第78話 東京ゲートの次元の壁を【リペア】で修復!東京を大混乱から救う
4話更新の1話目です
防衛省での面会後、俺は西園寺さんと共に、東京ゲートの不安定化が起きている湾岸エリアの地下へ来ていた。
ここは、魔力が濃すぎて一般人は立ち入り禁止の危険区域だ。
「佐藤様、ここが次元の壁が崩れかけている『東京ゲート』です。この先が異世界と繋がっています」
西園寺さんが指差す先には、薄い紫色のモヤのような壁が、不規則に脈動している。
壁の向こうからは、低級モンスターの悲鳴のようなものが微かに聞こえてきた。
「なるほど。壁が傷ついたせいで、次元の魔力が漏れ、それが原因で東京の空気が異常に綺麗になっているわけか」
「はい。そして、このままでは壁が完全に崩壊し、あの時の大氾濫が再発します」
数百年単位で魔力を注ぎ込んで修復する計画しか政府にはないらしい。
「数百年もかかるものを、俺にやれと」
「はい。……貴殿の**【リペア】**なら、この『壁』を、元あった安定した状態に修復できるのではないかと」
西園寺さんの目が、切実に訴えてくる。
俺はため息をついた。
「分かりました。面倒くさいですが、やりますよ」
俺はゲートの壁に手を当てた。
イメージするのは、壁が「傷つく前の状態」に戻ること。
「――【リペア】、次元修復」
ドオオオオオオン!!
凄まじい魔力の光が、ゲート全体を包み込んだ。
壁の不規則な脈動が止まり、まるで鏡面のように滑らかに安定していく。
俺の全魔力を注ぎ込んだ結果、壁は以前よりも遥かに強固なものになっていた。
「は……? い、一瞬で?」
西園寺さんは、その場に崩れ落ちた。
「これで、ゲートの不安定化は収まります。しばらくは心配いりませんよ」
「あ、ありがとうございます……! 佐藤様、あなたは本当に……」
彼女は感動のあまり、言葉を失っていた。
俺は彼女を無視し、ついでに周辺に飛び散っていた魔力の残滓を【クリーン】で綺麗にして、任務完了だ。
「よし、帰ってスズにご飯作ってもらおう」
(続く)
東京ゲートの安定化ミッション、一瞬で完了。
【リペア】は、次元の壁という「物体」すら修復可能です。
西園寺さんは、今回も主人公のチートぶりに感動し、政府のパイプはさらに太くなりました。
次回、主人公の平穏を乱すため、神が新たな刺客を送り込んできます!




