?


「ねえ、皆、あ、あっち、見て」


 私は小声で促す。


「彼らダウジングみたいなのしているけど……」


「えっ、何だって!」


 山科は驚いた様子で視線を送る。


「ま、マジかよ、そんなんで決めてたのかよ!」


 田中も顔を強張らせる。


「そんなのじゃ読めないわよ、読める訳ないじゃない!」


 輝美は小声ながら切れ気味に叫ぶ。


「どうする?」


 山科は改まって聞いてきた。


「どうするって、もう時間は無いわよ、もう、そのまま行くしか……」


「わ、わかった」


 躊躇いがちながら山科が布陣表を審判に手渡しに行った。もうなるようにしかならない。対戦だ。


 両軍、最初の紹介時と同じように並び立つ。審判員はまた合戦の合図である法螺貝を鳴り響かせた。


「それでは本軍対本軍、第一陣の者はそれぞれ前へ!」


 審判に促され此方からは本多忠勝が前へ出る。そして相手陣からはアフロヘア―でちょび髭を生やした黒人が出てくる。って全然想定と違うぞ!


「わ、儂は徳川四天王の一人、本多忠勝じゃ、いざ、お相手仕る」


 ちょっと動揺がみえる形で女忠勝が名乗りを上げる。


 一方の小川祐忠であろうちょび髭黒人は、リボルバー式拳銃にソードがくっ付いたような禍々しいガンブレードを身に着け、それを構え不敵な顔をしながら忠勝を見遣る。


「YO、YO、ミイハ、頭脳派ノ、テズYO! 役ハ小川祐忠ヨ、作戦ヲ練ッテルヨ、NOSハ最後ニ使ウヨ!」


 ほとんど意味が解らない。よく見ると鎧も西洋鎧をあしらった勇者風なやつだった。ところでNOSってなんだ?


「それでは双方任札の提示をお願いします」


 審判から声が上がる。


「儂の任札は小大名じゃ!」


 忠勝は札の提示をする。


「フフフフ、ミイモ小大名ダヨ、引キ分ケダネ」


 確かに任札は引き分け。だが。


「任札引き分け! 双方武具札の提示をお願いします」


 審判の促しに、忠勝は弓矢隊の札を提示する。


「ワオ、YOUノNOSハ弓矢ネ、デモネ、ミイハ……」


 ニヤリと笑った黒人のテズは火縄銃隊の武具札を提示してくる。


「ライフルチーム…… ネ」


「く、くっ!」


 や、やられた!


「第一陣、小早川、脇坂軍の勝利です!」


 審判の声が上がり、外人チームからイエーイとかイエス! とかの歓喜の声が上がる。


「マジかよ、あのダウジングで完全にこっちの布陣を読んでいるぞ」


 田中が焦り気味の声を上げる。


 そんな事がはたして本当にあるのだろうか?


「それでは第二陣の方々前へ」


 審判から促しの声が上がる。


 そうか、私か、私の番か? 


 私は前へ出る。相手方はまた黒人の外人だった。こんどのは一回りデカくムキムキでスキンヘッドだった。


 鎧はファンタジーのドラゴンメイル風、武器は先程の黒人と一緒で禍々しいガンブレード。兜だけは和風で小脇に抱えている。


 というか完全に予想外の布陣だぞ。


「俺ハ、ローマン、ローマン・スピアーズダ。オ前、ロームヲ知ッテイルカ?」


「えっ、知りませんけど」


 知る訳ねえだろ、個人名なんて。


「ナ、ナラ、俺ノ役ハ、クッキーダ。クッキーハ知ッテイルカ?」


「クッキーじゃなくてクツキですよね? ……クツキは知っていますよ、北近江の朽木氏ですよね」


「チッ、何デ、ローマン・スピアーズヲ知ラネエデ、クッキーハ知ッテイルンダ!」


 ローマンは妙にムキになる。何か怖い。 


「負ケネエ、俺ハ負ケネエ、俺ハ務所ニハ戻リタクネエ!」


 務所? い、一体何をしたんだコイツ。銃でもぶっ放したのか?


 私は何やら解らなり恐怖心が増していく。


「私は山内一豊でス。ヨロシク」


 緊張から、なんかカタコトだ。


「では双方任札を!」


 私は中大名の札を出す。どうだ?


「ハハッ、俺モ、ミドルダ、ミドル大名ダヨ、セイムダネ……」


 引き分けだ。


「任札引き分け! 続いて双方武具札をお願いします!」


「私は、防護札の馬防柵です」


 審判員の促しに応じて私は提示する。


「ハハッ、俺ノNOSハボーアンドアローカードダ! 俺ノ勝チダ! イィィィィィィィーハッ! アハハハハハハ!」


「ま、負けた…… 負けてしまったのか……」


 彼らの歓喜の声の中、私はがっくり肩を落とす。


「あ、あの、NOSとは一体?」


 訳が解らなくなっている私は質問してみる。


「オウ、NOSハ、ナイトラス オキサイド システムダゼ! 車ガ爆発的ニ速クナル特殊武器ダゼ!」


 えっ 車……? 何、車って、何にも関係ないじゃん……。


「は、はあ…… 教えて頂きありがとうございます」


 私は頭を下げ静々と自陣に戻る。なぜ車が出てくるのだろう……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です!! 途中で読書を止められない人間なので、また完結したら読ませていただきます 楽しみにしてます( *´꒳`* )
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