第66話 エルフの秘宝を解析したら、庭ダンジョン「自動収穫システム」のヒントを得ました
3話更新の2話目です
翌日。
リビングの巨大なテーブルには、エルフ族から貰った秘宝が並んでいた。
七色のクリスタル、魔力結晶、そして古代文字の木簡。
「フォッフォッフォ! これは古代エルフの『精霊との通信装置』じゃ! 価値は計り知れんぞ!」
「すごいなマーリン。ウーナ、何か分かるか?」
マーリンお爺ちゃんとウーナが、瞳を輝かせながら解析を始めた。
ウーナは海底都市の知識を、マーリンは古来の魔法の知識を動員する。
二人の知恵が合わさると、解析スピードは驚異的だった。
「Master、リサは暇です。ゴミ掃除の命令をください」
リサがムスッとして言った。
彼女は俺が研究に夢中になっていると、すぐに拗ねる。
俺はリサの頭をポンポンと撫でてやった。
「リサには別の仕事があるだろ? そこのクリスタルに『守衛』のエンチャントをかけてみてくれ。もし誰かが近づいたら、光って知らせるように」
俺がそう言って、ウーナが解析した『精霊を呼び出す波動』の原理を教えると、リサの目が輝いた。
彼女はすぐにクリスタルに向かい、【エンチャント】の作業に取り掛かった。
◆
夕方。解析作業が完了した。
「分かったぞ、主殿! エルフの技術は、**植物の『意思』を増幅させている**のじゃ!」
「この木簡には、広範囲の植物に『自動成長』と『自動収穫』の魔力を付与する術式が書かれています!」
これはすごい。
庭のダンジョンで採れる**『踊る野菜(マンドラゴラ亜種)』**に、この術式を応用すれば……。
俺の家庭菜園から、**自動で野菜が収穫され、分別されてアイテムボックスに転送されるシステム**が構築できる!
「Target、マスター、私にも仕事を与えてください! 私は、自動システムなんていう『無駄な存在』には負けません!」
「ああ、リサ。お前の仕事は、そのシステムが**『正常に動いているか』**を監視することだ」
俺はリサに、エンチャントしたクリスタルを埋め込んだヘルメットを渡し、庭へと向かった。
これで俺はまた一つ、労働から解放されるのだ。
(続く)
古代の知識と現代の魔法の融合。
リサは仕事が減ると拗ねますが、主人公は究極の自動化を目指します。
これでダンジョン素材の回収が、完全に「自動」になるフラグが立ちました。
次回、庭ダンジョンに「自動収穫&分別システム」を構築します!




