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現代日本で「生活魔法」が使えるのは僕だけのようです。社畜を辞めて「特殊清掃」を始めたら、いつの間にか億万長者になっていました  作者: かるびの飼い主


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第39話 元社長が半グレ集団を連れて復讐に来ましたが、ウチの戦力が過剰すぎて可哀想なことになりました

3話更新の1話目です

深夜。

 佐藤家の周囲を、数台の改造ワゴン車が取り囲んでいた。

 降りてきたのは、鉄パイプやバットを持った柄の悪い男たち――いわゆる半グレ集団だ。

 その中心に、以前スズに撃退された元社長がいた。


「へっへっへ……佐藤め。今日は逃がさんぞ」


 元社長は歪んだ笑みを浮かべていた。

 あれから会社は倒産寸前。逆恨みした彼は、裏社会のツテを使ってこの襲撃を計画したらしい。


「おい、あの家だ! 窓ガラス全部割って、金目のもん奪って、佐藤を引きずり出せ!」

「「「うぇーい!!」」」


 男たちが雄叫びを上げて門を乗り越えようとした――その時だ。


「――侵入者(Intruder)、多数。排除します」


 闇の中から、冷徹な声が響いた。

 次の瞬間、先頭の男たちのベルトやズボンの紐が、音もなく切れ落ちた。


「あ? パンツずり落ちた!?」

「な、なんだ!?」


 慌てる彼らの前に、屋根の上から一人のメイドが舞い降りた。

 リサだ。月光を背に、両手のナイフがギラリと光る。


「不法侵入ですね。ゴミ掃除の時間です」

「な、なんだこの女! やっちまえ!」


 半グレたちが襲いかかるが、止まって見える。

 リサは舞うように攻撃を避け、すれ違いざまにナイフの峰や柄で急所を叩き込んでいく。


 ドカッ! バキッ!

 数十人の男たちが、一分も経たずに全員地面に転がった。


「ひぃっ……! な、なんなんだお前は!」


 元社長が腰を抜かして後ずさる。

 逃げようと背を向けた先には――巨大な影があった。


『グルルル……。我の眠りを妨げるのは、貴様か?』


 黄金の鱗を持つドラゴン、リュウだ。

 翻訳イヤリングを持っていない元社長には、地獄の底からの唸り声にしか聞こえない。


「ば、化け物ぉぉぉ!!」


 元社長が悲鳴を上げると、さらに玄関からスズが出てきた。


「主様が起きてしまいます。静かにしてください」


 スズが指をパチンと鳴らす。

 すると、元社長の頭上から、なぜかピンポイントで「植木鉢」が落ちてきた。

 ガシャン!!


「ぐえっ……」


 白目を剥いて気絶する元社長。

 そこへ、あくびをしながら俺が出てきた。


「ふわぁ……なんだ、もう終わったのか」

「Master。ゴミの分別、完了しました」

「主様、警察には通報済みです。ついでに、元社長さんのカバンから『脱税の証拠書類』が落ちていたので、一緒に渡しておきますね(ニッコリ)」


 完璧だ。

 物理的にも社会的にも、元社長はこれで再起不能だろう。

 俺たちは転がっている男たちを(邪魔なので)道路の端に寄せ、二度寝するために布団に戻ったのだった。


(続く)

元社長、完全敗北。

リサ(物理)、リュウ(恐怖)、スズ(不運)のコンボが決まりました。

これでもう二度と関わってくることはないでしょう。


次回、平和な日常回に戻ります。

新入りのエルフ・フィアナが、恩返しのために「家庭菜園」を手伝ってくれるようです。

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