第80話 悪徳業者が偽造品を持って挑戦状!「オリハルコンの偽物」を目の前で作ってくれました
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翌日。
例の悪徳業者たちは、ダンジョン素材の買付けを終えると、満を持して俺の豪邸に乗り込んできた。
代表は、いかにも胡散臭い笑顔の「エドガー」と名乗る男。
「おや、あなた様が『クリーンライフ佐藤』さんですか。ご挨拶が遅れました」
エドガーは、俺の前に、自社のカタログを広げた。
「我々は異世界の知識を持つ者。あなた様もその一端をお持ちでしょう? 私たちは、エンチャント品の偽造や、素材の横流しを一手に担っております。ぜひ、提携しませんか?」
彼は豪邸を見て、俺が同業者だと確信しているようだ。
悪徳業者たちが売っているのは、魔力は微量だが、見た目だけは本物そっくりの「偽造エンチャント品」だ。
これによって、日本のダンジョン市場は混乱し始めていた。
「どうだ? これは我々の技術の結晶。この石ころにエンチャントした『自動修復ポーション』は、一個十万円で飛ぶように売れている」
エドガーは得意げに、石ころを見せる。
俺はそいつを手に取った。
「なるほど。汚い商売ですね」
俺の言葉に、エドガーは鼻で笑った。
「ビジネスに綺麗も汚いもあるか! 我々は、あなた様が作っているという『オリハルコンの包丁』すら、安価な偽物で作れるんですよ?」
彼は、自社の技術を証明するため、目の前で「偽オリハルコンの塊」を取り出し、あっという間に「偽の聖包丁」を作り上げた。
「どうです? 見た目も切れ味も遜色ない。価格は本物の十分の一だ」
俺は黙って、スズを見た。スズは悲しそうに、エドガーの作った偽包丁を睨んでいる。
この悪質な商売が、俺の愛する家族が作った『本物』の価値を下げている。
「Master、殲滅許可を」
「Target、彼の服についた『嘘』という汚れを検知」
リサとマーリンが殺気立っている。
「いや、いいよ。エドガーさん」
俺は笑顔で言った。
「その偽物も、あなたの**『悪意』**も、この商売の場からまとめて掃除しますよ」
(続く)
偽造品販売という、主人公のチートビジネスを脅かす悪徳業者が襲来。
彼らは「悪意」こそが商売の力だと信じていますが、主人公はそれを「汚れ」と断定しました。
次回、主人公の【クリーン】と【不運付与】の合わせ技で、この悪徳業者を徹底的に叩き潰します!




