表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代日本で「生活魔法」が使えるのは僕だけのようです。社畜を辞めて「特殊清掃」を始めたら、いつの間にか億万長者になっていました  作者: かるびの飼い主


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/94

第36話 ダンジョンの深層で「エルフの美少女」を拾ったので、とりあえず持ち帰りました

3話更新の1話目です

その日、俺たちはダンジョンの未踏破エリア「地下十階層」に来ていた。

 ここまで来ると、空気中の魔素が濃くなり、景色も洞窟から「古代遺跡」のような石造りの回廊に変わっている。


「主よ、ここから先は空気が違うぞ。異界と繋がっておるかもしれん」


 マーリンお爺ちゃんが杖を掲げて警告する。

 リュウも鼻を鳴らして警戒しているようだ。


「Target、前方にて生体反応を確認。……人型です」


 リサの報告を受け、俺たちは遺跡の大広間へ急いだ。

 そこで俺たちが見たものは――。


「……っ、う……」


 瓦礫の上で倒れ伏す、ボロボロの少女だった。

 透き通るような金髪、白い肌。そして何より、髪の間から覗く「長い耳」。

 間違いなく、ファンタジー映画で見る「エルフ」だ。

 彼女は深手を負っており、豪奢なドレスは血と泥で汚れきっていた。


「ひどい……! 主様、助けてあげてください!」

「もちろんだ。スズ、お湯を頼む」


 俺は少女に駆け寄ると、右手をかざした。

 外傷だけじゃない。体の中に「呪い」のような黒い魔力がこびりついている。


「――【クリーン】、完全浄化パーフェクト・ピュリファイ


 俺の全力の魔力が、彼女の体を包み込む。

 泥汚れが消え、傷口が塞がり、体内の毒素や呪詛が黒い霧となって霧散していく。

 数秒後。

 彼女の頬に赤みが差し、安らかな寝息を立て始めた。


「……ふぅ。なんとかなったか」

「信じられん。あの呪いは『魔族』特有のものじゃぞ? それを一瞬で解呪するとは」


 マーリンが呆れている。

 とりあえず、こんな場所に放置はできない。


「連れて帰ろう。ウチの客室、まだ空いてたよな?」

「Yes. 三部屋ほど空いています」


 俺はエルフの少女を【お姫様抱っこ】で抱え上げた。

 軽い。ちゃんと食べていたんだろうか。


 こうして俺は、ダンジョンの奥から「異世界の王女様(推定)」をお持ち帰りすることになった。

 ……また食費が増えるな、と少しだけ現実的なことを考えながら。


(続く)

ダンジョンの落とし物は、エルフの美少女でした。

お姫様抱っこで地上へ搬送します。

異世界と繋がっているということは、向こう側の事情も絡んできそうです。


次回、目覚めたエルフが、現代日本の「お風呂」と「カップ麺」に衝撃を受けます。

文明の利器によるカルチャーショック回です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
おじいちゃんが知ってるって事は地球に魔族も居たの?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ