表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代日本で「生活魔法」が使えるのは僕だけのようです。社畜を辞めて「特殊清掃」を始めたら、いつの間にか億万長者になっていました  作者: かるびの飼い主


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/94

第25話 元・最強暗殺者が「メイド」に転職しましたが、座敷わらし先輩には勝てませんでした

本日3話投稿の1話目です(07時・17時・21時)

翌朝。

 リビングには、正座する金髪美女リサの姿があった。


「……サトウ。私を雇って」


 彼女は真剣な眼差しで言った。

 組織に戻れば処分される。かといって、この家の居心地の良さ(特に美肌効果とご飯)を知ってしまった今、他の場所には行けないらしい。


「雇うって……何ができるんだ?」

「警備(Security)。掃除(Eliminate)。料理(Cooking)。……殺し以外ならなんでも覚えるわ」


 最後の一つが物騒だが、元プロの警備能力は魅力的だ。

 俺が出張(テレポート先への移動)で留守にする時、スズだけだと物理的な防衛に不安があるのも事実。


「よし、採用だ。給料は……」

「いらない。ここに住まわせてくれて、あの『魔法』を毎日かけてくれるなら、タダでいい」

「(安いな……)」


 契約成立だ。

 リサが立ち上がり、鋭い目つきで部屋を見渡した。


「まずはこの家のセキュリティ・ホールをチェックするわ。プロの私から見れば、隙だらけよ」


 彼女は自信満々に動き出した――が。


「……なっ!?」


 キッチンに入ろうとした瞬間、リサの足が凍りついたように止まった。

 そこに、エプロン姿の幼女――スズが立っていたからだ。

 スズはニコニコと笑いながら、手にした大根を包丁でトントントン!と目にも留まらぬ速さで刻んでいる。


「おはようございます、新人さん」

「……ッ!」


 リサが冷や汗を流して後ずさった。

 本能が告げているのだ。『この幼女には勝てない』と。


「あ、あの……おはよう、ございます。先輩(Senpai)」

「よろしい。この家のルール第一条は『主様絶対』、第二条は『廊下を走らない』です。破ったら……」


 スズが包丁をキラリと光らせた。

 リサが直立不動で敬礼する。

 どうやら、序列マウントは一瞬で決まったらしい。


 そこへ、アイリさんがやってきた。


「おっはよー佐藤さん! ……って、誰その金髪ボイン!?」

「新しい警備員のリサさんだ」

「へぇ……警備員ねぇ」


 アイリさんはリサをジロジロと値踏みした後、ニヤリと笑って持っていた紙袋を押し付けた。


「採用条件よ。これを着なさい」

「What is this?」


 リサが広げたのは、フリルたっぷりのクラシカルな「メイド服」だった。


「この家で働くなら制服が必要でしょ? 私のライブ衣装の予備だけど」

「わ、私がこんなヒラヒラしたものを……」


 リサは抵抗しようとしたが、俺とスズ、そしてアイリの視線(と、ここを追い出されたら困るという打算)に負けた。


 数分後。

 そこには、金髪碧眼、抜群のスタイルをメイド服に包んだ、完璧なスーパーメイドが爆誕していた。

 ただし、太もものガーターベルトにはナイフが仕込まれている。


「……似合ってますか、マスター?」


 恥ずかしそうにスカートの裾を掴むリサ。

 俺は親指を立てた。


「最高だ。採用してよかった」


 こうして我が家は、

 家事最強(座敷わらし)、財力最強アイドル、戦闘力最強(元暗殺者)。

 という、鉄壁の布陣が完成したのだった。


(続く)

最強のメイドさん(物理)、採用しました。

金髪、スパイ、メイド服。

属性をてんこ盛りにしましたが、スズちゃん(座敷わらし)には頭が上がらないようです。


次回、人数が増えたので、みんなで「ダンジョン攻略ピクニック」に行きます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ