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三十九話 花の行方



 その日もいつも通り殴られていた。

 もう何ヶ月も変わらない。なぜ自分なのか最初の頃は考えたこともあったけど、いつの日か気付いた。

 別に、大した理由なんてない。ただ気に入らなかったから、ただ殴りたい時にそこにいたから。そんな些細な理由だ、きっと。



 殴られると言っても、漫画やドラマのように警察沙汰になるレベルじゃない。ただ、近くにいて些細な暴力を振るってくる。

 自分達が下らない話を仲間達として、なんとなく場の繋ぎとして殴る。そんな、本当に文字通りサンドバッグのような存在が彼だった。


 中学一年の頃から、ずっとそうだった。新学期になり、二年生になっても変わらず、彼はずっと彼を殴る者たちの近くで曖昧な笑みを浮かべていた。



「何をしてる!」


 そんなある日のこと。いつも通り人気の少ない所で揶揄われ、小突かれているのにヘラヘラとした笑みを浮かべていた彼の耳に、何かを責めるような女の子の声が聞こえた。

 声のした方を見るとそこには背の低い女の子がいた。彼女は顔に僅かな怒りを滲ませて、ズンズンとこちらに向かって歩いてくる。


「誰だよお前」

「私は……一年生ですけど? そんなことより今、彼のことを殴っていたでしょう!」


 小さな体で自らよりも頭一つ以上背の高い男子に食いかかる少女を見つめて、何故そんなことをしているのだろう? と彼は純粋に疑問を感じた。

 少し考えて、ようやく自分を助けに来たのだと気付いた。その時に感じたのは───強い、劣等感だった。自分はこのように『弱そう』な女に、同情されて見下される存在なのかと。


 その時に、背筋がゾッとするような視線を感じてそちらを見る。今もなお先輩にあたる男子に食いかかる少女が来た方向に、もう一人女の子が立っていた。

 伸びた綺麗な黒髪は妖しく日光を反射して、僅かに微笑みこちらを───自分を見る瞳は、どこか艶めかしい。


「ちっ、んだよコイツめんどくせぇ。行こうぜ」


 年下の女子に口うるさく絡まれて面倒くさくなったのか自分を雑に扱い殴っていた彼らはゾロゾロと群れながら退散していった。

 ここで、彼女に対して生意気言うなと殴りかかるほどの……執着も、想いも何もない存在なのだ、彼らにとって自分は。


「三人がかりで、なんて奴らだ」


 ボソッと見た目に反した強い口調で彼女は言い、彼を見下ろし手を伸ばす。


「大丈夫ですか?」


 バシッと、強くその手を振り払い彼は走り出した。最後に一瞬、痛みと驚きで顔を悲しげに歪める少女が見えたが、少しの心の痛みがあるだけだ。すぐに振り払った。


「情けない男」


 もう一人こちらを見て楽しそうにしていた女子の横を通り抜ける時、小さく、しかし確実に聞こえる声で彼女は彼にそう言った。


 彼は、強く顔を歪めて涙を滲ませる。走り去っていくその背中を、妖艶な少女は楽しげに見つめて口角を上げた。




 下級生の女子にたった一度止められた程度で、日常が変わるはずはなかった。むしろあの時のことを「年下の女に守られた」情けないエピソードとして揶揄われるだけだった。

 それでもやはり彼は、ヘラヘラと曖昧な笑みを浮かべて頭をペコペコ下げた。下げた瞬間に後頭部を叩かれ、グワっと怒りが湧いて顔を上げるが……ニヤついた彼らの顔を見ると、何もできなくなってまた同じ曖昧な笑みを浮かべた。



 その日は一際激しい日だった。

 いつも彼に暴行する内の一人が、何やら虫の居どころが悪かったらしい。普段は身体に跡が残らない程度の暴力しか振るってこないのに、今日はその手加減が感じられなかった。

 腰あたりにドロップキックをされて、あまりの勢いに地面を滑る。


「おい〜やりすぎだよ。流石にヤバいって」

「あー!? これくらい大丈夫だよ!」

「しーらね。俺帰っから」


 無駄に常識のある彼らは、流石に誤魔化しきれない加減を超えた一人に冷めた顔をしてその場から離れようとする。


「おい! 待てって! あーもう……おい! テメェちくったら殺すからな!」


 先を歩いていく二人に、加減を見誤った一人が慌てて追いかける。最後にそんな脅しを彼にかけ、走り去っていった。

 残ったのは、地面に寝そべったままの彼一人。喉から嗚咽が上がってくるのを必死に堪える。涙は少し滲んだ。ただ耐える、だが惨めな気持ちで溢れかえる。


 しばらく寝そべったままだったが、いい加減立ちあがろうと僅かに顔を上げた。すると目の前には妙に艶のある黒い花がある。花弁から葉に、茎まで黒い。真っ黒な花。昔使われていたらしい花壇にひっそりと、いつの間にか生えていた。


「その花、願いを込めると叶うらしいですよ」


 その時急に耳元でそんな声がした。

 彼が慌てて振り返ると、そこにはしゃがみ込んで彼の耳元に顔を寄せる……あの、下級生の女の子が助けてくれた時に一緒に来ていた子だ。

 改めて彼女の容姿を見ると、凄まじい美人だ。そういえば今年の新入生に学校一可愛いのではないかと噂されている子がいるらしい。それは、この子なのではないかとすぐ思い至った。


 バッ、と。彼は立ち上がり服の汚れを手で払う。彼女も同様に立ち上がり、何を考えているのか分からない目でジッと彼を見ていた。


「貴方のような、弱い男でも……この花に願いを叶えてもらえば強くなれるかもしれませんよ」

「バカにするな!」


 カッとなり、彼は少女の胸ぐらを掴もうとする。しかしするりと伸びた彼女の手が、彼の手首を巻き取るとそのまま世界は反転する。


 投げられたのだ。だが彼には一瞬何が起きたのか分からなかった。それほど流れるような所作で、無駄なく力を流された。

 地面に寝転んで空を見上げながら、彼は呆気に取られて硬直している。


「ほんと……情けないっ。ふふっ。女の子相手なら強気になれるなんて、さいこ……最高に情けないですね」


 嘲るように少女は笑う。一体何が目的なのか分からない。ただ、虚仮にしに来たとしか思えない。願いが叶う? なんだそれは。


「なんなんだよ……っ! 僕をバカにしに来たのか? お前も……!」


 本当に叶うなら。彼は悔しさに歯を食いしばりながら強く思った。


 力が欲しい。


 魔法のような力じゃなくていい。ただ、自分を害する全てを、物理的に退けることのできる力。分かりやすい、腕力が欲しい。そうすればアイツらを殴り飛ばすことができるし、目の前の少女も屈服させることができる。今まで自分がされてきたように。


「おっ」


 少女の驚く声がした。

 空から横へ視線をずらすと、先程まで地面に埋まっていた黒い花が消え去っている。お腹の辺りがムズムズとした。それは痒みとなって、腹から背中、背中から首までピリピリと電気にも似た刺激を伴って移動する。



 体の奥底から、何やら湧き出すものがあった。

 握り込んだ拳は皮膚をギチギチと締め上げて窮屈な音を立てる。不思議と確信があった。

 今なら、なんだってできる。そう思えるほどの力がこの身に燻っている……! 


 その力の衝動のまま立ち上がり、目の前の少女に襲いかかる。彼女の細い身体なんて、今なら簡単にへし折れそうだった。


 だが、一切動じていない彼女の冷たい瞳、そして捉えきれなかった右手の動き。


 それを最後に彼は意識を失った。




「ふぅん。そういう感じなんだ。私の力が通るということは、たいしたことなかったのかな?」



 *




「あの、サチカ。あの黒い花は?」


 次の日。夜は親にスマホを没収されるサチカには連絡が取れなかった為、学校で出会い頭にそう聞いてみる。

 するとサチカはキョトンと目を丸くさせた。


「えっ?」

「えっ? じゃなくて、あの、黒い花! 願い叶うやつ!」


 忘れていたのか? 俺が不安になっていると、サチカはどうでも良さそうに「ああ〜」と答えた。


「まだあそこにあるんじゃない?」

「無かったんだけど」


 サチカはあまり興味がなさそうに自分の席に向かって鞄から荷物を出し始める。


「そうなの? 誰か持ってっちゃったかぁ」

「め、めっちゃどうでも良さそうじゃん」

「そう? そんなことないって。それより昨日の『ミクステ』見た?」


 めっちゃどうでも良さそうじゃん。

 俺は少なくともサチカは心当たりがないのだと確信する。ちなみに『ミクステ』とは音楽番組だ。昨日はサチカの好きなバンドが出ていたらしい。俺はあまりよく分からない。


「真守ちゃんは好きなアーティスト居たっけ?」


 ひょこっと、花苗が顔を出してそう聞いてきた。


「あ、花苗。私は、あんまりよく分からなくて……サチカがちゃんと聞いてくれないんだけど、この前植えたあの黒い花が無くなってたんだ」

「いつ見にいったの?」

「エッ」


 しまった。うっかりしていたが花苗とは朝一緒に登校している。そして今朝はサチカが来るまで俺は教室を出ていない。


「えーと、昨日帰る前に見に行ったんだ。用事あったからすぐにそっちに向かったんだけど」

「私もあのあと見に行ったって言ったらどうする?」


 ニヤリといやらしく口角を上げる花苗に、俺は「うっ」と苦しげに漏らす。ならば、ここは開き直る。


「そ、その時はあった?」

「……ふふ。実は、真守ちゃんと別れた後本当に見に行ったんだけど、その時にはもう無かったよ」


 ……なるほど。

 時系列で考えると、俺は花苗の後に見ていることになるので、辻褄は合う。サチカと花苗との三人で昨日の昼見た時にはまだあった。なので黒い花が消えたのはその後から放課後までの間ということになるか……。

 ていうか、花苗は俺が用事と言って帰った後にもっと遅いタイミングで黒い花を見にきていることを察しているな……? 

 まぁ、追及されたら高校生の友達と会っていて、面白いものがあるからと見に行った。そんな感じで行こう。


「花苗はミクステ見た?」


 一応、俺と花苗の話を待ってくれていたサチカだが、昨日見た好きなバンドの話をしたくてたまらないらしい。


「サチカの好きなバンドでしょ? ドラマの主題歌だよね」

「そうそう! ドラマの中身はあんま好きじゃないけど!」


 そういえば、サチカはそのドラマについて普段から内容は全然見てないけどエンディング間近でテレビを付けてると言っていたな。

 いやでもああいうのって内容と合わせながら歌を聴いた方が没入感があるんじゃあ……。


「警察ものだし、恋愛以外はあんまり好きじゃないんだよね」

「この前恋愛モノにも文句言ってたじゃん」


 花苗のツッコミ通り、サチカは別の日にやっている恋愛ドラマについてあれこれケチを付けていた。

 やれあんな女いないだの、男がかっこよくないだの。逆に気になって俺も見ることにしたのだが、普通に面白かったけどな……。俳優さんもかっこいい……と思うし。


「真守はドラマとか見んのぉ?」

「あんまり見ないかな。いま話に出てた恋愛ドラマは途中から見たけど」


 頭の片隅で黒い花のことが引っ掛かりつつも、花苗やサチカといった一般人の前であまり能力者(アウター)関連の話をするわけにもいかず、世間話を続ける。


「家で普段何してんの?」

「筋トレとか、型の練習とか……」

「……?」


 聞かれたので正直に答えると、いまいちピンと来ていなさそうな顔をされる。説明してもよく分からないよな……適当に誤魔化しておくか。


「運動、みたいな」

「確かに腰めっちゃ細いもんね」


 いつ見たんだよ。いつも大きめの制服を着てるし、胸のせいで服の上からだとそんなに細く見えないと思うが。


「真守ちゃん、体育の時たまに裾から見えてるよ」

「そうだとしてもなんでそこを見てるの……」


 花苗は俺の心を読む能力でも持っているのだろうか。

 花苗と話しているとよく、このように考えていただけのことに解答されたりする。俺は自分の顔をムニムニと摘み、俺の表情はそんなに読みやすいだろうか? と自問する。もしそうなら直さないと、能力者(アウター)相手にも考えが読まれてしまうかもしれない。


「……真守ってさぁ、マジあざといよね」

「えっ!?」

「天然だよコレ、めっちゃ疎まれてたもん」

「えっ!?」



 *



 放課後、どうでも良さそうだったサチカが急に黒い花のあったところを見に行くというので一緒に行くことになった。

 今日は潔とも帰宅時間が被るのでいつもだと花苗と共に潔を待って一緒に帰るのだが、スマホで潔に「少し用事がある」とメッセージを入れておく。そうしないと変に心配をかけてしまうかもしれない。


「なんかうるさくない?」


 あの角を曲がれば例の場所、と言える程まで近付いてくると、サチカの言う通り角の向こうから人が騒いでいる声が聞こえる。


「なんだろ」

「まさか私の黒い花にちょっかいかけてるなぁ?」


 だから無くなってたってば。と答える間もなくサチカが先に走っていく。俺と花苗はその後を追いかけようとして、先に角の向こうを見たサチカが「うわっ」と、驚いて尻餅をつくの見た。


「どうしたの!?」


 慌ててサチカの元に駆けつけ彼女を庇うように立ち、角の向こうを見る。




 地面や、校舎の壁に飛び散る赤。

 その場にいるのは、四人の中学生の男子だ。

 まず見えた一人目は見るからに歪んだ鼻を押さえて、そこから血を垂れ流し涙を流しながらうずくまる。二人目は壁にもたれて気を失って見える男子。腕があらぬ方向に曲がっていて、顎も外れているのか歪に口を開き、歯がまばらになって血塗れだ。


「なっ」


 流石に、俺も絶句した。

 膝をつき顔をパンパンに腫れさせた三人目の男子は元の顔も分からないくらいで、「もうやめてくれ!」「ゆるして!」と何度も掠れた声で叫んでいる。


 四人目……つまり三人の同い年に見える男子達をこんな姿にした人物と思われる、小太りの男子が纏う雰囲気は明らかに異常だった。

「フーッ! フーッ!」とまるで闘牛を思わせる鼻息、制服を破らんかという勢いで隆起した筋肉。同じ中学生とは思えない。


 色んな修羅場を見てきたが、俺の精神(マモル)性もあって中学生というまだ子供に思える彼らが、ここまでタガの外れた喧嘩をしていたら流石に驚き一歩も動けなかった。

 だが、小太りの彼がこちらを見た瞬間、俺の背中にゾワっと寒気が走り、身体はすぐに臨戦態勢をとった。


「お前も、僕のこと、なめてただろ」

「……なに?」


 掴んでいた三人目の男子を投げ捨て、小太りの男子はそう言った。


 そしてすぐに、こちらに向けて走ってくる。俺の後ろにはサチカが居る。チラリと見ると、まだ彼女は尻餅をついたままだ。俺が避ければ、サチカが危ない。

 視界の隅で花苗が動くのが見える。花苗が女子の中でも動けるのは知っている。あの潔が「花苗ちゃんは、まぁまぁ強い」というほどだった。何故知っているのかはわからないけど。


 だが、中学生の体格なのに中学生離れした筋肉を持つあの男子は普通ではない。花苗のような細い身体で、もし彼の拳がかすりでもすればただでは済まない気がする。


 なので当然、俺が応戦することになる。


 一気に踏み出し、こちらから距離を詰める。おかげで俺と小太り男子はサチカと距離が空く。

 抱え込むように両手を伸ばしてきたので、そのまま懐に潜り込むように姿勢を低くする。右足を彼の両足の隙間に捻じ込み引っ掛けるようにして強く踏み込んだ。


「グエッ!」


 そして、彼の進む力に抵抗するように、僅かに横に逸らしながら背中で体当たりをする。俺の身長、僅かに屈ませた膝。ちょうど接点が鳩尾あたりにきて、小太り男子は苦しそうに呻いて後ろに数歩退いた。


 俺は、そこで一瞬躊躇した。追撃をかけるべきか、否か。


 だが、彼が俺の方を睨みつけてきた瞬間……その目に宿る狂気に、どこか既視感を感じた俺は焦燥感に駆られるように彼の顎目掛けて蹴りを放った。

 脳を揺らす……! まだ彼は体勢が整っておらず、充分の勝機があった。


 誤算があったとすれば、首元から伸びてきた謎の黒い蔦が、俺の足を絡め取った事だろう。俺はまだまだ体重が軽い。そして体格も小さく、小太りの彼の身長は中学生標準より大きめくらいだろう。

 だから、顎を狙った事で俺の姿勢は随分と、浮いていた。その為黒い蔦に絡まれただけで俺の蹴りの勢いは完全に止められてしまい、その足首を小太りの彼に掴まれる。


「しまっ───」

「フンっ!」



 バァン! と、自分の背中から派手な音が響く。校舎の壁に、叩きつけられたのだ。その勢いは凄まじく、肺の中の空気が全て吐き出されてなお足りない分は涎となって口から溢れた。

 急速に動く視界は滲み、その時一瞬……驚いて足を止める花苗の姿が見える。頼むから、ここからサチカと共に離れて欲しいと願うが、呼吸困難に陥った俺は言葉を出すことすらままならない。


 無我夢中で彼の腕に絡みつき、関節を極める。火事場の馬鹿力とは言ったものだ、肘の関節を破壊……まではいかないが、痛めさせる程度には力が入った。


「ぎゃっ!」


 痛みのためか力が弱まった、その隙に掴まれた足首を解放する。


 だが、自由落下したはずの身体はもはやどこがどうなっているのか分からず、目もぐるぐると回って下も上もわからない。

 背中は痛いし、酸欠みたいになってるし、自分の必死な呼吸で耳もうるさい。

 闇雲に体を動かして、何かに当たってそこにもたれかかる。数秒で視界や他の感覚もマシになり、自分がもたれていたのが校舎の壁だとわかる。そして目の前に立ち塞がるように、小太りの男子がいた。

 彼を見上げて、俺は無意識にボソリと呟いた。


「まずいな」


 彼を越す上背の女が、眉を顰めて立っている。彼の肩を強く握り、ここまで聞こえてくるくらい掴まれた場所が軋んでいる。ボキッ。あ、折れた。


「何してんの?」


 聞くと同時、頭を鷲掴みにした潔はおもちゃのように小太りの彼を振り回す。そしてそのまま投げ捨てられ、数メートル先の木にぶつかりへし折った。


 メキメキメキ……ズン。と、漫画やアニメでしか見たことのないような擬音が頭に浮かぶ。俺はあまりの光景に自身のダメージを一瞬忘れてしまった。


「し、死んじゃうよ……」


 我ながらポカンとしたそんな言葉を口にした記憶を最後に、俺はいつの間にか意識を失っていた。







おまけ


花苗(……くっ! 早すぎるよ潔さん……!)ポケットニスマホモドシー



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