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現代日本で「生活魔法」が使えるのは僕だけのようです。社畜を辞めて「特殊清掃」を始めたら、いつの間にか億万長者になっていました  作者: かるびの飼い主


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第64話 世界樹が枯れかけていたので、栄養剤を注入して【リペア】したら、若木に生まれ変わりました

3話更新の3話目です

森の最深部。

 そこには、天を突くような巨木――世界樹がそびえ立っていた。

 だが、その姿は無残だった。

 葉は落ち、幹は灰色に変色し、根元にはどす黒い「呪いの杭」のような魔道具が打ち込まれている。


「ああ、世界樹様……! なんて酷いことを……!」


 フィアナが駆け寄って涙を流す。

 彼女の治癒魔法でも、ここまで弱った巨木を蘇らせるのは不可能らしい。


「……見てみろ。根元に虫がいる」


 俺は【生活魔法・害虫駆除】の目で捉えた。

 呪いの杭の周りに、魔力を吸い取る「魔界シロアリ」が巣食っている。こいつらが原因か。


「まずは駆除だ。――【クリーン】、害虫排除」


 シュッ。

 俺が手をかざすと、シロアリたちは光となって消滅した。

 続いて、呪いの杭を引き抜く。


「次は木の治療だな。……フィアナ、あれ持ってるか?」

「あれ?」

「この前作った、野菜用の『特製栄養剤(エンチャント水)』」


 フィアナはハッとして、アイテムボックス(彼女も俺の魔法で小さい鞄に付与してもらった)からペットボトルを取り出した。

 俺はそれを世界樹の根元にドバドバと撒いた。

 そして、仕上げの魔法だ。


「元通りになれ。――【リペア】、活性化」


 ゴゴゴゴゴ……ッ!!


 地響きと共に、世界樹が脈動した。

 灰色の幹に緑色が戻り、枝から若葉が一気に芽吹く。

 それだけではない。

 栄養剤が効きすぎたのか、幹がメリメリと太くなり、以前よりも一回り……いや二回り巨大化してしまった。


「うわっ、育ちすぎた!?」

「す、すごい……! 死にかけていた世界樹様が、全盛期以上の姿に……!」


 フィアナとガイルが腰を抜かす。

 世界樹からは、感謝の波動のようなキラキラした光が降り注いでいた。


『……ありがとう、人間よ。美味しい水だった』


 頭の中に、若い女性のような声が響いた。

 どうやら世界樹も意識を取り戻したらしい。

 

「これで一件落着か」


 俺が振り返ると、ガイルが地面に膝をつき、俺に向かって深々と頭を下げていた。


「……サトウ殿。貴方こそ、エルフの真の救世主だ。……非礼を詫びると共に、どうか我が森の同盟者となっていただきたい!」


 堅物の戦士長が、完全にデレた瞬間だった。

 こうして俺は、日本政府に続き、異世界のエルフたちとも強力なコネクションを持つことになったのだった。


(続く)

世界樹、復活。

シロアリ駆除と栄養剤散布、やってることは庭の手入れと同じです。

これでエルフの森の問題は解決しました。


次回、助けたお礼として、エルフたちから「大量の貢物」を貰って帰宅します。

そして、フィアナの「その後」は……?

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― 新着の感想 ―
幹は緑色ではないんじゃないかなぁ、世界樹だから分からんがw 瑞々しい、または青々とした、ともするか
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