第57話 チートスマホで世界中の事件をリアルタイム解決!その裏で「狐仮面」の正体が世界にバレかけます
4話更新の3話目です
超通信機化したスマホは、すぐにその威力を発揮した。
『佐藤様! 大変です! イタリアのコロッセオダンジョンで大規模なモンスター流出が!』
西園寺さんからの緊急通信が、ノイズ一つなく入る。
俺はスマホの画面をタップし、コロッセオ周辺の衛星写真を映し出した。
「ふむ。モンスターの群れは確認。……待てよ。この『ウーナの古代技術で魔改造された衛星画像』と『正確な座標データ』があれば、テレポートの条件である『鮮明な視認』が成立するんじゃないか?
【テレポート】は場所の記憶が必要だが、この情報量なら、俺の魔力がその場所を『知っている』と錯覚する!
よし、いける。……【空間転移】!」
俺はすぐさまイタリアに飛び、狐仮面となってモンスターを一掃。
戻ってくると、スマホには次の事件が通知されていた。
『メキシコのピラミッドダンジョンで、貴重な古代アーティファクトが盗難されました!』
「面倒だな……」
俺はスマホのGPSと電波傍受を使い、犯人グループの位置を特定。
メキシコへ飛び、犯人の逃走車に【重力制御】をかけ、その場で停止させた。
ついでに、盗品を元の場所に戻す。
事件発生→スマホで検知→テレポートで現場へ→魔法で解決→テレポートで帰宅。
この一連の作業が、わずか五分で完了する。
世界中で「狐仮面」の目撃情報が同時多発的に発生し、政府も混乱状態だ。
『狐仮面は分身したのか!?』『いや、移動速度が光速を超えている!』
西園寺さんから送られてきたレポートには、そんな考察が並んでいた。
世界中のダンジョン絡みの事件が、一晩でゼロになったのだ。
だが、ここで一つのミスが発生した。
リサが「マスターの活動ログを記録します」と言って、スマホのGPSログを政府ネットワークに誤って流してしまったのだ。
「Master! 活動場所が『コロッセオ→メキシコ→東京都練馬区の自宅』とバレました!」
「なんで自宅バレてるんだよ!?」
「練馬区の自宅に『狐仮面』の活動拠点がある……世界中の諜報機関が練馬区に向かい始めています!」
事態は最悪だ。
俺は慌ててスマホを操作し、練馬区全域に**「最強の認識阻害結界」**を張った。
結界は「練馬区全体を『ただの普通の住宅街』と錯覚させる」効果を持つ。
「ふぅ……これでしばらくは大丈夫だろう」
一晩で世界を救い、そして自宅が世界中にバレかけるという、慌ただしい夜だった。
(続く)
チートスマホによる「瞬間事件解決システム」稼働です。
今回の【空間転移】は、スマホの衛星画像とウーナの古代技術が融合し、**「視認した地点への瞬間移動」**が可能になった結果です!
リサのうっかりミスで自宅が世界中にバレかけましたが、練馬区全体に張られた「平凡結界」がどう機能するのか…!?
次回、家の防衛力をさらに上げるため、人魚のウーナが結界を大幅強化します!




