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現代日本で「生活魔法」が使えるのは僕だけのようです。社畜を辞めて「特殊清掃」を始めたら、いつの間にか億万長者になっていました  作者: かるびの飼い主


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第84話 巨大マグロの「魚拓」を【リペア】で作ったら、異世界のエルフに芸術品として売れました

諸事情により4話更新です

4話更新の3話目

買いすぎた魚の中に、見事なマグロがあった。

 食べる前に、記念に残したい。


「魚拓でも取るか。……でも、墨で汚れるのは嫌だな」

「サトウ、私の技術を使えば、そのままの姿を写し取れるわよ?」


 ウーナが提案してきた。

 海底都市の技術**『生体転写バイオ・コピー』**だ。

 対象の形状、色、質感を、魔力で紙に定着させる技術らしい。


「面白そうだな。やってみよう」


 俺は巨大な和紙を用意した。

 ウーナが魔法陣を描き、俺が魔力を供給する。


「――転写」


 カッ!

 光が収まると、和紙の上には、まるで生きているかのように鮮やかなマグロの姿が浮かび上がっていた。

 写真よりもリアルで、絵画よりも迫力がある。

 しかも、【エンチャント】で劣化防止をかけてあるため、この輝きは永遠に色褪せない。


「すげえ……。これ、芸術品だろ」

「フォッフォッフォ。主殿、これを持ってエルフの森へ行ってみんか? あやつらは海を見たことがない。高く売れるぞ」


 マーリンの入れ知恵で、俺たちはエルフの森へ向かった。

 ガイルたちに見せると、案の定、大騒ぎになった。


「な、なんだこの巨大な生き物は!?」

「美しい……! 海の生命の神秘を感じる!」

「この絵を譲ってくれ! 金貨百枚出す!」


 海を知らない森のエルフたちにとって、リアルすぎる魚拓は「未知の生物の肖像画」として大ウケしたのだ。

 

 結局、俺が作った魚拓シリーズは、エルフの王族や貴族たちに飛ぶように売れた。

 得た資金で、俺はスズに新しいキッチン用品(業務用)をプレゼントした。

 

 美味しく食べて、皮(魚拓)まで売れる。

 俺の生活魔法ビジネスに、また一つ「アート」というジャンルが加わったのだった。


(続く)

魚拓がアートに進化しました。

「見たことがないもの」は、それだけで価値になります。

ウーナの技術と主人公の商才(?)が噛み合ってきましたね。


次回、この贅沢すぎる生活の副作用。

アイドル・アイリが重大な決意をします!

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