表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代日本で「生活魔法」が使えるのは僕だけのようです。社畜を辞めて「特殊清掃」を始めたら、いつの間にか億万長者になっていました  作者: かるびの飼い主


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/94

第18話 【転移】のマーキングをしにテレビ局へ行ったら、放送事故寸前の修羅場でした

本日3話投稿の3話目です(07時・17時・21時)

数日後。  俺はアイリさんの招待で、都内のテレビ局に来ていた。  目的は二つ。  一つは、アイリさんの楽屋を【テレポート】の移動先に登録すること。  もう一つは、単なる社会科見学だ。


「ここが楽屋です! どうぞ!」


 案内されたのは、大部屋ではなく個室。さすがトップアイドル。  俺は部屋に入ると、こっそりと魔力を練り、脳内マップに地点登録を行った。


『ピロリン♪ 地点登録完了:【ポイント2・アイリの楽屋】』


 よし、これでいつでもここへ飛んでこれるし、差し入れも一瞬だ。  用事は済んだし、あとはリハーサルを見学して帰ろう……と思った時だった。


 ガチャン!!


 隣の部屋から、何かが割れる音と、悲鳴が聞こえた。


「なっ、何やってるのよ!!」 「も、申し訳ありません……!」


 騒がしい。  アイリさんと顔を見合わせ、廊下に出てみると、そこは地獄絵図だった。  新人っぽいアイドルが震えていて、その足元にはコーヒーの染みが広がった純白のドレスが転がっている。


 そして、鬼のような形相で怒鳴り散らしている女性スタッフ。


「どうすんのよこれ! 本番まであと十分しかないのよ!? このドレス、特注で予備なんてないのに!」 「あわわ……クリーニングに……」 「間に合うわけないでしょ!」


 放送事故確定の空気だ。  アイリさんが小声で教えてくれた。  「あれ、私の事務所の敏腕マネージャーさん。で、あのドレスは今日の特番のフィナーレで着るやつ……」


 なるほど。  俺はため息をつくと、人だかりをかき分けて前に出た。


「あの、すいません」 「なによ部外者は! 今それどころじゃ……」 「そのドレス、俺が直しますよ」


 俺は床に落ちていたドレスを拾い上げた。  コーヒーの茶色い染みが、白いレースに残酷に広がっている。  普通なら再起不能だ。


 でも、俺にはただの「汚れ」にしか見えない。


「――【クリーン】」


 一瞬だった。  光が走ると同時に、コーヒーの染みは完全に消滅した。  それだけじゃない。ついでに【リペア】もかけて、ほつれていた糸やシワも新品同様に直しておいた。


「はい、どうぞ」 「は……?」


 マネージャーさんが口をポカンと開けて、真っ白なドレスを受け取った。  あちこち確認するが、染み一つない。


「うそ……新品? いや、さっきまで確かに……」 「魔法使いの仕業ってことにしておいてください。じゃ、俺はこれで」


 カッコつけて立ち去ろうとした俺の腕を、マネージャーさんがものすごい力で掴んだ。


「待ち(マチ)なさいッ!!」 「はいっ!?」 「あなた、アイリが言ってた『佐藤さん』ね!? お願い、ウチの専属スタッフになりなさい! 給料は言い値で出すわ! ていうか結婚して!」 「ええええ!?」


 結局、アイリさんが「佐藤さんは私の専属ですぅーっ!」と割って入るまで、俺はマネージャーに求婚され続けた。  テレビ局という魔境に、また一つ強力なコネ(信者)ができてしまったようだ。


(続く)

放送事故を回避しました。 敏腕マネージャーまで陥落させ、芸能界での立場も強固になりました。 ちなみに、助けられた新人アイドルちゃんも、頬を染めてこっちを見ていますね……。


次回、西園寺さんから緊急連絡! ついに「テレポート」を使った、海外への極秘任務が発生します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ぶつくさ言うなら読まなければ良いのにwなんで毎度文句言ってる奴がいんの?いっそお前がもっといいのを書けよと思うなぁ…www
「ウチの社員になりなさい」 個人価値で言えば主人公に比べて圧倒的にナメクジが何を命令しとんじゃ、と嫌な気分になるなあ。
色々とおかしな点があるねぇ ・アイリの楽屋  →別の日は別の楽屋だったりするのだが? ・あのドレスは今日の特番のフィナーレで着るやつ  →アイリの衣装が何故隣の楽屋に?  →コーヒーを零しただけで衣装…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ