第81話 【ざまぁ】悪徳業者の「不正契約書」を浄化し、スズの不運スキルでトドメを刺す
4話更新の4話目です
「掃除する? ハッ、何をする気だね?」
エドガーは嘲笑した。彼の偽造品ビジネスは、完璧な法的な抜け穴で作られている。
物理攻撃でも来ない限り、俺を止めることなどできないと確信している。
「俺の掃除は、物理攻撃だけじゃないんですよ」
俺はエドガーが持っていたカタログを手に取った。
そして、彼の目の前で【クリーン】を発動させた。
「――【クリーン】、不実な情報除去」
カタログに載っていた偽造品の写真が、一瞬で「ただのゴミ」の写真に変わった。
同時に、エドガーの事務所で作成された**全ての不正な契約書が、ただの白紙に戻った**。
【クリーン】は、「汚れた情報」も消去できるのだ。
「なっ……何をした!?」
エドガーはパニックになった。
続いて、俺は彼が持っていた偽のオリハルコン包丁に触れた。
「――【クリーン】、偽造物浄化」
偽包丁は、音もなく、元の安物の鉄くずに戻った。
魔力だけでなく、偽造物としての「存在意義」がクリーンされたのだ。
「あ、あああああ……! 私の財産が! 契約書が全部!」
エドガーは絶望の叫びを上げる。
これで、彼のビジネスは完全に崩壊した。
「Master、トドメは私に」
スズが静かに進み出た。
彼女は、エドガーの事務所があるはずの方向に向かって、指をパチンと鳴らした。
「主様の平穏を乱した罪は重いです。……明日から、貴方の事務所に**『厄災付与』**です」
その瞬間、エドガーの事務所(遠く離れたビル)で、輸送用のクレーンが倒れ、契約書類が積まれた倉庫に火災報知器が誤作動し、全書類が水浸しになるという、複数の災厄が同時に発生した。
エドガーは全身の力が抜け、その場に崩れ落ちた。
彼は、物理的な暴力ではなく、「商売の崩壊」という、最も苦しいざまぁを味わったのだ。
「もう二度と、商売の汚れを持ち込まないでくださいね」
俺はそう言い残し、リサに指示した。
「リサ、この人、警察じゃなくて**『ハローワーク』**に連れて行って」
「Yes, Master。新しい仕事の『清浄な情報』を付与しておきます」
こうして、神の仕掛けたトラブルも、俺の生活魔法と家族の力によって、完全に解決したのだった。
(続く)
悪徳業者へのざまぁ、完了です!
【クリーン】は物理だけでなく「情報」や「概念」すら浄化できる、究極のチートスキルとなりました。
これで神も主人公の能力を諦めるか……?
次回、平和が戻ったところで、アイリが重大な決意をします。




