表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代日本で「生活魔法」が使えるのは僕だけのようです。社畜を辞めて「特殊清掃」を始めたら、いつの間にか億万長者になっていました  作者: かるびの飼い主


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/94

第71話 しつこい自称転移者を【クリーン】(精神浄化)で「ただの一般人」に戻す

3話更新の1話目です

俺は高橋ユウキの顔に手をかざした。


「な、なんですか、佐藤さん!?」

「あなたのその『世界を支配したい』とか、『チートを使って楽したい』という欲望。それ、心についた立派な『汚れ』ですよ」


 俺は、リサの殺人衝動を消した時と同じ要領で、心の中の不純物をイメージした。

 世界支配欲、金銭欲、名誉欲、そして俺への嫉妬。それらがすべて、ドス黒いヘドロのようにユウキの心を覆っている。


「――【クリーン】、精神マインド浄化クレンジング


 瞬間、俺の手から放たれた透明な光が、ユウキの顔に触れた。

 ユウキは「う、うわぁぁああ!」と叫び声を上げ、その場で膝をついた。


 バチバチッ……!


 ユウキの体を覆っていた派手なブランド服の魔力が失われ、ただの安物の服に戻った。

 彼の目からギラついた野心の光が消え、まるで風呂上がりの中学生のような、素朴で純粋な表情になった。


「あれ? ここは……」


 ユウキはキョロキョロと周囲を見渡す。

 豪華すぎる豪邸。完璧なメイド。目の前の俺。


「もしかして……僕、**佐藤さんという方の家**にお邪魔してたんですか? えっと、初めまして。僕、高橋ユウキと言います。あの、何しに来たんでしたっけ?」


 完全に「世界を支配したい」という邪念が消え、**ただの無害な一般人**に戻っていた。

 彼の異世界転移の記憶や、神から与えられた力も、すべて「汚れ」として【クリーン】が処理してしまったらしい。


「うむ。サトウ殿、見事な『魂の清掃』だ。もはや彼は、ただの『汚れた高橋ユウキ』ではない。『ピュアな高橋ユウキ』だ!」


 ガイルが感動している。


「あの……僕、お腹が空きました。帰ってカップラーメン食べたいです」

「はい、どうぞお帰りください」


 俺はユウキを優しく玄関から押し出し、テレポートで**最寄りの駅前**まで送ってやった。


「ふう。これで一件落着。余計な汚れはすぐ落とすに限る」


 リビングに戻ると、フィアナが呆れた顔で言った。


「あなた、あんなチートになりたがってた男を、ただのカップラーメン好きに戻しちゃったわね。もったいない」

「もったいなくないよ。彼の**『最も幸せな日常』**を【リペア】してあげただけだ」


 俺は再びソファに寝転がる。

 高次の存在が送り込んだトラブルの種は、俺の生活魔法によって一瞬で掃除されたのだった。


(続く)

【クリーン】による精神浄化で、高橋ユウキは「世界の支配者」ではなく「カップラーメンを食べたい一般人」に戻りました。

チート能力を邪念と欲望のために使おうとする者は、主人公にとっては「心の汚れた人」でしかありません。

神が仕掛けた最初のトラブルは解決しましたが、高次の存在はまだ諦めていません。


次回、ついに神が主人公の家にコンタクトを取ってきます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
主人公の楽に暮らしたいもニアイコールな気もしますが、自分の暮らしに波を立てる相手は余計なものなのかな? スローライフ派な主人公からすると、快適な暮らしを穏やかに続けるのが最高な価値観っぽいですが。 …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ