表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代日本で「生活魔法」が使えるのは僕だけのようです。社畜を辞めて「特殊清掃」を始めたら、いつの間にか億万長者になっていました  作者: かるびの飼い主


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/94

第10話 国民的アイドルが家に押しかけてきたら、座敷わらしと修羅場になりました

本日4話更新の2話目です。(07時・12時・17時・21時)

 国家規模の依頼を終え、二十億円の入金を確認した翌日。

 俺は広いリビングで、スズが淹れてくれたお茶を飲みながらくつろいでいた。


「はぁ……平和だ」


 もう一生働かなくても生きていける。

 スズの家事は完璧だし、縁側で日向ぼっこでもして余生を過ごそう。


 ピンポーン!


 突然、インターホンが鳴った。

 こんな山奥に誰だ? また変な勧誘か?

 俺がモニターを覗くと、そこには帽子とマスクで完全防備した怪しい女性が映っていた。


「……佐藤さん! 開けてください! 私です!」


 この声、まさか。

 俺が慌てて玄関を開けると、予想通り、天道アイリその人が立っていた。


「アイリさん!? どうしてここが」

「興信所を使って調べました! ……じゃなくて、引っ越したなら教えてくださいよぉ! 水臭いなぁ」


 彼女はプンスカと怒りながら、当たり前のように家に入り込んできた。

 両手には高級食材が入ったスーパーの袋を下げている。


「今日は『お祝い』に来たんです。佐藤さん、昨日のニュース見ましたよ? 『謎の最新技術で汚染除去』って、絶対佐藤さんですよね?」

「あー……まあ、バレますよね」

「やっぱり! さすが私のパートナーです! さあ、今日は私が手料理を……」


 アイリさんがリビングに入った、その時だった。


「……あるじ様。その厚化粧の女の人は、どなたですか?」


 温度のない声が響いた。

 キッチンから、エプロン姿のスズが顔を出している。

 その瞳は笑っていない。ハイライトが消えている。


「え?」


 アイリさんが固まった。

 彼女の視線が、スズの幼い容姿と、透き通るような白い肌、そして俺との距離感(物理的に近い)を行ったり来たりする。


「さ、佐藤さん……? その子、誰ですか? まさか隠し子……いや、連れ込み……犯罪!?」

「違います!!」

「彼女はこの家の……えっと、管理人みたいなもんだよ」


 俺が説明する前に、スズがフワリと宙に浮いた。


「私はスズ。この家の守り神であり、主様の身の回りをお世話する『正妻(予定)』です」

「せ、正妻ぃ!? お世話って何よ! 私なんて佐藤さんと肌と肌を触れ合わせる(施術)仲なのよ!」


 アイリさんが対抗意識を燃やして食ってかかる。

 スズも負けじと、冷ややかな視線でアイリを見下ろす。


「ふん。主様には、そんな騒がしい俗物は似合いません。お帰りください」

「なっ……! あんたねぇ、私は国民的アイドルなのよ!?」

「知りません。テレビとか興味ないので」


 バチバチバチッ!!

 二人の間に、目に見えるような火花が散った。


 座敷わらし VS 国民的アイドル。

 ファイッ。


「……あのー、二人とも?」

「「佐藤さん(主様)はどっちの味方なんですか!!」」


 同時に詰め寄られる。

 なんだこの状況。

 数日前までゴミ屋敷で寝ていた社畜の日常とは大違いだ。


 結局、俺が仲裁に入り、「スズは家のこと」「アイリは外のこと(とメンテナンス)」という役割分担で無理やり納得させた。


 その夜。

 アイリさんが持ってきた高級肉と、スズが作った煮物が並ぶ食卓を、三人で囲むことになった。

 

「……ふん。悔しいけど、この煮物美味しいわね」

「……貴女のお肉も、質だけは良いようです」


 なんだかんだで、二人は意気投合……はしていないが、休戦協定は結べたらしい。

 騒がしいが、一人でコンビニ弁当を食べていた頃より、飯が数倍美味かった。


 こうして俺の豪邸に、二人の美少女が出入りする奇妙な生活が始まった。

 だが俺は忘れていた。

 レベルアップした【生活魔法】には、まだ隠された機能があることを。


 翌日、庭の家庭菜園に水を撒こうとした俺は、とんでもないものを発見することになる。


(続く)


座敷わらし vs アイドル。

まさかの修羅場でしたが、なんとか和解(?)しました。

賑やかな食卓っていいですよね。


次回、庭いじりをしていたら「ダンジョン」ができちゃった!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
トップアイドルの通い妻、、、 普通に考えて文春砲の餌食では??
座敷童は少女より幼女の方でイメージしてしまう
迷走しだして草w でも面白いな〜 加速感サイコー
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ