第89話 回収した汚泥サンプルから「究極の魔力キャンディ」の原料を抽出する
3話更新の1話目です
難関ダンジョンの汚泥フロアから回収した「黒い汚泥」のサンプル。
俺はこれを豪邸の地下にある研究室(元ワインセラー)に持ち込み、解析を始めた。
「Master、この汚泥は危険です。強い腐食性があります」
「いや、これは危険物じゃなくて、汚染された魔力だよ」
ウーナとマーリンお爺ちゃんが、興味津々で俺の作業を覗き込む。
汚泥の正体は、ダンジョンの魔素が濃縮され、劣化・変質した**「腐った魔力」**だ。
「これ、もったいないな。本来は綺麗な魔力だったはずだ」
俺は汚泥に手をかざし、イメージを練り上げた。
目標は、汚泥の中から**「腐敗していない核」**だけを抽出すること。
「――【クリーン】、不純物選別」
ドォン!
黒い汚泥は、瞬時に二つの成分に分離した。
一つは、無害な水。もう一つは、**ダイヤモンドのように輝く、小さな結晶**だ。
「な、なんじゃこれは!?」
「すごい……! 魔力の核だけを取り出したのね!」
ウーナが鑑定する。
この結晶は、ダンジョンの膨大な魔力を圧縮してできたもの。腐敗成分を取り除いたため、極めて純度が高い。
「これ、ポーションの原料になるわよ! 一つで上級ポーション数十個分!」
「これを使えば、常識外れのアイテムが作れるぞ、主殿!」
マーリンも興奮している。
俺はこの結晶を、一口サイズの金太郎飴のような形に加工した。
「よし。名付けて『マナ・キャンディ』だ。さて、これで何を作ろうか」
俺の頭の中では、新しいチートアイテムの開発計画が、音もなく動き始めていた。
(続く)
回収した「汚泥」が、究極の魔力素材に化けました!
【クリーン】は、どんなものでも「選別」と「精製」ができる、最強の錬金術スキルです。
この結晶を使って、次のアイテム開発に入ります。




