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現代日本で「生活魔法」が使えるのは僕だけのようです。社畜を辞めて「特殊清掃」を始めたら、いつの間にか億万長者になっていました  作者: かるびの飼い主


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第26話 家族が増えたので、みんなでダンジョン攻略(ピクニック)に行きました

本日3話投稿の2話目です(07時・17時・21時)

週末。

 住人が増えて賑やかになった佐藤家は、総出で庭のダンジョンに来ていた。


「はい、お弁当持ちましたかー?」

「Target(目標)、ビッグボアの群れを確認。殲滅します」

「ちょっとリサ、あんた張り切りすぎ! 今日はピクニックなんだから!」


 スズが先頭を歩き、メイド服のリサがナイフを構え、アイリさんがハイキングウェアで続く。

 俺は最後尾で、みんなの荷物を【アイテムボックス】に収納して歩くだけの簡単なお仕事だ。


 今回の目的は、未踏破エリアである「地下五階層」の探索。

 スズいわく、そこに「良い匂い」がするらしい。


 道中、襲いかかってくる魔物は、リサが瞬殺し、俺が【クリーン】で素材化する流れ作業で処理された。


「ここね……」


 最深部に到達すると、そこには巨大な鍾乳洞が広がっていた。

 中央には、エメラルドグリーンに輝く地底湖がある。湯気が立っている。温泉だ。


「いい匂い……これ、ただのお湯じゃないわね?」


 アイリさんが湯に手を入れた。

 すると、ささくれ立っていた指先が、一瞬でツルツルになった。


「主様! これ『薬湯』です! 浸かるだけで怪我が治り、若返りの効果がある最高級の魔力水です!」

「マジか。これ売れるな」


 俺たちは顔を見合わせた。

 スライム美容液に続く、第二の商品『ダンジョン温泉の素』。

 また億万長者へのルートが開けてしまった。


「よし、今日はここで入って帰ろう!」

「わーい! 一番風呂いただき!」


 アイリさんが服を脱ぎ捨てて飛び込む。

 リサも恥ずかしがりながら、メイド服を脱いで続く。

 俺たちは地底の秘湯で、極上の時間を過ごした。


 ……はずだった。


 帰り支度をして、地上へ戻ろうとした時だ。


『……待て』


 頭の中に、直接響くような重厚な声が聞こえた。


「ん? 誰だ?」

「主様、どうしました?」

「いや、今、声が……」


 スズたちには聞こえていないらしい。

 気のせいか?

 いや、確かに聞こえた。


『……我を……置いていくのか……?』


 声は、温泉のさらに奥。

 岩壁の向こう側から響いてきているようだった。

 そこには、俺たちの知らない「隠しエリア」があるのかもしれない。


「……悪い、ちょっと寄り道していいか?」


 俺は壁に手を当てた。

 この先に、俺を呼ぶ「何か」がいる。


(続く)

ダンジョン最奥で「若返りの秘湯」を発見!

これ、ボトルに詰めて売ったらとんでもないことになりそうです。


そしてラスト、謎の声が……。

次回、壁の向こうに封印されていた「とある存在」と対面します!

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― 新着の感想 ―
追いつい来ました〜 ブレーキなしで坂道降る自転車感よ。 どこまで下れるか楽しみです
アイドルが人前で混浴はいいのか? 主人公ももっとこうなんかあるでショ!
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