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現代日本で「生活魔法」が使えるのは僕だけのようです。社畜を辞めて「特殊清掃」を始めたら、いつの間にか億万長者になっていました  作者: かるびの飼い主


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第53話 海底都市の奥で「人魚の少女」を発見!彼女の正体は都市の管理者でした

4話更新の3話目です

俺たちはエンチャント潜水具を装備し、海中へと潜った。

 この潜水具は【自動浮力制御】と【水中音波翻訳】の機能付きだ。


「Master、水中ではナイフの威力が落ちます。代わりに魚雷を……」

「いらない、物騒だ」


 リサをなだめつつ、俺たちは海底都市のドームに入った。

 都市内部は、古代ギリシャのような石柱と、クリスタルガラスの通路で構成されていた。

 電気は通っておらず、深海魚のような魔物が泳いでいる。


「すごい……まるで水族館だ」


 フィアナが感嘆の声を上げる。彼女の故郷の伝承が、本当に存在したのだ。

 都市の中心部、巨大なクリスタルの部屋に辿り着いた。


 そこには、一人の少女が眠っていた。


「……きれい」


 透き通るような青い髪。白い肌。そして、腰から下は美しい**魚の尾ヒレ**。

 紛れもない**人魚マーメイド**だ。

彼女はクリスタルの台座の上で、泡に包まれながら眠っていた。


「フィアナ、お前の国の伝承に人魚は?」

「はい。海底エルフとは別種族で、古代都市の『鍵』を握ると言われていました」


 俺が人魚に近づくと、彼女の目がゆっくりと開いた。

 青く澄んだ瞳が、俺を捉える。


『……あなたは、誰? この都市に、人間が来るなんて……』


 脳内に直接、声が響く。テレパシーだ。

人魚は尾ヒレを動かし、警戒するように俺から離れた。


「俺は佐藤。お前は?」

『私は**ウーナ**。この都市のエネルギー炉を管理する者……。あなたたち、この都市の宝を狙いに来たの?』


「いや、違う。ちょっとダンジョンを探検していたら、ここに辿り着いただけだ」

「主様、私たち、別に宝が目当てじゃありません。美味しいものがあればそれで十分です!」


 スズが身振り手振りで伝える。

 ウーナは半信半疑の顔だったが、俺たちの潜水具のエンチャント(ただの防水加工)を見て、警戒を少し解いた。


『……あなたの持つ魔法、暖かくて、優しい。こんな力を持つ人間は初めて……』


 どうやら彼女は、数千年の孤独の中で、人間への不信感を募らせていたらしい。

この都市がダンジョンの奥に現れた理由も、彼女が眠りから覚めつつあることと関係がありそうだ。


「とりあえず、お茶でも飲まないか? 紅茶に【保温・乾燥】の魔法かけてあるぞ」

『お、お茶……?』


 こうして、俺たちは古代都市の管理者である人魚の少女を、お茶で餌付けすることになったのだった。


(続く)

新しいヒロイン、人魚のウーナちゃん登場です!

海底都市アトランティスの管理者で、数千年の孤独を抱えた美少女。

例によって、紅茶(エンチャント付き)で攻略にかかります。


次回、人魚から語られる海底都市の秘密。

この都市全体が、とんでもない「超技術」の集合体でした。

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